- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480804754
感想・レビュー・書評
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短編集10編
どの短編もキリリとした芯のある女性がキラリと光っている.そしてやはり表題作が一番心に残る.また弾むような会話の面白さ,東京は江戸っ子あるいは関西のノリの良さで思わず笑ってしまった.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編10作。
初石田千作品。
いっぺんで大好きに。
なんだろう。優しいよね。使い込んだガーゼの肌触りみたいな。
こういう作品を読んでるとそれだけでうれしくなる。 -
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果たして、イノリは通じるのか。七十六歳にしてピアノを習い始める佃煮屋の女将、彼女の願いと挑戦を軽妙に語る表題作ほか、幼児から老女まで、様々な年代の女性の日常と「イノリ」を描いた傑作連作短篇集。
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表題作のほか、「{ぶらんこ」 「うぐいす」 「青嵐」 「梅雨明け」 「風鈴」 「素麺」 「球根」 「木枯らし一号」 「去年今年」
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それぞれ別のお話しなのだが、どこかで淡く繋がっている気がする。それぞれが、各々の場所で、各自の人生を生きているということが、別の場所の別の人の人生と、知らず知らずのうちに淡くかかわりを持ってくるような。ほんのりとあたたかな気持ちになる。そして表題作は熱い思いが並々と溢れている。そしてそれも人との関わりなのだなぁと思わされる。人はいろんなことを考え、いろんな気持ちを胸に仕舞って生きている。それをお互いに少しずつ見せ合うと、僅かずつでも繋がっていくのかもしれないと思えてくる。まず何かに気づくことが始まりなのかもしれないと気づかせてくれる一冊でもある。