ヲトメノイノリ (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 122
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804754

感想・レビュー・書評

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  • 短編集10編
    どの短編もキリリとした芯のある女性がキラリと光っている.そしてやはり表題作が一番心に残る.また弾むような会話の面白さ,東京は江戸っ子あるいは関西のノリの良さで思わず笑ってしまった.

  • 短編10作。
    初石田千作品。
    いっぺんで大好きに。
    なんだろう。優しいよね。使い込んだガーゼの肌触りみたいな。
    こういう作品を読んでるとそれだけでうれしくなる。

  • +++
    果たして、イノリは通じるのか。七十六歳にしてピアノを習い始める佃煮屋の女将、彼女の願いと挑戦を軽妙に語る表題作ほか、幼児から老女まで、様々な年代の女性の日常と「イノリ」を描いた傑作連作短篇集。
    +++
    表題作のほか、「{ぶらんこ」 「うぐいす」 「青嵐」 「梅雨明け」 「風鈴」 「素麺」 「球根」 「木枯らし一号」 「去年今年」
    +++

    それぞれ別のお話しなのだが、どこかで淡く繋がっている気がする。それぞれが、各々の場所で、各自の人生を生きているということが、別の場所の別の人の人生と、知らず知らずのうちに淡くかかわりを持ってくるような。ほんのりとあたたかな気持ちになる。そして表題作は熱い思いが並々と溢れている。そしてそれも人との関わりなのだなぁと思わされる。人はいろんなことを考え、いろんな気持ちを胸に仕舞って生きている。それをお互いに少しずつ見せ合うと、僅かずつでも繋がっていくのかもしれないと思えてくる。まず何かに気づくことが始まりなのかもしれないと気づかせてくれる一冊でもある。

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著者プロフィール

石田千(いしだ・せん)
福島県生まれ、東京都育ち。國學院大學文学部卒業。2001年、『大踏切書店のこと』で第1回古本小説大賞を受賞。「あめりかむら」、「きなりの雲」、「家へ」の各作品で、芥川賞候補。16年、『家へ』(講談社)にて第3回鉄犬ヘテロトピア文学賞受賞。16年より東海大学文学部文芸創作学科教授。著書に『月と菓子パン』(新潮文庫)、『唄めぐり』(新潮社)、『ヲトメノイノリ』(筑摩書房)、『屋上がえり』(ちくま文庫)、『バスを待って』(小学館文庫)、『夜明けのラジオ』(講談社)、『からだとはなす、ことばとおどる』(白水社)、『窓辺のこと』(港の人)他多数があり、牧野伊三夫氏との共著に『月金帳』(港の人)がある。

「2022年 『箸もてば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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