ヤバい統計学

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484111025

感想・レビュー・書評

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  • ディズニーランドのファストパスがや交通渋滞の解消に、統計学の『ばらつき』の理論を使っているとは驚きでした。
    しかも、交通渋滞の解消に至っては、せっかく統計的思考により平均所要時間を減らしても、ドライバーは「実際の待ち時間」より「感覚的な待ち時間」を重視するとは…人間の不合理な振る舞いの象徴です。

    クレジットカードとO-157感染症から学ぶ相関関係と因果関係のモデル。
    相関関係は因果関係とイコールではない。
    言われてみればそうだとわかるのだが、現実に応用しようとするとどうしても混同してしまい。
    勿論、相関関係を因果関係としてみなせるパターンもある。

    また、大学入試とハリケーン保険のケースからは、比較対象する際のグループ分けの重要性を語っている。

    ドーピング検査とテロ対策からは、偽陽性・偽陰性の線引の難しさ、インパクトの大きさが述べられている。

    本書は統計学の知識があってもなくても読めるところがいいなと思う。
    (正規分布曲線とか、有意差とか分からなくても読める。)

  • ディズニーランドの待ち時間、渋滞、O157、クレジットスコア、大学入試等々。机上の空論ではなく、実際に起きたこと、起きている様々な事象について統計学がどう関わっているかが理解できます。

    平均ではなく、平均からの「ズレ(偏差)」の原因に着目する視点の重要性を感じました。

  •  恣意的な統計学と、応用統計学を用いて何ができるか、どんな誤りの可能性があるのかを示した本。
     実はさほどわからなかった。難しいね! が、最近話題のビッグデータについて学びたかったので、入り口の取っ掛かりの1段目には足をかけられたかもしれない。
     巻末の参考文献の本が面白そうである。

  • 数式はなく、概念として交通渋滞やディズニーのアトラクションの行列などがなぜ発生するのか等について解説されている。

    統計が好きになるという事はないかもしれないが、どういったことに適用出来て、どう解決されるのかがわかる

  • 残念なタイトル。単に、「世界は数字でできている」でよかったのでは?
    けれども、実例はどれも興味深い。
    また、データ解析の考え方についてポイントがよく押さえている。

    ・平均よりもばらつきを見る。
    ・相関関係はそのまま因果関係を表現しているわけではない。けれど、相関関係だけで論じる場合もありうる。
    ・選択性と特異性。
    ・グループ分けの重要性。
    ・ボーダーラインを変えることで、得ようとする結果が変わる。何を目的とすrかが肝心。
    ・特別なデータに目を向けるのではなく、データ全体を見る。

  • 人間は非常に狭い範囲の数字しか感覚的に正しくスケールできないという。統計的手法はこういった人の特性をカバーして正しい判断を下せるように助けてくれる。間違ったシロと間違ったクロの比といった数字を正しく取り扱わなければ全体を通して筋の通った判断はできないということか。

  • 統計学に大変興味を持つことができるようになる書籍である。
    統計学の有用さが伝わってきた。様々な分野において統計学が力を発揮していること、また応用方法の幅広さにも驚かされた。

  • ドーピングやテロ対策の章の、間違った陽性反応、間違った陰性反応の記述は興味深かった。嘘発見器はあてにならない、というのは良くわかった。

  • 「ヤバイ経済学」と違い、こちらは結論や思考に、一般的な意味での”ヤバさ”はない。

    あくまでも統計学的な物事の推測法や分析法を紹介しているだけ。

    しかし、難しい用語を一切使わず、かつ一般の人にも身近な渋滞、ディズニーランド、O157、ドーピング、大学入試等の題材を用いて説明しているため、統計に関する本と固く考えずに気楽に読んでわかった気にはさせてくれる(まあこの本で書かれている内容を学術的に学んで知っている人間の意見であり、全く何も知らない人にとってわかりやすいかどうか不明だが)。

    また、統計学という学問が無味乾燥でも、非人間的でもなく、統計学者が極めて人間的な面白さを求めて、統計に関する調査研究を行っていることを理解できるという一面もある。

  • 実社会の事実を統計学的な視点で見てみようという内容。

    個人的に印象に残ったのは以下のお話。
    ディズニーの行列と交通渋滞について。
    ディズニーは需要の90%を満たせる設計になっているそうだが、行列が絶えないのはなぜなのだろうか?また、交通渋滞もなぜ起こるのか?
    それらの混雑の原因はキャパ不足(平均)ではなくて混雑のばらつきにある。
    対処法としてはばらつきをなくすことだが、待ち時間に対してのアプローチは両者で異なる。
    ディズニーははファストパスによって、列に並ばなくても”待てる”方法を提供することによって、客の待ち時間の体感時間を減らし成功した。交通受胎はランプメーターで高速道路に入る車を制限する手法で成果を上げた。

    宝くじ当選と飛行機事故。どちらも1000万分の一近い確率でしか起こらないことは知られている。それなのに自分に起こりそうな気がする。では、それらは実際に起こるのだろうか?
    宝くじの場合、売り場の関係者の当選確率が妙に高いということは統計学的に偶然ではありえず、不正が行われていた事実が明らかになった。一方で、飛行機事故については、同じ海域でばかり起きているように見えるるが、それは偶然である。また、航空会社等の要因によらない。

    その他、相関関係≠因果関係、偏ったグループ間の比較、偽陽性のジレンマの話があった。

    全体的に身近な例が取り上げられており、わかりやすい内容だったとおもうが、結論が見えない部分もあるので少しだけ消化不良。

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