コーヒーと恋愛 (ちくま文庫 し 39-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 210
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480430496

感想・レビュー・書評

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  • 中年男女の恋愛話ですがドロドロした展開は無いです。ベンちゃんが出て行ってからのドタバタ加減が絶妙で面白ったです。

  • ブラウン管テレビで30分連続ドラマを見ているようなイメージ。ドタバタジタバタ。

  • 主人公のモエ子が珈琲モテする話
    パラパラと軽く読める
    アンナはとんでもない女、、

  • 文学

  • 獅子文六、2冊目。
     まぁ、だいたい作風というか、空気感というか、話のもっていきかたも判ってきたかな。

     『バナナ』が読売新聞で1959年2月19日~9月11日の連載、本作『可否道』(旧題)は同紙1962年11月~1963年5月の連載。全国紙で短期間で連載を2回持つほど人気作家だったというのが伺い知れる。
     また『バナナ』が映画化( 松竹大船1960年)、本作はNHK銀河テレビ小説としてテレビドラマ化(1974年2月-3月)、著者の経歴も小説家の他、演出家ともあり、20代で渡欧しフランス新劇の観劇、研究に没頭、帰国後は文学座を創立するなど幅広くご活躍されていたようだ(Wikiより)。
     本作のNHKドラマ化の前、同じくNHK連続テレビ小説の第1作が著者の『娘と私』(1961年4月 -1962年3月放映)だったというから、テレビ業界、おそらく芸能界にも顔の利く存在、けっこう時の人だったのでは?というのが、その経歴から感じとれる。
     それが、没後、ほとんどの作品が絶版となっていて、ちくま文庫が2013年に復刊(本作が契機だとか)というのだから、面白いもの。

     絶版というのも、それなりに分からんでもない。要は、お手軽なのである。業界通であることを通して、テレビドラマの撮影現場、芸能人とマネージャーの関係(そういえば『バナナ』にも出てきたサキ子を売りだそうとするマネージャーと、本作のアンナのマネージャー飯島は、どことなくキャラがカブる)、が浮世離れして描かれている。一方で、放送局の内側の様子、新劇の関係者の人物造形等などが、当時としては一般人の知る所でない世界を描いていて面白がられたりはしたのだろうが、それもファッション、流行の類。派手で華やかではあるけど、人の気持ちの離れ方も早いというものか。
     それでも、面白いものは、こうして半世紀も寝かせれば、また巡り巡って価値がでるという、面白い一例ではあるのかもしれない。

     とまぁ、一向に、本書の内容の感想に入っていかないのだけど(苦笑)。
     『バナナ』より、いっそう、テレビドラマ感が強く、取り立てて語るところも少ないというのが正直なところ。著者の作品は、当時の時代もあったかもしれないけど、女性が元気なのが、ひとつ魅せどころなのかな。
     主人公の新劇上がりの40半ばの女優モエ子と、彼女をとりまく珈琲好きの面々の、面白おかしい好いた惚れたのドタバタ喜劇。コーヒーというものに対する、ブルジョワな好奇心が庶民の間で高まっていたのだという時代の空気を感じ取れたのは、面白かった。
     コーヒーの当て字も、珈琲ではなく、最初は「可否」だったんだ。へぇ~(x3)。

    「明治21年に、鄭という中国人が、東京下谷黒門町に、日本最初のコーヒー店を開業したが、その時の店名が、可否茶館であった。コーヒーの宛て字に、”可否”が用いられたのも、この時が最初である。」

     群馬コーヒー事件(S23)、インスタント・コーヒーの台頭とコーヒー暴落 etc.etc.、コーヒーを愉しむための歴史的な薀蓄も知れるのも、面白いところか。ま、それが歴史となって読める50年後だからだろうね。

  • 昭和のテレビドラマのような味わい深さ。年上の女優が、年下の夫を若い新劇の女優に奪われるというなんとも切ない話なのに、どこか飄々としてて楽しめた。
    遠出するときにバッグに入れて、読んでは放置を繰り返したが、開くたびに登場人物が生き生きと目の前に現れて楽しませてくれた。そんな一冊。

  • 面白かったんだけど、後味がなんとも…人によって爽快だったりモヤモヤしたりは違うかもなぁ。

  • 可もなく不可もなく
    読み物として読む

  • 帯に惹かれて購入。
    この本の帯の煽りは私今まで観た中で一番惹かれた。この帯を書いた人を知りたい。(書店員さんかな)正直この帯が無ければ目に止まらなかったと思う。

    *感想*
    昭和初期の作品なのにとても読みやすかった。昭和三十年代のレトロな雰囲気がふんだんに散りばめられていて、古い喫茶店でレコードを聴いてる様な気分になる。タイトル通りコーヒーづくしの小説なので自分でも凝ったコーヒーを入れて、それを片手に読み進めたい作品だった。

    *ネタバレ気味な感想*
    もうちょっとベン助とアンナを懲らしめても良かったな。あのお馬鹿で図々しい二人はには、離婚の場面からずっとモヤモヤしてたので、ドカンと痛い目に遭ってくれないと気が晴れぬ。
    そして、コーヒー狂い達を唸らせ、それの為に結婚までしたくなるモエちゃんのコーヒーは一体どんな香りと味なんだろうか…。
    もうヨーロッパでコーヒー店を開いて、帰ってこなくてもいいと思うよ☕️

  • 私もモエ子さんの珈琲が飲みたい。

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著者プロフィール

1893─1969年。横浜生まれ。小説家・劇作家・演出家。本名・岩田豊雄。慶應義塾大学文科予科中退。フランスで演劇理論を学び日本の演劇振興に尽力、岸田國士、久保田万太郎らと文学座を結成した。一方、庶民生活の日常をとらえウィットとユーモアに富んだ小説は人気を博し、昭和を代表する作家となる。『コーヒーと恋愛』『てんやわんや』『娘と私』『七時間半』『悦ちゃん』『自由学校』(以上、ちくま文庫)。『娘と私』はNHK連続テレビ小説の1作目となった。『ちんちん電車』『食味歳時記』などエッセイも多く残した。日本芸術院賞受賞、文化勲章受章。


「2017年 『バナナ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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