- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488017880
作品紹介・あらすじ
天文学者に招待され、孤島に集まった六人の男女を襲う殺人事件。犯人は、この六人のなかにいる……ライトノベル・ミステリの旗手が沈黙を破り久々に放つ、待望の新作長編。
感想・レビュー・書評
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★地球最後の日には何をしますか?
星読島への招待/会話がいい/なぜたびたび隕石が落ちてくるのか? 自然ではあり得ないよねえ、ということは確実に人為的なものだろうから落ちてきたことにしているだけかも?/殺人事件発生/・・・真犯人と動機と手法はわかりましたが細々としたことははっきりとはわかりませんでした/ただ、そんなミステリ部分はある意味どうでもよく、ちょっとかなしく、けっこうあたたかい読後感です。
■星読島についての簡単なメモ
【一行目】携帯電話に飛び込んできたそのメッセージを俺が確認したのは、十月初週の金曜日、午後七時のことだった。
【アレク】アレクサンダー・ジョン・ウィルキンス・クレイトン。エリスと同年輩の青年。二回目の参加。スミソニアン博物館の職員。二枚目っぽいが生真面目。《いえ、私は結構です。アルコールは口にしないことにしていますので》p.131
【隕石】わりと高額で取引される。
【エリス・バーナード】案内役。NASA職員。なんかいろいろ雑用をさせられている。他の参加者とは基礎体力が違う感じ。《すみません。冗談です》p.117
【加藤盤】→盤
【サラ・ディライト・ローウェル】著名な女性天文学者。星読島の所有者。「スターゲイザーズ・フォーラム」というサイトを運営し毎年星読島で天文フォーラムを開催する。マイペースな感じの美女。車椅子生活をしている。かなり年配のはずだが盤のちょっと上程度に見える。故郷はハワイだとか。部屋の刻印は南十字座。室内から屋上の望遠鏡を操作できる。
【サレナ・カーペンタリア】びくびくして陰気な感じの女。夫の浮気による離婚調停でなぜか逆に慰謝料を払わされることになった。部屋の刻印は孔雀座。
【参加者】フォーラムの参加者は七人。語り手で医師の加藤盤。案内役でNASA職員のエリス。大学生の美宙。隕石回収業のマッカーシー。スミソニアン博物館のアレク。ニートのデイヴ。おどおどしているサレナ。
【セントグレース島】「聖なる恩寵」という意味。星読島のこと。隕石がよく落ちる。サラ・ディライト・ローウェルが所有し年に一度希望者の中から抽選し天文愛好家のためのフォーラムを開催する。北緯は四十二度二十一分。見えない星座は八分儀座、風鳥座、テーブル山座、カメレオン座、巨嘴鳥座、孔雀座、水蛇座、レティクル座、旗魚座(かじきざ)、飛魚座、竜骨座、蝿座、南十字座、南の三角座、コンパス座の十五星座。なぜそんなによく隕石が落ちてくるのか? 自然ではあり得ないのでそういうことにしているだけという可能性も?
【地球最後の日】サラ博士の面談でなされる質問。《地球最後の日も、それまでとやることが変わらない。それなら俺は、すでに地球最後の日を迎えているのも同じだ。》p.110。なるほどぼくもそうなのか。
【デイヴ】デイヴィッド・グロウ。丸くて幅がある体格。専業ニート。島の謎を解きたいと思っているらしい。セグウェイを持ち込んでいた。ロサンゼルス在住。部屋の刻印は巨嘴鳥座(きょしちょうざ)。
【ディラン】ヨランダの息子。盤の友人でもある。体格がいい。趣味はパッチワーク。
【盤/ばん】加藤盤。語り手の「俺」。医師。三十五歳。日系人だが国籍はアメリカ。部屋の刻印は竜骨座。
【広間】大きなテーブルが置かれている。テーブル山座の刻印。
【星読館】三階建てコンクリート打ちっぱなし。巨大な階段のように植えに行くごとに小さくなる。三階の屋上にはドームがあり天体観測所となっている。
【星読島】→セントグレース島
【プジョー・コンバーチブル】盤の愛車。十年近く乗っている年代物で不調なことが多いがやるときはやる。
【マーク】サラ博士の父。ハワイの飛行機事故で死亡。その事故でサラ博士も車椅子生活となる。
【マッカーシー】コール・マッカーシー。隕石回収業(メテオライトハンター)。《空振りには慣れてるさ。ま、お互いこれからに期待するとしようや》p.115
【美宙・シュライナー/みそら】大学生。情報工学専攻。十八歳くらい。部屋の刻印は水蛇座。ツンデレの素質あり。
【ヨランダ・スワン】盤の患者。七十過ぎで口の悪い老女。
【ラニ】屋上望遠鏡の名前。口径三メートル、集光力は人間の瞳の二万倍。
【レイラタウン】盤の住む町。陸の孤島に近い。
【ロビー】八分儀座の刻印。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天文学者に招待され、孤島に集まった6人の男女を襲う殺人事件。犯人は、この6人のなかにいる……ライトノベル・ミステリの旗手が沈黙を破り久々に放つ、待望の新作長編。
なんちゅうか・・・最後の落ちも良く覚えていない・・ -
数年に一度隕石が落ちてくると言われる絶海の孤島、星読島 。
そこに建つ謎めいた星読館に住むのは飛行機事故により車椅子生活を送る美人天文学者のサラ博士。彼女から館の集いに招待された個性的な7人の男g女。それなりに仲良く島での生活を送るが…回収した隕石が消失し、さらに殺人が起きる。
「犯人は 、俺たちの中にいる 。」お部屋拝見、疑心暗鬼、これぞクローズドサークル!
探偵役の加藤が優しくて読んでいて心地よい。本物の奇跡…宇宙って本当に神秘的。遥か彼方の宇宙の話に心を奪われ今回も私の推理は外れる。
ミステリの方は少し物足りないかもしれないけど、私はこの本の世界が好きだ。ロマンあり、ミステリあり満足です。 -
アメリカ東部の田舎町で家庭訪問医をしている加藤盤はネット上の天文フォーラムで申し込んだ天体観測の集いに参加することになる。
ボストン港から東へ20マイルほどに浮かぶ孤島で行われる集いはただの天体観測ではなかった。
てっきり日本の孤島での物語かと思っていたら、違っていてビックリした。
生真面目な天才少女、料理の上手なNASAの職員、タフでアクティブなニート。
登場人物も面白いのにな、なんでこんなに盛り上がらないんだろう。
どの人もキレイ過ぎて現実味がないからかな。
いっそ、盤が借金でも背負っていて切羽詰まっていたらもっとヒリヒリしたのかも。
なんとも残念。 -
隕石が頻繁に落ちる孤島での天体観測の集い。なんて魅力的な設定なのでしょう。最初の主人公の医師を取り巻く素敵な人々との日常に始まり、孤島では招待客とのやり取りが丁寧に書かれ、その後は見事に王道の本格ミステリを展開してくれます。隕石や流星の薀蓄も凄く楽しいです。登場人物たちの表現については賛否あるようですが私はこの柔らかな人物設定は読みやすく後味も気持ちよくとても好みでした。皆さんの高評価に納得の一冊でした。
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15:正統派ミステリ。文章がスムーズでさらさら読めてしまったけど、登場人物の感情までさらっと流れてしまったのが残念。家族を亡くした盤君の諦念というか、投げやり(?)な気分も、「地球最後の日」のエピソードで際立ったのは良かったけど、その一回だけだったし……。面白かったので、次に期待したいなー。
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初めて読む作家さん
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久住四季久々の作品ですが、大仕掛けで、さすが久住四季ですね。
読みものとして、窮屈な雰囲気の小説ではなく、ロジックに絡み取られることもなく、飄々とした作品ですね。