- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480063656
作品紹介・あらすじ
地図帳は究極の実用書だ。様々な土地情報がつまった"事典"であり、眺めているだけでそこへ行った気になれる"ガイドブック"でもある。そんな地図を使いこなすには、「地図が発する声」に耳を傾けるのがいちばん。地形表現や記号の意味と理由、官製地図の歴史や最新技術、国土地理院の仕事、測量や地図編集の苦労話…。地図の使い方から意外な楽しみ方まで伝授します。
感想・レビュー・書評
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元国土地理院の技官だった著者による、地形図の裏話。
作図技術や「図式」と呼ばれる作図マニュアルの歴史的な変遷、地形図に潜んでいる「間違い」「影や風向きなどの表現」「(ある種の)ウソ」などのエピソードがかなり興味深い。
中でも、
「かなり最近(2002年)世界測地系に組み込まれるのを機に補正されるまで、日本の地図は大陸などの地図と経緯度に食い違いがあった」とか、
「電子基準点(GPS電波を連続的に捉えて三角点同様の役割を果たす)が全国に約1,200点設置されている」とか、
「あの山は○○山であると特定し正しく表記することは意外に難しい」
とかいう話にはへぇーのオンパレードだし、
「建物の名称が表記される位置(順序)」とか、
「実地測量と航空写真参考の違い」とか、
「地図製作には“小人の手と巨人の目(繊細な作業と、巨視的に見て必要な情報とそうでない情報を取捨選択する=時には大胆に省略する能力)が必要」
とかは実用面から重要な示唆である。
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著者は国土地理院に技官として入所し、ゼンリン勤めている(いた?)バリバリの実務家=実際に地図を作っていた方。
そんな訳で文章は少々堅く読みやすいとは言い難い本ではあるのですが、いわゆる地図本(いわゆる地図本というのはどんな本かという話はここでは置いておく(^^ゞとは違い、地図を作る上での知識ネタ、地図表現の考察等々なかなか興味深い話しがたくさん書かれているのである。また、地図の著作権といったちょっとホットな?話題なども根拠法文なども踏まえてまとめてくれている。
いろんな2次加工された地図が出回っている中で、今や古典的と言える一般的な地図が現在の日常生活にそれで役立つ実用書になり得るかどうかは少々疑問ではあるが、地図に興味がある方にとっては読んでおいて損はないかと思う新書である。 -
国土地理院で測量や地図の作成を行った、ホンモノの地図屋さんが書いた本。何げなくお世話になっている地図について、大事な事からトリビアな話まで豊富な話題が満載。官製の地形図は相当のコストを要して作成されているいるが、原則無料で公開されているということが素晴らしく、地図=公共インフラという考え方に大いに共感できる。特に近年デジタル技術の進展により、地図情報の応用事例が急激に進化した感があるが、そのベースにあるのは地道な測位・測量と図面化という細かい作業のようである。
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請求記号 : 448.9||Y
資料ID : 91112437
配架場所 : 工大新書A -
[ 内容 ]
地図帳は究極の実用書だ。
様々な土地情報がつまった“事典”であり、眺めているだけでそこへ行った気になれる“ガイドブック”でもある。
そんな地図を使いこなすには、「地図が発する声」に耳を傾けるのがいちばん。
地形表現や記号の意味と理由、官製地図の歴史や最新技術、国土地理院の仕事、測量や地図編集の苦労話…。
地図の使い方から意外な楽しみ方まで伝授します。
[ 目次 ]
第1章 地図の楽しみ
第2章 地図作りの、なぜ
第3章 地図表現の秘密
第4章 地図情報は正確か
第5章 地図作りの現場から
第6章 地図にはアイデアがいっぱい
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
地図帳は究極の実用書だ。様々な土地情報がつまった"事典"であり、眺めて
いるだけでそこへ行った気になれる"ガイドブック"でもある。そんな地図を使い
こなすには、「地図が発する声」に耳を傾けるのがいちばん。地形表現や記号
の意味と理由、官製地図の歴史や最新技術、国土地理院の仕事、測量士や
地図編集の苦労話...。地図の使い方から意外な楽しみ方まで伝授します! -
製作者からの目線がいい