先生はえらい (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 1956
感想 : 245
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480687029

感想・レビュー・書評

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  • いつも通りの筆致だけど、プリマー新書ってこともあって、いつもより分かりやすく書かれてる。サラッと読み通せる感じになってるけど、内容がペラい訳では全くなくて、ならではの先生論が思う存分展開されている。読む前のイメージとして、目の前にいる先生を信用して、えらいと思い込めばおのずと道は開ける、的内容かと勝手に想像していたけど、違ってました。書物を通してでも良いし、直接的関わりのない人でも良いから、ってことだったんですね。

  • ああ、こういうタイトルにするのはわざとなんだな、と最後まで読んで理解した。いや、結局は誤読で勝手に受信してるのかな?(笑)
    『こころ』などの先生像から読み解く夏目漱石の描く先生像は面白かった。
    理解したい、でも理解しきりたくない、なんなんだろう?!という問いこそが学び。コミュニケーション。確かに人の日記でも、詳細事実が事細かに書いてあるだけだとげっそりすることがある。それは問いになることはないし、もっと言えば誰かが誤読することを許す範囲のない、心づくしのない文章だからなんだろう。
    などなど、様々誤読しながら読めたので、面白かった。

  • 2005.03.頃、文化放送を聴いていたら、大竹まことさんが
    面白いって言っていたので、早速、買ってみました。
    これが、内田樹先生の著書との出逢いです。
    本書は、先生が、中高生のために書いたそうです。
    中高生に、是非、読んで欲しいと思いますが、
    これが理解できる中高生はそんなにいないと思うが、
    これは、私の思い上りだろうか?
    「先生は同じことを教えたのに、生徒は(各々)違うことを学んだ。」
    「弟子たちは先生から決して同じことを学びません。
    ひとりひとりがその器に合わせて、
    それぞれ違うことを学び取ってゆくこと。
    それが学びの創造性、学びの主体性ということです。」

    「自分がこの世界でただひとりのかけがえのない存在であるという
    事実を確認するために私たちは学ぶのです。」

  • 学びについて。
    内容はいつもと同じです。
    対象が子供なので、分かりやすい表現で書かれています。
    僕にはこれくらいでちょうどいいです。

    ちょっと、子供には分かりにくいんじゃないかと思われる内容もありました…
    あ、分からなくていいんだった(笑)。

  • 人間は基本的に、謎を嫌う生き物だ。謎を放置したままだと安心感を得られないからだろう。
    だから謎がコミュニケーションの潤滑油となり、そこから学びが始まる。

    謎や疑問が存在すれば、それだけ学びも存在する。

  • 学校の先生がどうこう、って話じゃなくて、
    自分の先生をどう設定できるかによって違ってくるぜ、みたいなお話。

    誰にとってもいい先生なんて存在しない。
    だから学校にもいろんな先生がいた方がいい。
    一定の基準はないんだなぁ。教わる方だってバラバラなんですものね。

    私にとってのいい先生って誰だったんだろうなぁ、とか考える。
    あと、今、私が先生にしたい人って誰なんだろう、とも。
    目標じゃないけど、その思考や行動に近づきたくて理解したいような人。
    そういう人がいるとぐいぐいその方面への力は身につく。
    漠然とした感じじゃなくて、具体性を持った人が目的にいるというのがいいのかなぁ。

  • 内容に同意できるかはともかく、着想を楽しみつつ自分で考える本。

  • 著者が「学びの主体性」について書いた本です。
    武道家であり哲学家である著者独特の語り口は読んでいて楽しく、よくわかったような解らなかったような後読感も心地いいものでした。

    「学ぶのは学ぶもの自身であり、教えるものではありません。」
    この一言を説明しているような本です。

  • たしかに、先生はえらい。
    そういう先生・師(勝手に思っているだけだけれど)に
    出会ってしまっている。とても、嬉しいことだ。

    気持ちは大変だけれど。

  • 内田先生が書く、学び方についての本だと思いながら読みました。

     技術には無限の段階があり、完璧な技術というものに人間は達することができない。このことはどんな道でも、プロなら必ず初心者におしえるはずのことです。(P29)

     聴き手に何の興味も示さないで熱く語り続ける語り手も、聴き手の存在を否定するメッセージを発信しているという点においては変わりません。(P113)

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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