頼山陽とその時代(上) (ちくま学芸文庫 ナ 25-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480097781

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  • ☆4.5 頼山陽は精神病だった
     吉田松陰を知るにあたり、松蔭が影響を受けた頼山陽の伝記を読まうとおもった。

     精神病視点で頼山陽を捉へるこころみで、中村自身の鬱病的経験を踏まへてゐる。さう照し合はせてみると、かなり的を射てゐる。そして精神病にもとづく推測が剴切に思はれてくる。

     徳川期の遠い時代といふ印象の人物が、いつのまにかわれわれに卑近に迫ってくる感じだ。両親の厳しさと甘やかしは、いまと変らない。

     徳川期になかった概念(当時は狂人扱ひしたもの)を、近代の精神病として捉へることで、頼山陽の実像が理解できる。
     私としては、頼山陽は発達障害をかかへてゐたのではないかとおもった。

  • 東2法経図・6F開架 919A/R12n/1/K

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784480097781

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著者プロフィール

中村真一郎(なかむら・しんいちろう)1918年、東京生まれ。東大仏文科卒。42年、福永武彦、加藤周一らと「マチネ・ポエティク」を結成し、47年、『1946文学的考察』を刊行する一方、『死の影の下に』で戦後派作家として認められる。以後、小説、詩、評論、戯曲、翻訳と多分野で活躍。王朝物語、江戸漢詩にも造詣が深い。作品に『回転木馬』、『空中庭園』、『孤独』、『四季』四部作、『頼山陽とその時代』、『蠣崎波響の生涯』他多数がある。

「2019年 『この百年の小説 人生と文学と』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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