自分の仕事をつくる (ちくま文庫 に 8-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425577

感想・レビュー・書評

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  • 自分がこれからどうやって生きていくか、
    その目指すべき方向を示してくれた気がする。
    他人事ではない、自分の仕事。
    矛盾のない仕事。
    そんな風に生きていきたいなぁ。

  • ・人間は「あなたは大切な存在で、生きている価値がある」というメッセージを常に探し求めている生き物であると思う。そして、それが足りなくなると、どんどん元気がなくなり、時には先進バランスを崩してしまう。
    ・本人の「解像度」の高さが、その人のアウトプットの質を決める。
    ・仕事の質はその人の在り方にも直結する。
    ・生産性を上げるということは、そのデザインがファストフード化するということである。
    ・生きていうことは、いろんな人の仕事ぶりに24時間365日接し続けるということである。そして「こんなもんでいいや」という気持ちで作られたものは、「こんなもんで・・・」という感覚をジワジワと人々に伝えてしまう。
    ・イメージは最初からあるんじゃなくて、徐々に変化して固まっていくんだよね。その前はごちゃごちゃ。どんなものが出てくるかなんて分からないんだよ。
    ・一番最初に考えたものが最後まで続くなんてありえないんだよ。
    ・どのような分野でも技術の進化過程で起きる倒錯現象が起きる。写真ではなくカメラ収集、機能性ではなくデザイン。
    ・五感の豊かさは人生の豊かさである。
    ・大切なのは、本当の問題を発見する能力。表面的に目につく問題点は、より根本的な問題が引き起こしている現象の一つに過ぎない。
    ・他の人の成功事例をマネすることが成功への近道である時代があった。しかし、必ずしも他の人の成功事例をマネすることが、自分の成功を約束するものではなくなったのが今の時代である。
    ・その人がもっているもの、ちょっとした光っている部分に気がついて、ポッと焦点の合った仕事を与えると、人は必ず成長する。
    ・たまに付き合っているだけではダメで、つねに横で触れていないと気がつかない。机の上を眺めていても分からないし、綺麗事を言ったところで本心を語ってくれない。いずれにしても、その人が持っている能力に気が付かずにダメにしてしまったら、指導者失格。
    ・問題を解くのではなく、問題を作るという概念。世の中で一番難しいのは、問題を作ること。
    ・人は高いエネルギーを内側に抱えている。それは子供や青年だけでなく、高齢者も同じであり、問題はそれをうまく昇華させるチャンネルがないことにある。内在的なエネルギーをよい形で燃焼させている人々は生き生きとしているが、できない人は別の歪んだ形でそれを処理せざるをえず、結果としてきれやすい若者のような現象が生まれるのである。
    ・小さくて具体的な工夫の積み重ねが、大きな結果につながる。
    ・好きだけど理由が分からないものいくつか並べてみることで、魅力的な物事に共通するものが見えてくる。
    ・仕事に矛盾がないことが、しっくりきた。
    ・「ダブルバインド」子供が愛しているわと声をかけて、冷たい態度をとること。
    ・教育の現場にいると「感情をおもてに出せない子供たち」が増えている。しかしそれは、私たちが仕事を通じて社会に創り出している、ダブルバインドにあるのではないだろうか。
    ・自分の仕事を作るためには、仕事に「合わせる」のではなく、仕事を自分に「寄せていく」ことが重要である。仕事の本質はそもそも変わらない。

  • 最後の後書きがよかった。

  • 現代は生産性を上げること、効率的に物事を進めることばかりが重視されている。ときには、品質を下げてまでも。
    (この値段ならこの品質でいいよね?的な)

    でも、そんなふうに妥協して作られたもの産物を私達は大切にしたいと思えるだろうか?思えないよね。。

    働くとは「生」を感じるための手段であり、大切なものをこだわってつくることにこそ意味がある。
    適当なものをとりあえずつくって、そんなものが溢れている今の社会に疑問を投げかけるようなお話。

    ーーーーー
    あるパン屋さんのお話
    →色んな職を転々としていたけど、自分にとって一番矛盾のない仕事が小さなパン屋だった。
    ダブルバインド(言っていることとやっていることに乖離があり、矛盾を感じる状態)になっているビジネスがたくさんある中で、矛盾なく正直に生きられる職業って極わずかしかないのかもしれない。

  • 登場する人がみんな、自分の言葉で仕事を語っているのが印象的な本。自分自身がぼんやり思っていた不安やちょっと世の中のこれ違うよなぁという思いが言語化されているのには驚いた。何度も読み返し、立ち返りたい本。

  • 自分がしたいこと、社会のために貢献できる自分自身の目的、もっとシンプルにいうと、人生の目的。そんなことを考えさせられる本。
    お金、家族、社会的地位、会社の文化、人間関係。普段、いろんな外部からの影響を受けて自分は生きている。それが充足感につながることもあれば、しばりにつながることを。そういうしがらみをすべて取っ払って、シンプルに自分はどう生きたいか?それを探求し、そしてその心の声に従って勇気を持って生きていくことが果たしてできるのか、考えてしまう。どんな道を歩みたいか。

    ・モノづくりと身体感覚
    ・自分で考えることを考える。
    ・心臓のチャックを開く。
    ・あなたには価値があると口で言うのではなく、どれほど真剣に思っているかを態度と行動で体現する。
    ・いい仕事とは嘘のない仕事

  • 多くの気づきを得られる本です。
    ただ与えられた仕事をこなすのではなく、魂を込めてその先の人を見据えること。
    自分から率先して取り組むことができる仕事をして、人を幸せにすることができたら最高です。
    やらされ仕事ではなく、自分の仕事にできるよう心がけていきます。

  • 仕事を自分のものにするためには仕事を自分に合わせていくことである。
    これは至極当たり前のことだがなかなかできてない。本業も副業も仕事の状況に自分を合わせてしまっている。
    ただそれが自分を仕事に合わせているのか、仕事を自分に合わせているのかちょっとまだ判断が出来てない。個人的に仕事とプライベートをパキッと分ける必要はなく、グラデーションになっている方が心地良い。
    そのため仕事と仕事の間合にプライベートを入れたり、反対に言うとプライベートとプライベートの間に仕事を入れたりもする。それはある意味仕事を自分に合わせているとも言えるし、自分を仕事に合わせているとも言える。
    重要な事はそれを自分が心地良いと思うか、そして継続的に成果を出せるかこの2つかと感じる。

    本書な出ているインタビューイーの人たちは仕事に情熱を持ち没頭してきた方々だ。そのように仕事に向き合えるのも幸せだし、私のような仕事との向き合い方も幸せだ。やはり大事な事は自分の心地よさをきちんと理解し、その形で仕事をし成果を出し続けていくこと。それこそが「自分の仕事をつくる」ことだと感じる。

    ====
    ジャンル:スキルアップ・キャリア 自己啓発・マインド
    出版社:筑摩書房
    定価:836円(税込)
    出版日:2009年02月10日

    ====
    西村佳哲(にしむら よしあき)
    1964年生まれ。プランニング・ディレクター。建築設計分野の仕事を経て、デザインレーベル「リビングワールド」代表。つくる/教える/書く、の三種類の仕事を手がける。「つくる」は、クライアントワークとメーカーポジションでのモノづくりの両方を、コミュニケーションの観点から。「教える」は、美術大学などで、デザインプランニングやワークショップを担当。自称「働き方研究家」。著書に『自分の仕事をつくる』『自分をいかして生きる』『かかわり方のまなび方』(ちくま文庫)、『自分の仕事を考える3日間Ⅰ』『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』『一緒に冒険をする』(弘文堂)、『ひとの居場所をつくる』(筑摩書房)、『いま、地方で生きるということ』(ミシマ社)、『なんのための仕事?』(河出書房新社)など。
    http://www.livingworld.net/

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    flier要約
    https://www.flierinc.com/summary/3179

  • 1年ぶりに再読。
    読み終えて、しみじみと残っているのは以下のようなこと。

    ---
    「どのように仕事をするのか」から自分起点でつくる。組み立て直し続けていく。そうしながらなされていく仕事は、「その人の仕事」になる。そうして生み出されたものからは作り手の存在を感じられる。

    良い仕事のやり方は、ありものを吟味せず組み合わせるのではない。観察力を持ってやり方から作る。その結果として生まれるのがよい仕事。
    ---

    感受性や観察力という「よい仕事」の最初の一歩は今の自分が熱量を持っているテーマなので、それについて色々な人の多種多様な言葉を通して見られたのはちょうどよかった。読むたびに響く場所が変わる本。

  • 働き方を見つめ直すことができる本です。
    仕事の固定観念を無くし、大事なことを考えさせてくれます。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。武蔵野美術大学卒。建築設計の分野を経て、つくること・書くこと・教えることなど、大きく3種類の仕事に携わる。デザインオフィス、リビングワールド代表。多摩美術大学、京都工芸繊維大学非常勤講師。働き方研究家としての著書に『自分の仕事をつくる』(晶文社/ちくま文庫)、『自分をいかして生きる』(ちくま文庫)、『自分の仕事を考える3日間 Ⅰ』『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(以上、弘文堂)、『かか
わり方のまなび方』(筑摩書房)など。

「2011年 『いま、地方で生きるということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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