カラー新書 ゴッホとゴーギャン (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 113
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480072580

作品紹介・あらすじ

美術史のなかで燦然と輝く二つの巨星。二十世紀美術を準備した「後期印象派」を一望し、狂気と理性による創作の秘密を解き明かす。図版資料多数収載。

感想・レビュー・書評

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  • 良書。

    ・カミーユ・ピサロは印象派の「みんなのお父さん」的な存在。

    ・学生時代ともに陰キャだったセザンヌとエミール・ゾラは親友となるも、成功したゾラはパリピに変貌し、生涯陰キャなセザンヌとは疎遠になってしまう。

    ・何度見てもゴッホの自画像には狂気を感じる。帰宅してこの絵が飾ってあったらオシッコちびる。

    ・ゴーギャンは間の悪い男。そこまで酷い男ではないのだが、尊大な性格が自ら不運を引き寄せてしまっている感。

    ・「視覚が受けた印象を表現した印象主義を超越し、同じように内面性を表現したゴーギャンとゴッホだったが、知性と感情との融合を意図したゴーギャンの象徴主義は、自分の感情を表現したゴッホの作品よりも観るものにより知的プロセスを要求する。」(p159)

    ・「思想や観念など眼に見えない内面性を表現しようとしたゴーギャンと、写生を基礎に対象にまつわる自分の感情を表現しようとしたゴッホ。そして、激しく難しい性格だったが悪意というものがなかったゴッホに対し、傲慢で批判精神が旺盛だったゴーギャン。」(p159)

  • タイトルの2人だけでなく、
    印象派からピカソまでの、
    特に我々日本人が一番好きな時期における
    西洋美術の流れがよく理解できました。

  • ゴッホとゴーギャンを中心に描かれた、印象派の発展と、当時のフランス社会美術界についての足跡。
    あらためて勉強になるし、勉強してから観る絵画はまた感慨深い。

  • ‪ゴッホとゴーギャンを中心に後期印象派の流れと代表的作家を解説。代表的な二人の作家が活躍するまでの過程が美術史として理解できる。‬

  • 東2法経図・6F開架:B1/7/1441/K

  •  2019年11月に日本で公開される英仏米合作映画『ゴッホ 永遠の門』を視聴する前提知識として読むことにした。
     印象派の登場で大きく動いた西洋美術が20世紀に歩を進めるまでの道程を、特に後期印象派、ゴッホとゴーギャンを中心に紹介してゆく本。西洋美術史は大学時に一コマ受講していたが、大分忘れていたので助かった。

     また、この本は美術史における技術的な面を解説する一方で、ゴッホとゴーギャンの人生そのものにも焦点を当てている。彼らが当時のフランス社会・フランス美術界にどう影響され、またどう影響を及ぼしたのかを、彼らの人生を基に紐解いてゆく記述はとても面白かった。
     尾崎放哉然り太宰治然り、波乱万丈な芸術家気質の生き様は、歩みたくはないと同時に強く惹かれるものがある。幸不幸という価値判断を寄せ付けない、自分の命を燃やして眩しく輝く恒星のような生き方は、やっぱり読んでいて気持ちが良い。

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著者プロフィール

1966年生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業。専攻は西洋美術史。ロンドン・サザビーズ美術教養講座にてWorks of Art修了。講演、セミナーなど開催多数。著書に、『名画の言い分』(ちくま文庫)、『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』(ダイヤモンド社)、『名画は?をつく』シリーズ(ビジュアルだいわ文庫)などがある。

「2019年 『カラー新書 ゴッホとゴーギャン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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