フレドリック・ブラウンSF短編全集3 最後の火星人

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488010942

作品紹介・あらすじ

奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第一弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、SF全短編を年代順に収めた全4巻の決定版全集。第3巻には「スポンサーからひとこと」など著者を代表する傑作16編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 目次
    ・存在の檻
    ・命令遵守
    ・フラウンズリー・フロルゲルズ
    ・最後の火星人
    ・地獄のハネムーン
    ・星ねずみ再び
    ・六本脚の催眠術師
    ・未来世界から来た男
    ・選ばれた男
    ・入れ替わり
    ・武器
    ・漫画家
    ・ドーム
    ・スポンサーからひとこと
    ・賭事師(かけごとし)
    ・処刑人

    初期の頃の切れ味鋭いショートショートが少なくなって、淋しい。
    その中では『六本脚の催眠術師』が、にやりと笑える面白さ。
    ここにきて本邦初訳の作品が結構あるのは、日本での人気に陰りが出てきたってことなのでしょうか。

    『未来世界から来た男』は、創元SF文庫の表題作にもなったけれど、今はもう受け入れられないかもしれないなあ。
    1950年代に書かれた作品は、第二次世界大戦後の世界観で、公民権運動の前の世界観。
    作者が偏見を持っているというのではないけれど、人種差別が当たり前だったころの作品は、いくらひねりの聞いたプロットとはいえ、今はもう無理だろう。

    そして、冷戦真っ只中の時代に書かれたこれらの作品を立て続けに読むと、いかに当時の人たちが、冷戦さえなくなれば世界は平和になると思っていたかがわかる。
    宇宙人や未来人が来ては、地球をひとつにまとめようとする話が多い。

    だけど結局、冷戦は一触即発の事態だったとはいえ、結局世界中を巻き込む前に踏みとどまることができていたけれど、今はそれこそ、世界中を巻き込みかけている状態だからなあ。
    冷戦こそが一線を踏み越えないためのブレーキだったようにも思えてくる。

    いま、「スポンサーからひとこと」あったら、どうだろう?
    私はそこまで楽観的になれないなあ。

  • ほんとうは文庫のスポンサーから一言を読んだので収録が違うのだけど登録されてないので備忘録的にこちら

  • 巨匠フレドリック・ブラウンの短編全集、第3巻(全4巻)。

    前巻に引き続き良質な短編SFが揃っており、「星ねずみ」の続編や、ブラウンのアイロニーが光る「未来世界から来た男」や「ドーム」など、全体的に楽しめたとは思うが、特別グッとくるような作品は見つからず、ちょっぴり残念。

    「未来世界から来た男」が、創元SF文庫の第1弾のタイトルだったとは初めて知った。創元SF文庫の記念すべき1冊目がブラウンの作品集だったとは。

  • ショートストーリーの名手・フレドリック・ブラウンのSF短編を年代順にまとめた全集の第三巻。収録された16篇にはハズレがなく傑作ぞろい。SFラブロマンス<地獄のハネムーン>は最初の状況設定から面白く、最後までワクワクが止まらなかった。ここまで読んできたブラウン作品の中で一番好きかも。ミッキーと教授が愛らしい<星ねずみ再び>は筋書きの面白さと考えさせられる結末、1粒で2度美味しい作品。巻末を飾る<処刑人>はスパイアクション大作。このまま映画にできそうで非常に読後感が良かった。この3冊目は1、2巻と比べても本当に面白いので人に薦めたいのだが、いかんせん(3500円+税)は敷居が高いんだよねぇ……。

  • 初めて買った文庫本がフレドリックブラウン
    でした。子供の私に、良く見つけたねと、褒めてあげたいです。

  • 割とシリアスとか、サスペンス物が多い感じ。多くの作品の共作相手のマック・レナルズの作品も読みたくなった。

  • SF。短編集。シリーズ3作目。
    いつも通り、すべての作品が好き。
    「最後のハネムーン」「ドーム」「賭事師」が特に好き。

  • 2020年10月8日読了。短編に定評のあるSF作家フレドリック・ブラウンの作品を新たに編纂した短編集の第3弾。私が未読の、面白いSF作家ってまだまだ世界にはたくさんいるものだ…。東西冷戦時代を背景とした、地球の滅亡・信用できない隣人や政治家・異星の襲撃により団結する地球人、などのテーマの短編はどれも設定~展開の語り口の滑らかさ・ユーモア漂うやり取り・オチの意外性と3拍子揃っていてどれも面白い。ディックの長編に似ている『処刑人』の雰囲気や、「心を読まれる」絶体絶命の窮地で打開策を目指す『賭博師』などの作品は特に楽しめた。1、2も読んでみたい。

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著者プロフィール

フレドリック・ウィリアム・ブラウンは、アメリカ合衆国オハイオ州シンシナティ生まれの小説家、SF作家、推理作家。ユーモアあふれるショートショート作品で知られている。

フレドリック・ブラウンの作品

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