太宰治集: 哀蚊 (ちくま文庫 ふ 36-12 文豪怪談傑作選)

著者 :
制作 : 東 雅夫 
  • 筑摩書房
3.54
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本棚登録 : 94
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426321

感想・レビュー・書評

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  • 太宰治の怪談傑作選?と手に取りました。
    読んだことのあるもの、初めて読むもの、どれもやっぱり面白かったです。
    「舌切雀」や「浦島さん」などはよく知っている昔話よりもグロテスクな印象。「黄英」「竹青」も巻末付録の『聊斎志異』と併せて深く楽しめました。

    女性の一人称独白体である「待つ」「皮膚と心」「葉桜と魔笛」が特に好きです。
    「皮膚と心」は冒頭から1度読んだら忘れられないし、読んでいる間中その描写のリアリティに鳥肌が立つ思いなんだけど、読み進められずに居られない。「葉桜と魔笛」は何度も読んでいるおそらく私が1番好きな短編です。

    どれも怪談と言うと少し違うような気がするし、本人も認めていたらしい、泉鏡花や芥川龍之介からの影響もしっかりみられるけれど、それにしても太宰治の独特の視点や感性はやっぱり他に類を見ないなあとしみじみ思います。

  • 舌切り雀と浦島さんが自分が知っているお話と全然違ってて特に面白かった。

  • 怪談というより「変身・説話」系の物語収録がメインです。あとは、アリバイモノの「断崖の錯覚」はミステリ読みには有名ですね。
    読んでて一番ゾッとしたのは「雌に就いて」。出だしは自分の理想の女性像について妄想してるだけかとおもいきや……この展開は笑えねぇ。(作者本人の史実絡みのネタです。書いちゃうんだーみたいな)

    御伽草子にしろ、その他の作品にしろ、主人公「私」の自虐(道化?)じみた思考など、どうしてもその向こうに「太宰治」の姿がチラチラ見えて、非常に読んでて複雑な気分になる読書でした。

  • 短編集
    待つはよかった 絶望読書から

  • 太宰治は祖母から聞いた怪談を好んだ。昔話等を太宰治の解釈で書いた短編集。



    全くすらすらと読めませんでした。単語の意味はわからないし、一文が長くていらいらするし、本題までが長すぎる。途中で寝ちゃうし

    でもね、全部がそんな感じではなく、つらつら読めたりします。



    固い文が久しぶりだから、これからたくさん読んでいきたいと思います

  • 太宰ナイト2017用に。
    (「清貧譚」「トカトントン」「ア、秋」)
    <収録作>
    怪談
    哀蚊
    尼 「陰火」より
    玩具
    魚服記
    清貧譚
    竹青 新曲聊斎志異
    人魚の海 「新釈諸国噺」より
    舌切雀 「お伽草紙」より
    浦島さん 「お伽草紙」より
    創世記(抄)
    断崖の錯覚
    雌に就いて
    女人訓戒
    待つ
    皮膚と心
    葉桜と魔笛
    フォスフォレッスセンス
    メリイクリスマス
    トカトントン
    魚服記に就いて
    古典竜頭蛇尾
    音に就いて
    ア、秋
    むかしの亡者
    五所川原
    革財布
    一つの約束
    ●巻末附録1 黄英 『聊斎志異』より
    ●巻末附録2 竹青 『聊斎志異』より
    ●巻末附録3 命取らるる人魚の海 『武道伝来記』より
    解説 伝統と現代と 東雅夫

  • 怪談や怪奇幻想系の話を期待すると肩透かしを食らう。
    昔話や妖怪系の話って怪談??

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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