- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488027414
感想・レビュー・書評
-
満潮により閉ざされたホテルでのクローズドサークルでの殺人、連続無差別殺人を追う女性記者のブログ、そして袋綴じの解決編という挑戦的な構成。
とはいえ、折原一さんでも同じ仕掛けの小説はあったかと思うが、こちらの方が狙いが明確でわかりやすい。なるほどと頷ける。
惜しいのは、二つ目の中編を読み終わった段階で、一段目の真相がほぼわかってしまうこと。二段構えなので、それでも裏切りはあるが。ミステリとしてはチープとみるか、アンフェアとみるか。どうでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初はややドタバタした感じででしたが、途中から謎が深まり、もう一つのミステリも「どうつながるんだろう?」と訝りながら読み進めていました。
最後には2つのミステリを1つに絡ませて、一気に締めくくっていたのが印象的でした。 -
こっちで悪人があっちでは善人。あっちの事件のほうが不愉快極まりない。
-
前から読んだら密室ミステリー、後ろからはノンシリアルキラー真ん中のページで解決するという凝った作り。
-
探偵 森江春策を含む5人が偽の招待状で陸の孤島になる館に集められる「月琴亭の殺人」。
元恋人の死と連鎖したような事件を追う記者「ノンシリアル・キラー」。
どちらから読んでもよくて、解決編は真ん中の袋とじに―という面白い仕掛けにワクワクした。(どちらも読んでからでないと解決編に不明な部分が出てくる)
ミステリー部分は上手く行きすぎな感はあるけど、こういう意欲作はガンガン出されて欲しいな。 -
ふたつの不幸な出来事が重なる時…
-
本の前後両方から別々の物語を読み、真ん中の袋とじでその二つが合体した解決編という面白い仕掛け本。後ろから読む話はウェブページという設定で横書きである。
心意気のわりにミステリとしての驚きは微妙だが、人間の二面性が面白かった。
これ、電書もあるようだがどうなってるんだろう。 -
ミステリ2作品が前後に分かれて収容されており、解決編は袋綴じ。ミステリ好きには堪らない装丁になっている。
面白い設定であり解決編もそれに基づいた趣向になっている。意外な犯人ではあるが片方を読んだだけでは解らない点にアンフェア感がある。
充分に楽しめる内容ではある。 -
ミステリ。サスペンス。
前からも後ろからも読める本。折原一さんの『黒い森』を読んで以来。
前から読むと孤島もののミステリ。後ろから読むと社会派サスペンス。真ん中の解決篇でリンク。
それぞれの事件は正直たいしたことないが、こういう意欲的な作品は好み。