- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488100070
作品紹介・あらすじ
珠玉の推理短編を年代順に集成し、1960年初版で以来版を重ね現在に至る傑作アンソロジー『世界短編傑作集』を完全リニューアル! 第一巻は巻頭に編者江戸川乱歩の「序」を配し、1844年のポオ「盗まれた手紙」に始まり、コリンズ「人を呪わば」、ドイル「赤毛組合」、フットレル「十三号独房の問題」などを収録。オルツィ「ダブリン事件」は新訳、チェーホフ「安全マッチ」はロシア語からの翻訳に変更。新カバー、新解説。
感想・レビュー・書評
-
名作揃い。礎となったポオやドイルはもちろん、コリンズ『人を呪わば』やチェーホフ『安全マッチ』フットレル『十三号独房の問題』など黎明期のパワー感じた。この傑作選が編纂された経緯や新版での変更点など記した巻末の戸川安宣氏の文も良い。
-
そのタイトルの通り、有名な作品ばかりが集められた(であろう)短編ミステリのアンソロジー。とはいえ、読んだことのあるものは少なかったです。しかし読んでいないはずなのにネタだけ知っていた作品が二、三あったのはこれはどういうことだろう(苦笑)。
お気に入りはジャック・フットレル「十三号独房の問題」。これ、読んでいないにもかかわらずなぜかネタだけは知っていたのですが。それでも面白さはそがれませんでした。いったい何をどうするのか、不可解な行動のわけは何なのか、ってなあたりを読んでいるだけでわくわくするなあ。
アンナ・キャサリン・グリーン「医師とその妻と時計」も好きな作品。なんともいえない悲劇的な物語なのだけれど、印象に残りました。 -
乱歩が選んだ海外古典ミステリの傑作選。
この時代の作品はトリックやロジックが洗練されておらず稚拙な印象を受けるものが多いが、そこがまた味になっていて好き。
中でもロバート・バー「放心家組合」の変なトリックが愉快。 -
『赤毛組合』は読むのが二度目だけど相変わらず面白かった
『レントン館盗難事件』が現代の推理小説と似た書き口で面白くて好き -
「警視総監とその一党があんなにしょっちゅう失敗するのは、まず知性の一致が欠如しているせいだし、更に言えば、自分があいてどっている知性に対する測定の間違い、と言うよりもむしろ測定の欠如のせいなんだ」
2019/5/27読了
旧『世界短編傑作集』を再編、一部再訳出した新版で、これは文学的遺産であろう、と5巻セットを一気買いしてしまった。収録作はタイトル通りに傑作揃いだったが、第1巻はミステリの始祖に敬意を表し、エドガー・アラン・ポオ『盗まれた手紙』(丸山才一 訳)より引用。 -
19世紀から20世紀にかけて著された短編が8作。
エドガー・アラン・ポオの「盗まれた手紙」やコナン・ドイルの「赤毛組合」といった超メジャー作品もあれば、アントン・チェーホフが味のあるミステリーを書いていたのか、と教えてくれる掌編も。
個人的に目当てにしていたのはジャック・フットレルの「十三号独房の問題」だったが、"思考機械"のまさしく緻密なロジカルシンキングを追体験できる名作であった。
解説で触れられているように、かのタイタニック号の事故で早逝してしまったのが実に残念だ。 -
初めて読んだ話が多く、この作家の本も読んでみたいなと思わせてくれた。短編というページ数の制約のなかで展開を考えなくてはならないとなると個性が出るなと体感。本書の中の解説部分にもあったように、ドイルの赤毛組合はまとまり具合がよく出来がいい。
-
短編ミステリはいいものです。
ああ、やはりそうでしたか。
今、手元に、買った旧版があって、それらが無いのを確認いたしまし...
ああ、やはりそうでしたか。
今、手元に、買った旧版があって、それらが無いのを確認いたしました(T_T)
しかし、中島河太郎さんの解説があるので、それに注目したいと思います。
「赤毛組合」は既読ですが、他の作品と、戸川さんの巻末の文が気になるので、新版も読まないとですね・・ということは、1に限らず、新版には全て、追加があるということなのかもしれませんね。
ああ、この前手に入れたのは旧版だったのですね。逆に今手に入れ難いものなのでは?中島河太郎さんの解説、ちょっとうらやましいです。
...
ああ、この前手に入れたのは旧版だったのですね。逆に今手に入れ難いものなのでは?中島河太郎さんの解説、ちょっとうらやましいです。
戸川さんの文によると旧版では乱歩の嗜好でアトランダムに集められてた物を新版で年代順に変えたそうです。巻末の表によると旧版の1巻には(私的には)問題作の『放心家組合』も入っている!
そうなんです。確かに、旧版には旧版の良さがありますよね。
大切に持っておきます(^_^)
そして、「放心...
そうなんです。確かに、旧版には旧版の良さがありますよね。
大切に持っておきます(^_^)
そして、「放心家組合」。
問題作というのが分かってるのか、ラストに収録されてますよ。早く読みたいところですが、図書館本を読み終えるため、もう少々お待ちを(^^;)