あしたから出版社 (ちくま文庫, し-56-1)

著者 :
  • 筑摩書房
4.19
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本棚登録 : 1040
感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480438225

作品紹介・あらすじ

青春の悩める日々、創業への道のり、編集・装丁・営業の裏話、忘れがたい人たち……「ひとり出版社」を営む著者による心打つエッセイ。解説 頭木弘樹

本当は就職をしたかった。でも、できなかった。33歳のぼくは、大切な人たちのために、一編の詩を本にすること、出版社を始めることを決心した──。心がこもった良書を刊行しつづける「ひとり出版社」夏葉社の始まりから、青春の悩める日々、編集・装丁・書店営業の裏話、忘れがたい人や出来事といったエピソードまで。生き方、仕事、文学をめぐる心打つエッセイ。
解説 頭木弘樹

感想・レビュー・書評

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  • あしたから出版社(就職しないで生きるには21) 関西ウーマン
    https://www.kansai-woman.net/Book.php?id=200697

    あしたから出版社|高校生と、かつて高校生だった人たちのための読書案内
    http://j-apix.co.jp/books/introduction/201904-3-01.html

    コネもお金も、なにもなかった。経験ゼロで立ち上げた「ひとり出版社」が、10年生き残った理由。──夏葉社 島田潤一郎インタビュー【前編】 | クラシコム(2018.9.27)
    https://kurashi.com/journal/11009

    筑摩書房 あしたから出版社 / 島田 潤一郎 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480438225/

  •  “夏葉社“という名前の出版社を初めて知ったのは、『昔日の客』を購入したときだった。“本“に関する本が好きだったので、古本屋の主人であった著者の本に対する愛情やお客(中には有名な作家もいる)との交流が綴られている内容に先ずは魅かれた。そして布装の装丁が珍しかったので、今どきこんな本を出す出版社があるんだ、と記憶に残った。

     次には、上林暁の『星を撒いた街』。シブい本を出すなぁーと、また印象に残った。

     そして、晶文社の親本が出たときに、夏葉社を1人でやっている島田さんという人が書いた本なのだと知った。従兄の死という事態に遭遇して、何か親御さんたちのためにしてあげられることはないかと考えて、「ひとり出版社」を立ち上げたこと、一冊一冊の本ができるまでの、そして売込みの営業の苦労、また協力してくれた人たちのありがたさなどが、とても素直な文章で書かれている。

     文庫化されて、また買ってしまった。
     「45歳のぼく」という、現時点での島田さんの考え方が分かる文章が書き下ろされている。自分の見えている2500人の読者(これは夏葉社の初版部数だそうだ)に良い本を届けたいと。
     
     夏葉社から刊行される本の全部が全部自分の関心のある本という訳ではないが、一読者として一冊でも購入することで、少しでも応援していきたい。

  • -------------------------
    就職は
    あきらめた。
    本をつくる
    ことに決めた。
    -------------------------
    好きでよく見ているYouTubeで(vlog)で島田さんの本が紹介されていました。
    気になって購入し、ようやく読めました。

    本書冒頭の「はじめに」が胸に刺さりました。
    そう、そうなの、って。
    みんな自己責任、
    失敗したら責任とるのが当たり前、
    だってそれは自分が選んだんだもんね、って。
    そういう気持ちにさせられるのは、
    SNSで糾弾されたり
    執拗に言葉で責められる様子を見るからなのか。
    でも、ネットというツールも
    島田さんの出版社では活用されています。
    (ブログやSNSを通じてきっかけを作ったり)

    本書は、
    島田さんが出版社を立ち上げるまでの過程と想い、
    出版物をどう販売につなげるかなど、
    島田さんのお人柄や生い立ちと織り交ぜながら
    描かれています。
    書店を一軒一軒まわる姿や、
    どう経営していくかなど、本当にぎゅっと。

    綺麗な本、ずっと本棚においておきたい本、
    本の中身だけではなく、外側も含め。
    夏葉社の本が欲しいのですが、
    お小遣いの関係で賞与が出たら、
    お迎えしたいと思っています。

    本が好きな人はもちろん、
    今の生活が少し苦しかったり、
    これで良いのかなと思っている人にも
    ぜひ読んでほしい一冊でした。

  •  本好きな人には,たまらない本だろうと思う。
     この本のことは,わたしがお世話になっている仮説社のブログか『たのしい授業』誌上かであると思われる。よく覚えていない。

    みんなと同じ働き方はあきらめた。30歳まで自分のためだけに生きてきたぼくは,大切な人のために全力で本をつくってみようと思った。(表紙より)

     大好きだった従兄弟の突然の死を受け入れようと,初めての本作りに挑戦する筆者。本好き,本屋好きと自負する著者の七転八倒の物語。本書を読むと,ここに紹介されている,著者が編集した本たちを読みたくなる。
     わたしが読んだのは,単行本の方。このブクログに登録しようとして,文庫本も出ていることを知った。 

  • ただ身近なあの人のために。あの人なら喜んでくれるだろうと考えながら丁寧に作られる本。
    何年も何十年も大切にされる事を願って作られる本。
    書店でこんな本に偶然巡り合う幸せ。
    夏葉社さんの本に私も巡り合いたい。その時私はその本にどんな感情を抱くだろう?

  • 【孤独なときは本屋さんへ行った】

    従兄が死んだ
    就職できなかった
    本をつくることに決めた

    ひとり出版社を立ち上げた島田さんの
    「いい本」への気持ちが溢れる一冊

    解説の「残像のいい人」という言葉が
    とても好きです

  • 島田さんの本に対する気持ちが綴られていてとても良かった。また、気になる本屋があるとどこへでも行ったり、営業も直接行ったりしており読んでいて面白い。これからも趣味の読書を大切にしたいと思える作品だった。

  • 就職できず、大切な従兄弟をなくした
    著者の島田潤一郎さんが、ひとりで
    出版社をはじめる。

    ひとりでではあるものの、
    やっぱり人脈とある程度知識が程度ないと
    こううまくはいかない世界だよなぁと思った。

    小説家を目指されていたということもあり、
    文章がとてもうまいと思った。
    クスリと笑えるシーンもあり、
    好きなことを突き詰めることって大事だなと
    改めて感じた。

  • 島田さんという全く知らない人が、出版社を1人で立ち上げ、1人で本を世の中に出していくエッセイ本。
    島田さんは夏葉社という出版社を立ち上げ、本を出版するのだがその本をまず読んでみたいなと思った。こういう経緯でこの本を出版することになったんだと知った状態で読むという経験がないのでしてみたい。
    この本の感想としては、読みやすい。知らない人の話であっても、スラスラと読めた。あと何よりも本に対する情熱が伝わってくる。

  • 本好きにはたまらない「ひとり出版社」を営む島田さんのエッセイ。本や人を大事に思うところはもちろん、コンプレックスや失敗もかなり明け透けに語る素直さが素晴らしい。共感ポイントはそれぞれだが、不意打ちをくらって涙してしまうから要注意。

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著者プロフィール

1976年高知県生まれ、東京育ち。日本大学商学部会計学科卒業。大学卒業後、アルバイトや派遣社員をしながら小説家を目指していたが、方向転換。2009年9月に出版社・夏葉社を東京の吉祥寺で創業した。著書に『古くてあたらしい仕事』(新潮社)、『父と子の絆』(アルテスパブリッシング)、『90年代の若者たち』『本屋さんしか行きたいとこがない』(岬書店)がある。

「2022年 『あしたから出版社』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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