ケイトが恐れるすべて (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488173067

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったー。ドキドキする!これ映像化したら怖くて早送りしたくなる!
    犯人はこの人かなとわかってしまったけどそれをわかったとしても面白く読めました。

  • 「そしてミランダを殺す」が面白かったので、新作も。
    今回も二転三転、視点が変わるとどんどん物語の色合いが変容していくので目が離せなかった。
    ただ、気質と過去の傷のせいで全てが不安な主人公の女性が更に時差で頭もぼんやりしていて、何が事実なのか何が空想なのかわからなくなるのがスリリングだったのだけど、視点のキャラクターが変わることでそのスリリングさが途切れるのがちょっともったいなくも感じる。
    そしてラスト…うううーん、それでいいのー?!
    無理にまとめなくても…という気持ち。
    ミランダの、うっと息苦しくなる読後感の方が私は好み。

  • 親戚のコービンと半年間お互いの住居を交換することになったケイトは、イギリスからアメリカへ初めて暮らすことに。再出発の人生の足掛かりになるはずだったその生活は、隣室で女性が死体で発見される事件によって、思いがけない方向へ転がっていく……
    序盤からどこか不安定な女性の視点から始まって、やがてほかの視点からも物語が綴られて、意外さに意外さを重ねて最後は綺麗に収束を迎えていく。その視点のスイッチングの鮮やかさと、飽きさせない意外な展開な連続に読ませてくれました。
    個人的には某日本古典ミステリの要素を勝手に感じて、視点のひとりの持つとある「性癖」が実は物語全体をも覆っていたのだと気づく終盤はなかなかの気持ち悪さでした(褒めています)。
    そもそもの設定、「親戚とはいえ顔も知らない、しかも男女間での住居交換」がどれほどリアリティがあるのか欧米の習慣を知らないので、そこが話のミソかと思ってたりしたのですが、それは普通にそういう流れで……こういうことって実際にあるんかなあというのは、ちょっと思ったところでした。

  • 『ケイトが恐れるすべて』
    秀逸なタイトルである。
    『そしてミランダを殺す』もよかったが、こちらも素晴らしい。

    しかし、読了後の印象を言うならば、
    『ミランダはケイトを殺す』
    『実はミランダより恐ろしい』
    だろうか?

    『そしてミランダを殺す』の、あのピーター・スワンソンの新作である。
    人は『ミランダ~』級の恐怖を期待してしまうではないか。
    知らず知らず呼吸が浅くなり、脳神経をビリビリと電流が駆け抜け、ある瞬間、「えー!」「ひー!」などと声をあげてしまう恐怖! 興奮!

    そんな『ミランダ~』と同質の恐怖を期待したむきには、残念としか言いようがない。
    この本に、あれと同質の恐怖はない。

    あちこちの評判を見るに、つい『ミランダ~』を望んでしまった人が、辛い点数をつけているようだ。
    無理もない。「思っていた恐怖と違う」のだから。

    しかし、この『ケイト~』には、違う種類の恐怖があるのだ。
    『ミランダ~』より怖いものが。

    人は空港や列車で初めて出会った人と、その後の人生を変えてしまうような"プラン"を練ることはめったにない。
    しかし、住む場所を変えることはある。
    向かいに誰がいるか知らない、隣になにがあるか知らない、そんな新しい環境に身をおくことはある。
    気の合う人と友達になったり、親友になったり、いいなと思う人とデートを経てつきあうこともある。
    人として当然の営みである。

    相手がどんな人かもわからないのに。

    そう、考えてみれば、『ケイト~』には、『ミランダ~』よりよほど身近で現実的な恐怖があるのだ。
    なのに、さすが『ミランダ~』は強烈だ。『ケイト~』の面白さを潰してしまった。

    人はいざ知らず、私はうすら寒い恐怖に息のとまる心地がした。
    今夜から戸締まりを念入りにすることにする。
    そつなく、確実にだ。

  • サスペンス王道なんだろうなって作品だけど、やられたー!的なカタルシスは特になく淡々とストーリーが進み終わる。
    本格派と言えばそうだけど、アクロバット決めてくるサスペンスが最近多い中ちょっと弱いんじゃ無い?と思ってしまう。
    惜しい。

  • 途中で結末が想像できてしまって意外性がなかった

  • 緊迫感のあるサイコサスペンス・ミステリーで面白かったです!従兄弟としばらくの間、住居を交換して住むことになった主人公。交換した住居の隣人が亡くなったことを知りますが、なぜか被害者との関係を隠す怪しげな従兄弟。そして被害者の部屋を監視していた、これまた怪しげな隣人の存在。そして読み進めるに従って何かがおかしいと思わせるこの不安感、最後の展開に至るまでの緊迫感とすごく良かったです。

  • アメリカの作家ピーター・スワンソンの長篇ミステリ作品『ケイトが恐れるすべて(原題:Her Every Fear)』を読みました。
    ピーター・スワンソンの作品は、3年半くらい前に読んだ『そしてミランダを殺す』以来なので久し振りですね。

    -----story-------------
    真相が明かされた瞬間、驚愕で震える!
    <このミステリーがすごい!>海外編2位
    『そしてミランダを殺す』の著者が放つ傑作!
    又従兄と住居を交換した女性を襲う、想像を絶する事件。

    ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと住まいを交換し、半年間ボストンで暮らすことにする。
    だが到着の翌日に、アパートメントの隣室の女性の死体が発見される。
    女性の友人と名乗る男や向かいの棟の住人の話では、彼女とコービンは恋人同士だが、まわりに秘密にしていたという。
    そしてコービンはケイトに女性との関係を否定する。嘘をついているのは誰なのか?
    第二部で真相が明かされた瞬間に第一部を思い返し、驚きで戦慄する――。
    『そしてミランダを殺す』の著者が放つ衝撃作! 
    解説=川出正樹
    -----------------------

    2017年(平成29年)に刊行されたピーター・スワンソンの長篇第3作にあたる作品です。

     ■第一部 長い脚で蠢くもの
     ■第二部 二等分
     ■解説 川出正樹

    ロンドンに住むケイト・プリディーは、又従兄のコービン・デルと住まいを交換し、半年間ボストンで暮らすことにする……だが、到着した翌日に、アパートメントの隣室の女性オードリー・マーシャルの死体が発見される、、、、

    オードリーの友人と名乗る男や、アパートメントの向かいの棟の住人アラン・チャーニーの話では、彼女とコービンは恋人同士だが、周囲には秘密にしていたといい、コービンはケイトに女性との関係を否定する……嘘をついているのは誰なのか? 見知らぬ他人に囲まれた、ケイトの悪夢の四日間が始まる。

    年末ミステリ・ランキング上位独占の『そしてミランダを殺す』の著者が放つ、予測不可能な衝撃作!

    殺害された隣人オードリーと関係があったはずの又従兄コービンはオードリーのことをほとんど知らないと言い、同じアパートメントの向かいの棟に住むアランはオードリーに執着心を持っていて日常的に部屋を窃視していたらしく、オードリーの友人であると言うジャック・ルドヴィコと名乗る男性は事件のことを深く嘆いている……この中に犯人がいるのか!? 信頼していい人間が誰もおらず、確かなことが何もないという状況の中で、ケイトは追い詰められていく、、、

    面白かったですねー 複数視点からの叙述が行われ、語り手が替わると新しい事実が判明し、それまでとは話の見え方が変わってくる……何度も不意を衝かれ、行く先の見えない展開が愉しめました。

    衝撃的な事件の結末と明るい未来が感じられる物語の結末も良かった……クライマックスの盛り上げ方と視点の切り替えが印象的なサスペンス作品でした。

  • 4.0

  • 読みはじめて、、、あれ、なんかどこかで、、、と、思ったら、
    そして、ミランダを殺すの著者と同じ人だった。
    失敗したなぁ、、、、
    あの、なかなかミランダ殺さない本と同じ人かぁ、、、、と、思ったら、案の定進みの遅いミステリーでした。笑

    海外がこういうのが多いのかもかぁ?

    近隣情報をモリモリ盛ってもって、やっぱり犯人はこの人。みたいな。笑
    いや知ってたし、そうだよね。
    伏線のような伏線じゃないような。
    帯に、真相が明かされた瞬間驚愕で震える!

    って書いてあったけど、これは誇大広告で訴えられるわ。

    淡々と始まって、だよねーで、終わった。

    ただ、一つ言えるのは。
    こんな淡々と始まって終わるのに、読める!!!!伏線みたいな顔した日常の描写はとっても臨場感があって、まるでわたしが住んでるようでした!笑

    ミステリーとしてはイマイチだけど、読み物としては楽しめる!そんな一冊!

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