- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480428486
作品紹介・あらすじ
文学歴史芸能に、教育問題、身体論。はたまた米中の行方まで。抱腹絶倒、痛快無比。当代きっての柔軟な知性が語りつくす、世界と日本の現在過去未来。不毛で窮屈な論争をほぐして「よきもの」にかえる大人の智慧がここに凝縮。読むと希望がわいてくる対談集、待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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パブリックな面、小説の作法として説明を丁寧にすること、特異な橋本治さんのことに内田先生を通じて触れることができました。
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橋本治と内田樹の対談を収録しています。
もっぱら橋本を深く敬愛する内田が、橋本のすごさを引き出そうとしていますが、話をまとめようとする内田を振り切って、橋本が思いもかけない方向へと議論を拡散させていくために、けっきょくまとまりのつかないかたちで話がどんどん進んでいってしまうという印象があります。それをおもしろいと思うか、それとも散漫だと思うかで、評価が分かれそうです。
橋本治を批評するひとがいないことを問題視する内田の主張は、おなじことを強く感じていた読者としては、あの内田ですら橋本治をつかまえることができずにいる本書の対談を読んで、いささか絶望的な気分にもなってしまいます。それでも、橋本治における「公共性」のありかたなど、いくつか興味深い着眼点が示されていて、感心させられることもけっしてすくなくありませんでした。そのうえでなお、隔靴掻痒の感がのこります。 -
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橋本治さんが亡くなり、内田先生が何度もその知性を褒めたたえるので、読んでみたくなったが、正直自分には対談本を読むだけでは知性のすばらしさがわからなかった。面白かったのは、官打・位打という言葉。これは初めて聞いた概念だが、とても面白かった。何かというと、武家が増長していった時代に、頭角を現すものをつぶす方法である。実力のある者に対して、明らかに不つり合いな大出世をさせる。しかし、不釣り合いな仕事をこなせるわけもなく、その人物は失墜するというエスタブリッシュを武器にした攻撃。後白河法皇の義経の猛プッシュは官打だったという。平安の貴族たち、和歌を詠んでるだけじゃなくて、なかなか手ごわい。。 -
橋本治って知らなかったのだが、いつも上から目線の内田樹を軽くいなし、叩いていくところが痛快。
橋本治著、「窯変 源氏物語」も面白い(第一巻で挫折中) -
あとがき(by橋本治)より
「今をときめく内田樹が橋本治と対談をしているのである。なにも知らない人がこれを聞いたら、「きっと、すごく重要なことを縦横無尽に語っているのだ」と勘違いしてしまうかもしれないが、この本には「重要なこと」なんかろくにない。なにしろ、この対談集の主たるテーマは、「橋本治」だからである。」
まさにそう、そう勘違いしてしまっていました。
基本的には、橋本治の盛大な自分語りの本。橋本治を大好きな内田樹に促されるままに、語る語る。そのための本だから良いんだけど、これを享受できるだけの橋本治愛は、いまの私にはまだなかった。読んだことのあるいくつかの本は全てとても面白かったのだけれどね。
それでも随所随所、私が少なからず興味をもっている「なにか」について、たとえば戦後の民主主義教育のことや、小津映画のこと、おしゃれについて、神仏混こうについて、、、語っている箇所は、それぞれへ~と思えて楽しかった。 -
賢い人って世の中にはいるんだなあと実感。
でも、あの窯変源氏を書き上げる人が
まともなはずないの(笑)
でも、気張りすぎてないので、
電車の中で読むのにちょうど良かったです。 -
橋本治さんの公共性への感覚が、わかる!!って思いました。私もなによりも公共的でいることが憧れだとよく思ってました。
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橋本治の書いたものをたくさん読みたくなる本