図書館の神様 (ちくま文庫 せ 11-1)

著者 :
  • 筑摩書房
3.64
  • (339)
  • (718)
  • (770)
  • (108)
  • (22)
本棚登録 : 6714
感想 : 692
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426260

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み

  • 本書を読んだのは中学生の頃。

    読書家の先生の勧めで
    瀬尾まいこさんの作品の中から本書を選びました。

    「生徒が教師に片思いをしていて
    それってあんまり良くない事だよね?」

    ほんの少しだけ
    甘酸っぱい空気感が漂う図書館での物語。

    それが当時の私の感想でした。

    大人になった今、また違った解釈ができると思うので
    いつか読み返したい作品の一つです。

  • のび太はタイムマシーンに乗って時代を超えて、どこでもドアでせかいをまわる。マゼランは船で、ライト兄弟は飛行機で新しい世界に飛んでいく。僕は本を開いてそれをするー。
    文学を通して私は何だってできる。垣内くんのおかげで、本がますます好きになった。

    • kuroayameさん
      この度はフォローしていただきありがとうございます\(^o^)/。
      本棚を拝見させていたいた、私が好きで読んだ本がたくさんあり、とても嬉しかっ...
      この度はフォローしていただきありがとうございます\(^o^)/。
      本棚を拝見させていたいた、私が好きで読んだ本がたくさんあり、とても嬉しかったです(^O^)/。
      これからも是非レビューを拝見させていただきたく、どうぞよろしくお願いします。
      2012/12/01
  • あぁ、また瀬尾さんの学校が舞台の作品に、じわりじわりと飲み込まれてしまいました。

    青春をぶつけた部活動。
    ミーティングで思わずきついことをぶつけてしまい、翌日注意されたチームメイトが自殺。
    原因は自分だったのでは?。

    その後、地元を離れ大学に進学。
    納得できないまま過ごしてきた時間の中で何か夢中になるものはないかと、たまたまお菓子作り教室へ通い、講師の男性と出会い不倫関係に。

    卒業し、赴任先の学校では国語を受け持ち、部活は文芸部。
    地味な活動の中、部長の垣内君との心の距離が縮まり、主人公も自然と一歩づつ知らず知らずのうちに楽しみながら教師生活を送ることができ、不倫から手を引き、垣内君卒業&新しい学校へのスタートを迎えることとなり、節目で物語が終わりまた瀬尾さん作品の良さを感じました。

  • いつも正しくあることに重きをおき
    バレーボールに青春を捧げ、
    18歳まで清く正しくまっすぐな青春を生きてきた
    早川清(キヨ)。


    しかしある事件から
    思い描いていた未来を諦めて
    国語講師として赴任した高校で、
    驚いたことに文芸部の顧問になった…。



    部員は3年生の男子の垣内君ただ一人。


    スポーツ万能なのに
    文学が好きな垣内君の秘密とは…。



    不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。




    いやぁ〜このまったりとして
    心地いい読後感。

    大好きな作家です♪


    瀬尾まいこの持ち味である
    あたたかい眼差しで、
    淡々とした日常を描いただけの話なんやけど、
    誠実で優しい文章が
    疲れた心にスーッと沁み入ってきます。



    バレーボール部の顧問になることが目的で講師になったのに、
    活気もなければたいした目標もない
    退屈な部活の顧問になってしまって
    頭を抱える清。

    そんなことにはかまわず、
    毎日一心不乱に
    図書室で川端康成を読み続ける垣内君。


    本気で文学をやりたいと思う高校生がいることに
    清は度肝を抜かれる。


    最初は図書室唯一のマンガ本「はだしのゲン」を読んだり
    海を眺めて
    退屈な文芸部の時間を潰していた清が、
    垣内君と過ごす
    かけがえのない時間の中で
    正しいことが全てではないということに気づき、
    講師ではなく
    本職としての教員を目指していく…。


    お互いの持つ傷には
    決して触れない
    二人の距離感が絶妙で
    ちょっとズレた二人の会話にも
    心が和みます。



    甘くてプルプルした
    プリン。


    透明で餡が透けて見える
    くず餅。


    メロンが沢山載った
    ショートケーキ。


    パスタで結んだ
    朝からじっくり煮込んだロールキャベツ。


    鮭とほうれん草とキノコの
    生クリームスパゲティ。


    などなど
    瀬尾さんの作品ではお馴染みの
    食事のシーンも
    たくさん出てきて楽しい(^O^)


    男前過ぎる(心根がね)
    垣内君を始めとして、

    清と不倫中の
    ケーキ教室の先生、浅見さん

    清の弟でシスコンの大学生・拓実


    28歳で毎年教員採用試験に落ち続けている
    体育講師の松井、


    など登場人物も相変わらず魅力的で
    すんなり物語に入っていけます。



    心に傷を抱えて生きる人や
    文学の楽しさを知らない人にこそ
    読んで欲しい
    本当に清々しい
    再生の物語です♪

  • なるほど。『温室デイズ』を読んだときはまだこの著者の本が初めてだったので、十分おもしろいと感じたが、この完成度を味わっていたら確かに物足りなさを覚えただろう。
    そのくらいおもしろかった。

    基本的には主人公、清の再生の物語だと思った。
    昔は正しさをふりかざしてガチガチに熱血して生きていたけど、ふとしたことからぐだぐだと崩れてしまった日常。そんな清が始めは前向きでなかった文芸部の顧問として一人の生徒と過ごしていく中で、次第に昔とはまた一味違った調和を取り戻していく。

    その過程で繰り広げられる、ちょっとずれた感じの会話だったりエピソードがとても楽しい。最後にカタルシスもあり読後感もよい。

  • 文芸部ってそういう活動をしているのね。いや垣内くん独特だから実際どうなんだろう?
    垣内くんが魅力的な登場人物でした。独特だけれどそばにいても嫌じゃない。主人公が垣内くんとのやり取りの中で次第に変わっていくのがよかった。

  • 伝えたい何かは直接的じゃないと読み取りにくい。
    文学が難しく感じる理由はそれかな。
    垣内くんの最後の言葉はとても良かった。
    新しい世界に触れる方法は本でも船でも飛行機でもなんでもいい。その人が夢中になることがあればいいんだ。
    そしてそれが主人公にとって教師だった。なんとなく免許取った人が成長しているな。自分が夢中になれる新しい世界はなんなんだろうか。本?旅行?

  • 読み始めてたった5ページ(それも文庫本の)で、主人公のせいで(と、周囲に決めつけられている)自殺した高校生の話が出てくる。清く正しく生きてきた主人公にとって、この物語の出だしはどうよ、と面食らう。だけど、読み進めるうちに主人公の疑問や自虐や悲しみや怒りがじわじわと形を変えて行くのがわかる。物語の終わりは主人公にも読者にもとても心が落ち着くものであり、軽トラの上から見えたのが美しい夕陽でよかった、と心の底から思った。

  • 自分が教員をしていることもあって、とても共感出来る部分が多かったです。確かに会議多すぎ笑。清は人生に疲れていたんだなあと。浅見、松井や弟、何より垣内君との文芸部での交流を通して、生きる意味や自分の正義を見つけ直したのではないかと。文学って良いものですね。あと、やっぱり不倫は(特にされる側は)切ないなあと。

  • 今年の1冊目
    大好きな瀬尾まいこさんの作品

    文芸部顧問の清とたった1人の部員・垣内との表立って悩みや過去の傷を語る訳ではないけれど、どこか信頼し合っているような関係性が読んでいて心地良い一冊

    瀬尾まいこさんの作品はいつも気持ちを半歩前に進ませてくれます。
    無理に背中を押されない感じがすごく好き


    校庭を
    はしゃいで共に
    飲むサイダー
    その心地良さが
    居心地の良さ


全692件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

瀬尾まいこの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×