- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488010843
感想・レビュー・書評
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音楽理論を学んだことがほんの少し役に立つくらい、超難解。
音や符が頭蓋骨で反響してどうも落ち着かない。
いつのまにか知らない間に実効支配され記憶すら留めて置けない。
ディストピアというよりも現実味のある怖さがある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公は母を亡くしたサイモン。彼が住む世界では、人々は記憶を持つことができず文字も失っている。そして日々鐘の音に癒されている。何故そのような世界なのか。サイモンは、友人リューシャンからその答えを徐々に明らかにされるのだが、サイモンの一人称の語りがどうもふわふわしててよく分からない。彼の様々な事を語る詩的な文章のせいなのだろうし、ここは好みが分かれそう。私はちょっと合わなかったかな。
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ミステリのようなファンタジーのような感じがした。文字を持たなくなった遠い未来。それはまだ文字を持っていなかった遠い過去を思わせる。音楽と記憶の結びつきの強さを思う。
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これはすごく評価が分かれそうな大人のファンタジーですね。
著者さんが元々詩人だけあって、文章がとても詩的です。
言葉をもたないことが、思考をやめたらどうなるのか、警鐘ともとれる物語。
この先のサイモンとリューシャンを想うと、労いたくもありほんとうにこれでよかった?と問いたくもなり。
でもきっと二人はこれからも共に生きていくのだろうな。失った多くのものの記憶を携えてちゃんと生きていってほしいね。
しかし、この音で地図を描くとか、会話をするとか、すごい発想だなぁ。
万人に受け入れられることをたぶん求めていないようなそんな潔さを感じます。
君にこれを理解できるか?と問われているような。
一度読んで終わりではなく、きっと何年か経ってまた読むとまた違う理解が生まれるのかもしれない。
わかりやすい物語ばかりが持て囃される昨今で、こういう毛色の物語があるってことに救われた気もする。
果たして、自分は、この物語に受け入れられたのかしら。
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ユニークなダークファンタジー。
重要なモチーフは『音』と『記憶』。ストーリーの展開は王道で、老若男女が楽しめると思う。
『訳者あとがき』によると、著者は既に詩の著作があるが、長編のフィクションとしては本書が初とのこと。詩集も読んでみたい。 -
読み進めるうちに面白くなりそうな気配がしたけど、なりませんでした。
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何がなんだかさっぱり。翻訳ものだからというわけではく、あまりに世界観が想像を越えていてついていけなかった。途中からはなんとなく種明かしじゃないけど、そういうことかと見えてはくるが、それじゃこの先どうなるの!? 気になる、早く早く…!という気持ちが残念ながら沸き上がってこなかった。久しぶりに数ページ読むと眠気が襲ってくる読書タイム。ツラ…。ちなみにBL描写が唐突にあり。
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ハンドサインで感情を伝える、ってのが罷り通っている世界…なるほど…
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junaidaさんの装画が目を惹く。装丁は岡本歌織さん。私好みの装丁を手掛けられる方である。装丁による期待値がかなり高かったので、話はあまり好みではなく。ファンタジーです。装丁が素敵なのでこちらの評価。