- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488164072
作品紹介・あらすじ
人気俳優マークはある日、義理の息子の劇作家ケニーが書いた不条理劇の題名を知り動揺する。「エルシノアの郊外」……それは17年前の、ケニーの実父が死んだ“事故”を暗示しているようだった。当時4歳の子供が、真相を知っている? マークは劇のキャストに立候補し、上演の日までともに過ごすことで、息子の真意を探ろうとする。ふたりが17年前それぞれ務めた役柄とは? 才人マガーが仕掛ける傑作演劇ミステリ。
感想・レビュー・書評
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パット・マガーさん。好きです。
なにがそんなに好きなんだろうと考えてみたんですが、人物描写なんですよね。
もちろんパット・マガーさんより優れた人物描写をされてる小説なんて数えきれないくらいあるでしょう。
でも、本格推理でありながらだとどれほどあるのか。
本格推理物はどうしてもパズルになりがちという印象があります。
被害者A 。容疑者B。容疑者C。容疑者Ⅾ……。
特に一昔前の海外推理小説はそんな印象でした。
犯人当てクイズ。トリック。
少し辟易していた頃に出会ったのがパット・マガーさんの「被害者を探せ」。
新鮮でしたね~。人物が目に浮かぶようで。
そして「七人のおば」。
名前の憶えづらい海外物で、しかもタイトルでもわかるとおり七人もおばが登場する。にもかかわらず、登場人物が個性的できちんと判別できる。おもしろい。
そこから一気にパット・マガーさんの著作を全部読んでしまいました。
と、いっても翻訳されていたのは5作品のみ。
ずいぶん前にコンプリートしたものだと思い込んでいました。
しかし、いつのまにか出たんですね~。新しく翻訳するならするで教えてくれればいいのに。
そのひとつが本作「不条理な殺人」。
う~ん……。
期待して読んだのですが今回のは分かりづらい。
登場人物のほとんどが役者であり、急に役名が出てきたりするので混乱します。
できれば登場人物一覧に役名も添えて欲しかったな。
推理、という点でも弱いです。
事件そのものより、この舞台がうまくいくのかどうかの方に焦点が当てられ、興味も向けられます。
ラストはさすがにため息が漏れます。
決してつまらなくはないんですが、後半に行くまでがつらいな。
いままでの5作品からするとかなり見劣りします。
それとも……過去に読んだ本が素晴らしく思える「思い出補正」でも入っているのかな?
もう一本ある未読作品「死の実況放送をお茶の間へ」はどうしようかな。う~ん。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(チャラララッチャッチャ〜)
ひまわりめろんはレベルが上がった
ひまわりめろんは「予約」を覚えた
我が市には市立図書館というものが6ヶ所あるんですね
1つは中央図書館で残りが分署ということになるんですが
元々広い市だったのと合併した町村の図書館がそのまま残ったことでその数になっているわけです
そしてこの図書館群、狙ってのことかはわかりませんがそれぞれ微妙に得意分野が違うんです
児童書・絵本が得意だったり、実用書が得意だったり、古い蔵書が多かったり、海外ミステリー(特に文庫本)が新旧問わずに得意だったり…
で、もちろんこの海外ミステリーが得意な図書館に行きたいわけじゃないですかひまわりめろんさんとしては
でもね遠いんですそこ
もう端と端なんですそこ
土瓶さんやhiromida2さんが薦めてくれる作家さんや
NWクレイヴンやアンソニー・ホロヴィッツの新しめのやつとかそこにしかないんです(泣)
で泣く泣く諦めてたんですが…
最近になってホームページで予約すると近隣の図書館に届けてくれることを知りましたw
え?もしかして常識だったのかな?
というわけで、やっとパット・マガー読めました!
1番読みたかった「4人の女」はどこにもありませんでしたが本作は読めました!
そしていつもの通りのオチで申し訳ないですが前読んだことありました!w
恐らく「4人の女」も読んだことある気がします
ま、とにかく今後さらに海外ミステリー率上がると思います
そしてどうせまた読んだことあるんでしょと思わずおすすめお願いしやす!
今回も読み直せて良かった!
面白かった!-
土瓶さん
こんばんは!
これすごい面白かったですよ
割と短めなんでサクッと読めましたし
ところで土瓶さんカリールってサイト知ってます?
...土瓶さん
こんばんは!
これすごい面白かったですよ
割と短めなんでサクッと読めましたし
ところで土瓶さんカリールってサイト知ってます?
とっても便利なんで使ってみて下さい(おい)
設定すればブクログに飛ぶこともできて便利ですよ(おいおい)
なおなおの凍てつく波動
会心の一撃
ひまわりめろんは154ダメージ2022/04/17 -
2022/04/17
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2022/04/17
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111108さんの『七人のおば』のレビューを読んで、パット・マガーという作家に興味を持った。図書館にあったのが1冊だけだったのでまずは本書から。
人気俳優のマークは同じく人気女優サヴァンナをずっと愛していた。しかし彼女はマークの大学時代の友人で脚本家のレックスと結婚する。二人にはケニーという息子が生まれ、マークは家族ぐるみでつきあっていたが、ある時レックスが不慮の事故で半身不随となってしまう。自暴自棄になったレックスと元気を失ったサヴァンナの環境を変えようと、マークは海辺の家への引っ越しを手配するが、その家でレックスは崖から落ちて死んでしまった。
その後再婚したマークとサヴァンナ。献身的にサヴァンナに尽くすマークだが、ある時脚本家となった義理の息子ケニーの初脚本の内容を見て動揺する。その内容は、レックスが死んだ「事故」を暗示しているかのようだったからだ。
はたしてケニーは何を知っているのか。マークはサヴァンナの反対を押し切って、ケニーの脚本による不条理劇への出演を決定し、真意を探ろうとする。
初作家の作品、面白かった。
パット・マガーは1940年代から1970年代まで活躍した女性作家で、それほど多作ではないようだが、ロマンス小説や普通小説も書いている。
アガサ・クリスティーよりも後の世代(といってもクリスティーは長く活躍したので、活動期間はかぶっている)だからか、アメリカとイギリスの違いなのか、クリスティー作品の登場人物よりも人物描写が生々しく、かといって現代作家ほどどぎつくもない。
中盤は演劇界の内幕を事細かに描いていることもあり、ほとんど知識のない私にはわかりにくい部分もあったが、ケニーとマークの交錯する心理、徐々に明らかになるレックスの死の秘密が、少しづつ造り上げられていく舞台の状況とシンクロし、緊迫感を高めていく。そしていよいよ初舞台を迎えたその日に明らかになる「事故」の真相とその結果は衝撃的で、最後になんともいえない余韻を残す。
ネタバレになってしまいそうであまり詳細を書くことはできないが、演劇に興味がある人はなおいっそう楽しめるのではないだろうか。
この作家の他の作品も読むこと決定である。-
b-matatabiさん、こんばんは。
レビューに名前あがっててドキッとしました 笑
こちらの作品も面白そう!人物描写の生々しさや、過去の...b-matatabiさん、こんばんは。
レビューに名前あがっててドキッとしました 笑
こちらの作品も面白そう!人物描写の生々しさや、過去の事件の真相暴露と舞台上演のタイムリミットで緊迫感ありそうですね。
私もb-matatabiさん同様、パット・マガー読むこと決定しました!2022/12/11 -
111108さん、こんにちは。
勝手に名前を出してすみません。
パット.マガ-、面白いですね!この作品は翻訳されているなかで一番あとの作品...111108さん、こんにちは。
勝手に名前を出してすみません。
パット.マガ-、面白いですね!この作品は翻訳されているなかで一番あとの作品みたいです。
初期の頃はもう少し違ったテイストのようなので、それも楽しみです。
111108さんのレビュー、楽しみにしています。
2022/12/13 -
b-matatabiさん、お返事ありがとうございます♪
いえいえ、ちょっと恥ずかしいけど光栄です。
ありがとうございます。
そうなんです...b-matatabiさん、お返事ありがとうございます♪
いえいえ、ちょっと恥ずかしいけど光栄です。
ありがとうございます。
そうなんですね、割と後期の作品なんですね。私も知る人ぞ知るパット・マガーを読んでいきたいです♪2022/12/13
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俳優のマークは、親友が”事故”で死んだあとその妻だった人気女優と再婚。そして17年後、駆け出しの劇作家である義理の息子ケニーが書いた不条理劇の題名を知り、その劇のキャストとして参加することを決意する。実父が死んだ事件に関してケニーが何か知っているのか探ろうとするのだが…
まずこの不条理劇が難解だし、過去の事件に関しては詳細もマーク自身が何を知っているのかも曖昧にしか語られず、ケニーとの腹の探り合いもじれったい感じで進んでいくが、中盤の急展開からぐっと面白くなる。
ミステリとしては『〜を探せ』シリーズのような派手さはないが、キャラクターの攻防を楽しむ話。やはりパット・マガーは女の描き方が実にうまいと思った。 -
さすがパット・マガー。見事な演劇(小劇団)ミステリ。
スター俳優夫婦の「過去の事件」と、その事件を目撃したかもしれない義理の息子。守り通さなくてはならない秘密と、成長した息子が書いた現代劇の中に織り込まれた「真意」とは?
心理描写の絶妙さと、演劇界を舞台にした故の各種設定が生きてて、ほんとこれ、映像作品や舞台にそのまま持って行けそうな見事な「演劇作品」ですね。
特に終盤にググッと出てくるあるキャラは、これ、役者ならぜったい演じてみたいでしょう?って感じのても魅力的なキャラで。いやほんとにマガーは心理描写からのサスペンス描写が上手ですね。面白かった。 -
パット・マガーは買っているのだけれどこれはう~んという感じ。そもそも演劇ものは苦手なのだ。特に劇そのものやシェークスピアがどうとかに造詣がなくてもストーリーには関係ないのだけれど。昔起こった車椅子暴走による事故死が他殺だったかどうか、小さかった息子に目撃されていたのかどうか、疑われているのかどうか、それを知りたいという背景はあるにせよ、小規模な現代劇に無理やり出演を企てる著名俳優である親たち。あまりに不自然、無理がある。ほっときゃいいのに。それで墓穴を掘ると。ミステリ的要素はあまりなく、心理小説というのかな。マークとサヴァンナが生き生きと描かれていてやりとりがおもしろいのが救い。
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愛のドラマだ。人は愛のために嘘をつく。重ねて行く。積み木のような物体は常に監視をしてほころばないように見張っていなくてはならない。その事実を渦中の人間が知らされた時には積み木を積む行為が責められ、気持ちの方は置き去りにされる。しかし憎しみが原動力であったなら行為も正当化されるのは変な物だ。
継父の俳優と再婚した女優と新人脚本家の息子が3人で舞台をやることになった。それに巻き込まれる共演者舞台演出家達を描いたドラマ。やはりこの人の作品は好みだ。1967年作。 -
2018/11/23読了