- Amazon.co.jp ・本 (459ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488134099
作品紹介・あらすじ
舞台は戦後ロンドン。戦時中にスパイ活動のスキルを得たアイリスと、人の内面を見抜く優れた目を持つ上流階級出身のグウェン。対照的な二人が営む結婚相談所に、若い美女が入会する。奥手だが誠実な会計士を紹介したところ、女性が殺され、会計士の青年が逮捕されてしまう。彼が犯人と思えない二人は、能力や人脈を駆使して真犯人捜しに乗りだすが……。女性コンビの謎解きと、人生を切り拓こうとする勇姿を描く爽快なミステリ!
感想・レビュー・書評
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戦争の爪痕の残るロンドンで、結婚相談所を開業した元スパイのアイリスと上流階級出身のグヴェン。
ある時会員の女性が殺されて、仲介した男性が捕まってしまう。
二人は男性のため、相談所の名誉回復のために事件に挑む。
街並みと同様に彼女達にもそれぞれ傷を持ち、自分に向き合い乗り越えようと奮闘する。
いい女たち過ぎる…二人の会話が軽妙で心地よく、忙しい中少しずつ読んだのですが癒されました。
アイリスの友人、サリーが良かった。
(一途やなこの人)
既に続編も手元に置いてありますが…もう読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第二次世界大戦後のロンドンを舞台に、女性二人が自立のために開いた結婚相談所。
息の合ったコンビで、最高にチャーミング!
まだ戦争の爪痕が残るロンドン。
アイリスは、戦時中は情報部にいて、小柄ながら格闘技も出来るし、警察に知り合いもいます。褐色の髪をしたきびきびした女性で、恋多き女でもある。
グウェンは、上流階級の戦争未亡人。
たいていの人より背が高く、金髪の美人で、おっとりした性格だが人を見る目はある。
対照的な性格で、違う世界に人脈を持つ二人が出会い、タッグを組むことになったのです。
アイリスはスキルを活かして新しい仕事をしようと思い立ち、グウェンも自分がしっかりしていることを示し、自立する必要がありました。
グウェンは貴族に嫁いだものの、夫が戦死した時に取り乱したため、姑に精神病院に送り込まれた挙句、幼い息子の親権を取り上げられてしまったという事情があったのです。
当時の精神病の治療のひどさを考えると、これはあまりな体験…
結婚相談所はまずまず快調な滑り出し。
ところが、会員の女性が殺され、二人が仲介した真面目な青年が逮捕されてしまいます。
女性の方に何か事情があるのでは?と怪しむ二人は、能力を生かして背景を調べ始めるのでした。
まだ配給もあり、瓦礫と化したビルもあるが、活気と希望がよみがえったロンドン。
読みやすいけれど、描写は詳しく、登場人物は皆生き生きしていて、薄い内容ではありません。
二人の会話や、信頼関係が築かれていく様子が楽しい。
世間知らずで苦境にあったグウェンが昔取った杵柄を発揮するところや、最大の問題が解決していくところ、幸せな気分になれました。
次作も読みましたが、それもとてもいいんです。
お気に入りのシリーズが出来て、嬉しい限り☆ -
舞台は戦後ロンドン。戦時中にスパイのスキルを得たアイリスと、人の内面を見抜く観察眼を持つ上流階級のグウェン。対照的な二人が始めた結婚相談所だったが、紹介者間で殺人事件が発生してしまい──。
会計士の青年トロワーは、服飾店店員ティリーを殺した容疑で逮捕されてしまう。しかし、彼が犯人だと思えないアイリスたちは、真犯人捜しに乗り出す!痛快なユーモアミステリかと思いきや、暗礁に乗り上げる事件に加え、アイリスたちの人生再起のドラマも絡み合う骨太なミステリに仕上がっている。
アイリスはスパイ活動で愛する人にも言えない秘密と罪を背負った。グウェンは愛する夫が戦死したショックで精神を患い、我が子の監護権を義両親に奪われてしまった。そんな傷を負った二人が冤罪を阻止したいという目的の中で、自身の運命とも立ち向かっていく姿が素敵だった。400ページ超えのボリュームながら、それに足るラストで気持ちよかった。続編もぜひ読みたい!
警察はトロワーを犯人だと決めつけてしまっている!しかも、殺人犯を紹介した結婚相談所という汚名まで着せられる逆境に!お互いのスキルを活かしながら、別人を装って潜入調査をしたり、表情を読み取って人間関係を構築したりと大活躍。徐々に大胆になっていくグウェンが見てて爽快だった。後半はめちゃくちゃタフなお母さんになってて痛快の一言。グウェンが亡き夫や大切な息子へ一途な愛情を注ぐ姿を見て、アイリスもまた過去を断ち切ろうとするのがよかった。
ウィットに富んだ会話劇が魅力的。ミステリだけじゃなく、サスペンス、スパイもの、さらには愛情がテーマのドラマが読みたい方はぜひ。
エル・コシマノ『サスペンス作家が人をうまく殺すには』が好きならハマりそう。 -
面白かったです。大戦後の雰囲気も感じられ、当時の街や生活の様子も感じ取れました。普段読んでる痛いようなミステリと比べるとのどかなくらい。でも、設定がとにかくワクワクします。アイリスが昔とった杵柄披露するところなんか、胸がすきますね。展開もなるほどね、と思わされました。アイリスとグウェンの会話が軽妙で、バックグラウンドは大きく異なるのに知性的な二人がお互いを思い合っているところが伝わってきて胸が熱くなります。主人公が女性二人、というのも実に新鮮でのめりこめました。アイリスを取り巻く人々も魅力的。二人のその後を思わずにはいられません。なんと、次作がこの秋に読めるとのこと!楽しみです!アイリスがスカーレットヨハンソン、グウェンがエマストーンあたりで映画化してくれないかな。
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第二次世界大戦後のロンドンが舞台の冒険ミステリ。
戦時中にスパイ活動をしていたアイリスと、上流階級の未亡人・グウェン。
二人が営む結婚相談所に入会したばかりの若い女性・ティリーが殺されてしまいます。
容疑者として逮捕されたのは二人が彼女とマッチングした青年・トロワ―。彼の無実を信じる二人は独自に真相解明に乗り出しますが・・。
タイプの異なる女性コンビの活躍が眩しい本書。会話のテンポも良く、時にはぶつかり合いながらも協力し合う二人のバディっぷりが良いですね。
真相を追っていくうちに、配給切符偽造のグループ犯罪も浮かび上がってきて、そちらも解決するのは良いのですが、誠実なトロワー青年の無実がなかなか晴れず、終盤でやっと真犯人が明らかになった時はホッとしました。
謎解き、冒険、そして勿論(?)ロマンスもあります。
主役二人も魅力的ですが、個人的にはアイリスの友人・サリーがええキャラだな、と思いました。
続編も出ているようなので、手を出してみようと目論んでおります~。 -
戦後ロンドンで対象的な二人が結婚相談所を開くという設定に興味を惹かれて買ったけど良かった。会話がとにかく軽快であっという間に読めた。
あの人やあの人はまだ出るのか。恋愛面もどうなるのか。2巻も今年中に出るようなのでとにかく楽しみ。 -
思いがけず泣いてしまった…。
第二次大戦後のロンドン、結婚相談所を始めた女性二人。
顧客の殺人事件を調査するうちに、明らかになっていく二人の痛み。
想定していたよりほろ苦い、でも読んだ後で元気にもなれる作品だった。
しかし二人はじめ、登場人物のかなりが会話にウィット混ぜないと倒れる体質なの?? と聞きたいくらい入れ込んできて、楽しくはあるのだけどずーーーーっとなのでちょっとだけテンション疲れも。
でも続編は読むー! -
戦後ロンドンが舞台。元スパイと上流階級出身の対照的な二人が営む結婚相談所を訪れた若い美女が殺害され、彼女に紹介した誠実な会計士の青年が逮捕されてしまう。無実を信じる二人が真犯人探しに乗り出す!
二人のコンビが良くて、海外文学は苦手(登場人物の名前を覚えるのが苦手)な私でも、夢中になって読みました!読み終わったそばから、二人の活躍がまた見たくて仕方ないです。 -
戦後すぐ、こんなに魅力的でウィットに富んでユーモア溢れた女性2人が、結婚相談所を経営しながら事件解決する…設定も面白いし、出てくるキャラクターがとても素敵!
最後の手紙もよかったな。
ライトで読みやすい書き方だけど、最後にもう一捻り二捻りあり、ストーリーもとても楽しく読めた。必ず次も読みます!
個人的には、アイリスとグウェン以外だと、サリーとデズが好き。次も出てくるかなぁ。