- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480873613
作品紹介・あらすじ
活力と希望に溢れた音楽をめぐる空間。そのジャズ喫茶について、ピアニストであり日本文化研究者である著者が、日本全国の店を取材。今まで語られなかった異空間の真の姿が浮かび上がる。
感想・レビュー・書評
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趣味というか、ジャズ喫茶というニッチなジャンルについて分析するのは面白い。
ジャズ喫茶というのが日本特有の文化で、多くの文化人に影響を現在まで与え続けているのは興味深いし、自分もこのジャズ喫茶が存在している内にできる限り体験したいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かなり前にたまたま書店で見つけて購入した本。ブクログへ登録するにあたり再読した。
著者は日本文化を専門とするアメリカの研究者。訳者の名前がないことから、著者自身が日本語で書いたか、あるいは英語で書いた後、日本語に翻訳したと思われる。
著者が冒頭で述べている通り、いわゆる“ジャズ喫茶ガイド”ではなく、また研究書でもない。やや硬めのエッセイと言えるだろう。
本書では、ジャズ喫茶を取り巻く人に焦点が当てられ、人々の生き様や人間模様が描かれている。エッセイなので文化人類学的な論考が加えられているわけではないが、このような視点から書かれた本もまた興味深い。 -
日本に於いてジャズがダンスから聴く文化に変遷した過程は『ジャズ喫茶の文化史』(細川周平)に詳しいとのこと。
http://shikon.nichibun.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/819/1/nk34007.pdf
バブルの頃からJASRACの著作権使用料の取立てが厳しくなり、それが原因で店を畳んだジャズ喫茶が少ないとの記述(それまで支払い義務があるにもかかわらず、払っていなかった)。
あと演奏ではなくレコード再生に拘ったのは文化的なこともあるけれど風営法対策もあるのかな。。 -
戦後の日本文化を歩く日本における「ジャズ喫茶」の過去と現在を、社会学の視点から考察した一冊である。一番の特徴は、地方にある「ジャズ喫茶」を丹念に取材し、そこのマスターと、地方におけるジャズ文化の受容の様子を記載していることである。戦前の日本のジャズ喫茶にやってくる顧客の大部分は、当時はやっていたダンスホールからの顧客が大部分だったそうである。そのイメージが戦後まで残り、ジャズ喫茶にたむろしている高校生たちは「不良」というイメージで見られていた。学生運動が華やかし頃の1960~70年代は、若者からジャズは「反体制」の象徴として捉えられ、戦後~高度成長期のジャズ喫茶では、店内では「私語禁止」という暗黙のルールが存在していたことを知る人は、どのくらいいるのか知りたい。
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資料番号:011147014
請求記号:764.7/モ -
ホントに論文。
文書の構成や目次、索引や注釈のつけ方等々、まさに論文!
学生時代を懐かしく思い出しました。
この本を読んでわかったのは、ジャズ喫茶は日本独特のものであり、日本を取り巻く環境があって初めて成立したものなんだということ。
ジャズ喫茶経験orジャズをもっと聴いていれば、もう少し興味深く読めたのかも…。
行ってみたい気にはなったけど、敷居が高そうでわざわざは行かないかな。 -
ジャズ喫茶なんて行ったことないな。行ってみたいな。1960年代から70年代の学生の溜まり場って感じだよね。高円寺とかにあるみたい。
日本ほど、ジャズが流れている国は世界中で他にない。
村上春樹がジャズ喫茶を経営して小説を書き始めたってのは有名な話。1950年から70年代くらいまでのジャズ喫茶の広告ってのが、時代を感じて面白い。 -
世の中には面白いことをわざわざつまらなく書くという才能の持ち主がいるが、この人そうじゃなくてよかった。
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2010.04.11 朝日新聞に紹介されました。
2010.04.25 日本経済新聞「あとがきのあと」に紹介されました。