不吉なことは何も (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488146245

作品紹介・あらすじ

【名作ミステリ新訳プロジェクト】ふたりの探偵の目前にいて、しかも彼らの目にとまらなかった姿なき殺人者とは? 身代金誘拐事件に巻き込まれた保険外交員の行く末は? 金をたっぷり貯えた老人の家に猛犬がいるのを知った男の計画とは? 奇抜な発想と予想外の結末が光る短編10作と、殺人で終身刑になった男の無実を証明しようと奮闘する刑事を描く名作中編「踊るサンドイッチ」を収録。『真っ白な嘘』に続く、推理短編の魅力たっぷりの『復讐の女神』改題新訳版!(旧訳版から収録作品の変更はありません)

感想・レビュー・書評

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  •  越前敏弥さんが宣伝していたので知ったフレドリック・ブラウン、初読み。東京創元社から新訳の短編集が三冊出ているが、三つ揃って表紙もおしゃれ。『不吉なことは何も』という表題作のタイトルもかっこいいと思う。原題は”Nothing Sinister”で、旧訳では内容を汲み取っての『復讐の女神』だったのを、新訳にあたり改題したとのこと。
     とても夢中になったという感覚でもなかったが一気読みした。つかみが上手いというか、いつの間にか入り込んでいる。保険外交員のヘンリー・スミス、私立探偵のピーター・キッドは特に台詞回しに特徴があって面白かった。中編『踊るサンドイッチ』も良かった。
     気になったのは、スミス氏がやたら出てくる。ピーターも二人はいた。ウィーラーも二人はいた。カールも二人はいた。これはわざとなのだろうか。なんとなくそうなっちゃったのだろうか。

  • ショートショートの名手F.ブラウンのミステリ短編集。読んでいて楽しい。笑えたのは「ティーカップ騒動」でニヤニヤできるのは「生命保険と火災保険」
    「さまよえる少年」はじんわり優しく「サタン1.5世」はホラーサスペンス寄り→

    「象と道化師」は童話感あるし、表題作の「不吉なことは何も」はオチが秀逸。
    中編の「踊るサンドイッチ」はミステリとしても良作。ラストがいいんだよねー。
    80年ぐらい前に書かれた話なんだけど、新訳でとても読みやすくなっているので、海外ミステリ初心者にもオススメ。

  • 面白かった。生命保険の外交のスミス氏がよいキャラクターだった。標題作は因果応報だなと思った。踊るサンドイッチは無実を証明するために奮闘する刑事さんの心理にドキドキした。助けになってあげたい気持ちとそうするとお別れすることになる微妙な心理がよい。最後も良い結末だった。報われて良かった。もっとフレドリックブラウンの作品が読みたいなあ。

  • 機知に富んでいて、洗練されていて気品があるよね。
    本当に素晴らしい。
    今のミステリーと比べると物足りなく感じる事は有るけれど、たまには微笑みながら、物語の世界に入り込めるのも良いもんだよ。

    踊るサンドイッチの結末は、思っていたのとは違ったけど、
    ピーターが振られた方が、結末としてはビターな味わいで良かったと思ったけどな。

  • 2021/10/26読了
    収録中編の『踊るサンドイッチ』――冤罪を証明し、真実を明らかにするという手柄を立て、スーザンとの未来が見えたピーター・コールにとっては文句なしのハッピーエンドだろうけど、カール・ディクソンにとっては無実の罪で終身刑を言い渡され、冤罪が証明されて釈放されたらされたで、今度は婚約者に振られるって、かなり踏んだり蹴ったりな話なのではないかと思ってしまった。

  • わざとらしくない、でも驚かされる意外な結末。
    『生命保険と火災保険』『姿なき殺人者』保険のこと以外はまるで興味なくて、それなのによく事件に遭うスミスが気になる。シリーズ化とかはしてない?とぼけてるのか聡明なのか、紙一重なところも好き。
    『ティーカップ騒動』上には上がいる。
    『さまよえる少年』ばあちゃんは何でもお見通し。
    『踊るサンドイッチ』トリックより結末に驚いた。でもある意味リアル。

  • 同じく短編集の『真っ白な嘘』を読んだ時にも感じたけれど、やはりこの作者の本領が発揮されるのは読後に嫌な気持ちを引きずるショートショート形式の短編だと思う。

    本作でも「踊るサンドイッチ」のようにアイデアの面白い推理ものがいくつかあったけれど、全体的にはやや物足りない印象を受けた。

  • ふたりの探偵の目前にいて、しかも彼らの目に留まらなかった姿なき殺人者とは? 首輪に「われこそは殺されし男の犬なり」というメモが挟まれていた。毛むくじゃらの犬の秘密とは? 奇抜な発想と意外な結末が光る短編10作と、殺人で終身刑になった男の無実を証明すべく奮闘する刑事を描いた名作中編「踊るサンドイッチ」を収録。巨匠の筆が冴え渡る『復讐の女神』改題新訳版!
    原題:The shaggy dog and other murders
    (1963年)
    --- 目次 ---
    不吉なことは何も
     毛むくじゃらの犬(The Shaggy Dog Murders,1944年)
     生命保険と火災保険(Life and Fire,1941年)
     ティーカップ騒動(Teacup Trouble,1940年)
     よい勲爵士によい夜を(Good Night, Good Knight,1949年)
     猛犬に注意(Beware of the Dog,1943年)
     さまよえる少年(Little Boy Lost,1941年)
     姿なき殺人者(Whistler’s Murder,1946年)
     サタン一・五倍(Satan One-and-a-Half,1941年)
     象と道化師(Tell’em, Pagliaccio!,1943年)
     不吉なことは何も(Nothing Sinister,1942年)
    踊るサンドイッチ(The Case of the Dancing Sandwiches,1940年)
    収録作原題・初出年
    解説/村上貴史

  • 相変わらず結末の読めない短篇が揃っており「そうくるか!」とニヤリとする瞬間がある。
    シリアスな作品ばかりだが、どこかユーモアを感じさせる。
    特に表題作はブラックユーモアとしか思えない展開で思わず苦笑した。
    『さまよえる少年』と『猛犬に注意』の結末は読んでいて楽しい。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00619093

    ふたりの探偵の目前にいて、しかも彼らの目に留まらなかった姿なき殺人者とは? 首輪に「われこそは殺されし男の犬なり」というメモが挟まれていた、毛むくじゃらの犬の秘密とは? 奇抜な発想と意外な結末が光る短編10作と、殺人で終身刑になった男の無実を証明すべく奮闘する刑事を描いた名作中編「踊るサンドイッチ」を収録。巨匠の筆が冴え渡る『復讐の女神』改題新訳版!
    (出版社HPより)

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著者プロフィール

フレドリック・ウィリアム・ブラウンは、アメリカ合衆国オハイオ州シンシナティ生まれの小説家、SF作家、推理作家。ユーモアあふれるショートショート作品で知られている。

フレドリック・ブラウンの作品

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