森林からのニッポン再生 (平凡社新書 380)

著者 :
  • 平凡社
3.56
  • (3)
  • (8)
  • (14)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 84
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582853803

作品紹介・あらすじ

江戸時代は禿山が多く、第二次大戦後の植林で緑化が進んだ。人工林は天然林より植物が多様で、生物相も豊富。このように、人工林が環境保護という面でも大きな役割を果たしていることは、意外と知られていない。だが、山村の過疎化や高齢化により、森は危機に直面している。今、"森林大国ニッポン"は、再生か否かの分岐点にある。「自然も山村も都市もつながっている」-新たな視点から日本の森を捉えなおす。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2011.8.29

  • 2007年刊行なので、情報が古びてしまっている部分もあるが、日本の森林、林業、山村を総合的に理解するために非常に有益な一冊。「昔の方が森林が豊富だった」「森林は緑のダム」といった「常識」を覆し、森林・林業の正しい姿を教えてくれる。森林セラピー、バイオマス・エネルギー(廃物の商品化)など今後の森林・林業の活かし方のヒントも感じられた。

  • [ 内容 ]
    江戸時代は禿山が多く、第二次大戦後の植林で緑化が進んだ。
    人工林は天然林より植物が多様で、生物相も豊富。
    このように、人工林が環境保護という面でも大きな役割を果たしていることは、意外と知られていない。
    だが、山村の過疎化や高齢化により、森は危機に直面している。
    今、“森林大国ニッポン”は、再生か否かの分岐点にある。
    「自然も山村も都市もつながっている」―新たな視点から日本の森を捉えなおす。

    [ 目次 ]
    第1章 日本の森林の素顔を探る(日本は世界に冠たる森林大国;存在しない「太古からの原生林」 ほか)
    第2章 ニッポン林業盛衰記(海外に打って出る日本林業;林業は焼き畑から生まれた! ほか)
    第3章 森から見たムラの素顔(山村は、もう一つの日本;木を売らなかった山里の経済 ほか)
    第4章 森と林業と山村を考える(人と森がつくる生態系社会;林業は環境を守る最先端ビジネス ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 表面的だった森林、林業に関する知識を深化、修正してくれた本である。

    ・森林の極相という概念は否定されつつある。
    ・感じの良い空間は20%程度の木材。
    ・日本の場合、1本の木の利用率は30%。精査すると10%かも。
    ・中国は年間800万ヘクタール(ほぼ北海道の大きさ)の植林を行っている。
    ・明治半ば頃、最も人口の多かったのは、新潟県。
    ・アマゾンのジャングルも1/3~2/3が原住民が植えたもの。

  • 日本の森、林業、山村などの近年の流れと現状を理解するのに手頃な1冊。
    東海道五十三次の絵などを例に引き江戸時代は禿山が多かったことや、人工林の方が環境保護の面で優れている例など、意外と知られていない事実の紹介などは興味深い。山村の過疎化や高齢化問題、都市と森林とのつながりを再考する一助にも。

  • 森を再生することの大切さと、その可能性までわかりやすく書かれている。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。静岡大学農学部を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている。主な著作に『虚構の森』『絶望の林業』『森は怪しいワンダーランド』(新泉社)、『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』 (イースト新書)、『森林異変』『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『樹木葬という選択』『鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵』(築地書館)、『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』(ごきげんビジネス出版・電子書籍)など多数。ほかに監訳書『フィンランド 虚像の森』(新泉社)がある。

「2023年 『山林王』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田中淳夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×