定本尾崎翠全集 上巻

著者 :
制作 : 稲垣 眞美 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 74
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480710918

作品紹介・あらすじ

本書は、現時点までに発見された尾崎翠の全作品、翻訳、座談会での発言、断想、書簡のほか、未発表生原稿、草稿、書簡等を収録し、定本として構成したものである。

感想・レビュー・書評

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  • 上巻収録作では、一九二七年辺り以降の作品は、いよいよ作家としての才気が溢れているように思えて、味わいのある作品が多い。
    そして何といっても「第七官界彷徨」。何より読んでいて楽しいし面白いし、その一方で絶えず何処かに淋しさやもの哀しさ、感傷的でノスタルジックな彩りを帯びてもいて、それは何だか純粋な結晶のようにも思えて、読み終わった心に不思議な感慨を残す。物語の中で小野町子は、第七官界に響く詩を書こうと願いながら叶わずにいるけれど、彼女が語る「第七官界彷徨」は、これを読んだ多くの人の心に響く作品であることには疑いない。とんでもないことであると思う。

  • 戦前に描かれたものなんだよね? 本当に?
    と思うぐらい、みずみずしく、新鮮で、今に通じる色彩があった。彼女の存在を知れてよかった、彼女の作品を読めてよかった、という感じがした。

  • とにかく言葉の選びが美しかった…!世界観にグイグイ引き込まれ、奇妙な官能さを感じました…
    アップルパイの午後、開いた瞬間衝撃を隠せませんでした!テンポよく、舞台を見ているかのような展開、こんなにも面白い本だったなんて思いもよらなかった…!

  • 登録するのをすっかり忘れてました!!もう二年間お世話になりました…。ページが癖になって閉じなくなったことに達成感を覚えています。

  • 烏兎の庭 第四部 書評 11.24.12
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto04/bunsho/midori.html

  • Iは詩歌11篇、IIには初期・中期の作品の短・中編の『無風帯から』、『松林』、『花束』、『少女ララよ』、『詩嵐の夜空』『初恋』他17篇、IIIには昭和初期短・長編の『香りから呼ぶ幻覚』、『或る伯林児の話』、『山村氏の鼻』、『詩人の靴』、『匂い』、『捧ぐる言葉』、『木犀』、『アップルパイの午後』、『湯槽』、『新嫉妬価値』、『途上にて』、『第七官界彷徨』、『第七官界彷徨の構図その他』、『歩行』、『こほろぎ嬢』、『地下室アントンの一夜』が発表順、執筆順に収められている。やはりこの中では『第七官界彷徨』は別格。

  • 少女まんがそのものの 甘酸っぱい世界。面白いかどうかはともかく すげーと思いました。時代を先取りしているわけだよねなんか 台湾ドラマ とかになっても 全然おかしくない 第七官界彷徨 を F4ドラマで。  

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著者プロフィール

1896年鳥取生。女学校時代投稿を始め、故郷で代用教員の後上京。日本女子大在学中「無風帯から」、中退後「第七官界彷徨」等を発表。32年、病のため帰郷し音信を絶つ。のちに再発見されたが執筆を固辞。71年死去

「2013年 『琉璃玉の耳輪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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