日本人の死生観 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480098887

作品紹介・あらすじ

西行、兼好、芭蕉等代表的古典の中に、「死」の先達たちの生き方を辿り、現代に生きる私たちの問題として考える。日本人の心性の基層。解説 島内裕子

感想・レビュー・書評

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  • 「カミ」と「ほとけ」――日本人の宗教観
    「あの世」と「この世」――日本人の死後観
    「いのち」と「たましい」――日本人の生命観
    などを概観しながら、著者は西行から日本人の根源的な答えを求めた。
    花のしたにて――西行
    憂へ悲しむ――鴨長明
    ただ今の一念――吉田兼好
    旅を栖とす――松尾芭蕉
    老いの楽しみ――井原西鶴
    気をめぐらす――貝原益軒
    足を知る――神沢杜口
    闇はながれて――千代女
    あなた任せ――小林一茶
    天地に羞る――滝沢馬琴
    時を待たむ――良寛
    おわりに 日本人の死生観
    といった内容ですが、先人が書き置いた詩、歌、文章からそれぞれの死生観を導き出していたのだが、まず、西行の生き様、死生観に後の人間は一定の影響を受けていたことが窺えた。
    あとがきに書かれているが、西行から良寛にいたる十二人が語ってくれたことばのなかに日本人の死生観を読み解き、彼らの生き方死に方にふれながら、できるだけ現代の私たちが直面している問題にむすびつけ、今日の日本人のメンタリティ(心性)の基層に生きている死生観を照らし出してみることを意図したものだったということで、私なりに死生観の示唆を見つけられるいいきっかけとなるほんでした。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/738252

  • 日本人の死生観 立川昭二 筑摩書房

    文学史を学び北里大学と言う医者の環境に身を置き
    死や老いに関する哲学を覗き見た人なのか?
    西行の死生観に始まり鴨長明・吉田兼好・松尾芭蕉
    最後に良寛へと12人の詩と生き様を通して
    ニホンに根付いてきた死生観を掘り起こすと同時に
    現代人の死生観と比較して見るために
    自らアンケートを集めて分析する

    この極東列島と言う吹き溜まりである
    有史以前からの多民族国家でありながら
    あるいはだからこそ生まれた
    執着のないあの世とこの世を行き交う
    根深くも静かな死生観を生み出したのだろうか

    死の恐怖というよりも
    流れに参加する旅の冒険で
    知ることの楽しみを分かち合う
    有って無い無手勝流の
    満たされ感に浸る心地よさ

  • 花のしたにて―西行
    憂へ悲しむ―鴨長明
    たゞ今の一念―吉田兼好
    旅を栖とす―松尾芭蕉
    老いの楽しみ―井原西鶴
    魂離れぬ―近松門左衛門
    気をめぐらす―貝原益軒
    足るを知る―神沢杜口
    闇はながれて―千代女
    あなた任せ―小林一茶
    天地に耽る―滝沢馬琴
    時をし待たむ―良寛

    著者:立川昭二(1927-2017、東京都、日本史)
    解説:島内裕子(1953-、東京都、日本文学)

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著者プロフィール

1927-2017。東京生まれ。早稲田大学文学部史学科卒業。1966-97年、北里大学教授。後に同大学名誉教授。主に文化史、生活史の視座から病気、医療、死を考察した。1980年『死の風景』でサントリー学芸賞受賞。著書:『日本人の病歴』、『病いと人間の文化史』、『明治医事往来』、『いのちの文化史』、『生と死の現在』、『養生訓に学ぶ』、『生死のあわい』他多数。

「2018年 『日本人の死生観』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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