女王国の城 (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 1542
感想 : 267
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  • Amazon.co.jp ・本 (507ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488012274

感想・レビュー・書評

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  • あるアンソロジーで短編を読んだあなた…
    ラッキーですよ。
    ある関係者が憎しみを持っていた
    その組織が出てくるので…

    これはね、犯行というよりも
    運命の残酷さ、というのが目につくのです。

    その原因は現在の時系列にありません。
    忌々しい過去として恐らく封じられている
    今回の組織の前身組織のこと。

    それを否定することは難しいです。
    だけれどもそれにより、運命の歯車を
    狂わされた人がいるのも、事実なんですよね。

    なんか青春小説の面もあって
    面白いけど、重たいんだ。

  • 学生アリスシリーズ、モチさんと信長さんのコンビがめちゃくちゃイイ!!
    「月光ゲーム」も良かった。

  • 小説の中の方言っていうのは、そもそも何て言ってるか分からんてなるし、なんか難しいのかもしれんけど、関西弁ならギリ通じる、そしてなんかほんわりする。あ、京都弁かもしれん。てか分かんね。
    しかしやつらは関西弁なのに、岐阜近郊の山奥に暮らす人々はバリバリの標準弁である。ここが限界か。
    ともあれお話としては宗教団体からUFOやら探検やら殺人事件やらほのかな恋愛やら、実に盛りだくさんで楽しんでしまった。江戸川乱歩の少年探偵団みたいな。
    てかアリス頑張れや。中学生かおまえは。

  • ★4.5
    新興宗教の総本部に閉じ込められるというあらすじを読んだだけでも展開が予想できそうですが、実際読んでみると想像していたのとは別の緊迫感がありました。
    UFOの薀蓄なども存分に出てきてそこは少し読みにくかった…

    キャラの掛け合いは相変わらず微笑ましく、江神さんはどこにいてもブレなくて惚れる。
    EMCメンバーは他の人の為に惜しみなく動ける結束の強さがあってとても魅力的。今回は織田とマリアがかなり頑張ってました。
    江神さんのプライベートな一面も。

    次巻が集大成になるのかと思うと読みたいようで読みたくない、終わるのがとても惜しいシリーズです。。。

  • 江神さんが謎の失踪!という驚愕の事態に、EMCのいつものメンバーが向かった神倉は、急成長の途上にある宗教団体の聖地だった……というところから、本作の物語はスタート。

    ちなみに物語の年代は前作「双頭〜」からほとんど進んでなく、1980年代後半~1990年代初頭が舞台のよう。
    そのため、「インターネットって何?」というアリスの台詞や、「個人が携帯できる電話があればいいのに」というマリアの台詞がちょっと微笑ましかったりも。
    逆に言うと、この年代設定によってクローズド・サークルの状況が作りやすいというところもあるのかもしれない。クローズド・サークルはこのシリーズにおいて、「読者への挑戦」と並ぶ最大の醍醐味ですから。

    今回も我らが江神さんは冴えています。そんな江神さんをアシストするEMCメンバーももちろん大活躍。
    江神さんの推理に関しては、犯人が使った時間トリックにちょっと疑問を感じつつも(そんなうまくいくものなの?)、でも非常にロジカルな組み立てで面白かった。
    犯人の動機も、個人的には納得できるものでした。ああ、なるほどなー、と。
    突拍子も無いアリバイトリックや殺害動機が絡んでないので、まさに本格派にふさわしい一本だったと思う。

    一番最後に、「何故江神さんがこの地まで赴いたのか」が明かされるのですが……それはちょっと複雑な気持ちになってしまった。
    でも、江神さんにとっては良かったのかな。きっと良かったんだよね。

    あとは個人的に、このシリーズで楽しみなのがアリスとマリアの関係。
    今回はもうちょっと発展する?と思ってたんだけど……。
    ストーリーの展開も、アリスとマリアの一人称が交互に使われていたし。
    アリスの気持ちはわりとはっきりしてきたような。「マリアと2人だけで江神さんを探しに行きたい」という願望(?)を抱いたり、マリアは江神さんに惹かれてるのか?とやきもきしたり。
    ラストシーンはこの2人のやり取りで終わるのですが、いい雰囲気なんだけど、マリアの気持ちがアリスに傾いているのかどうかは……微妙。
    もうちょっとだ、頑張れアリス!(笑)

    長編ながらも最初から最後まで一気に読めて、しかも後味すっきり!な一冊。

  • 面白かったです。
    この作家さんの作品で一番好きかもしれません。

  • 5+ 

    読了後、心地良い疲労感を覚えながらも、頭の中は妙にスッキリしている。そんな謎解き小説の醍醐味が本書にはある。

    “読者への挑戦”がある場合、いつもは時間さえ許せばわかるまで何度でも読み返すことにしているが、本書はさすがに長いので、初めてメモを取りながら読書してみた。これがまた思いのほか役に立ち、すんなりと物語を理解・整理することができた(何となく懐かしい感覚)。ただ、メモの仕方が良くなかったのか、事件の真相を見破るまでには至らなかったが…。やはりわかるまで読み直すべきだったか、という思いも多少ある。そうすれば作品世界にずっと浸っていられるではないか。しかし、そんなことしなくても、自力で謎が解けなくても、続きが早く読みたかったのだし、どうしても先が読みたかったのだし、結果、おつりが来るほど面白かったのだから満足だ。何だかよくわからないがおめでとう!

    願わくば、生きているうちにシリーズ長編5作目が読めますように…。

  • 待ちに待った学生シリーズ4作目。読後にこんなミステリーが読みたかったんだ!としばらく余韻に浸った。
    第1章の導入部は説明も多く、一度は積本にしかけたがなぜ一気に読まなかったのかと少し後悔した。
    江神の謎の解明、アリスとマリアの関係など登場人物の成長の他に、長編正統派のミステリーを読ませてくれるお薦めの1冊。

  • 同じ作者の違うシリーズってなかなか手を出せないのですが、学生アリスシリーズに挑戦です。

    …作家アリスシリーズに匹敵しますな!面白い!

    これは装丁がすごく綺麗なので前々から気になってたんで、内容も良しでとっても満足。

    江神部長かっこいい!
    ぜひ火村助教授とのコラボを…はないかな。

    作家アリスシリーズに比べて随分寡作のようだけど、他に三冊くらいは出てるみたいなので追々読みます。

  • 双頭の悪魔をもしのぐ推理小説で犯人探しは難問です。シリーズの終わりを予感させる様な終わりも気になるところですね・・・とにかくお勧めの一冊。

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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