ルート66〈下〉 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488195175

作品紹介・あらすじ

行方不明になった子どもの親たちがルート66上を進む奇妙なキャラバン。彼らを率いるのは、もと神父で心理学者でもある老人だ。だがキャラバンのメンバーの一人が殺された。死体の手は切り離され、代わりに置かれていたのは古い子どもの手の骨。州をまたいで進むキャラバン。狙われるメンバー。ルート66上で幼い子どもが殺され埋められた事件を追うFBI捜査官たち。マロリーは幼い子どもを守り、犯人を捕らえることができるのか?

感想・レビュー・書評

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  • マロリーのシリーズ、9作目、後半。

    古い手紙をたどりながら、ルート66をフォルクスワーゲンで走るキャシー・マロリー。
    じつは、亡き父親が若い頃に書いたという手紙だった‥

    ルート66では連続殺人事件が起きている。
    行方不明の子供を持つ親たちのキャラバンが移動している最中で、地元警察やFBIも捜査に入り、マロリーも介入せざるを得なくなる。
    マロリーを心配して追うライカーらも、これに加わることに。

    型破りなマロリーだけど、意外と親切?なところもあったり。
    二重三重に絡み合う事件ですが、広い空間をどんどん動いていく展開だからか、もつれた糸が解けていく快感があり、読後感が良かったせいか、物語は重苦しすぎるほどには感じませんでした。

    悲惨な子供時代を過ごしたマロリーに、思わぬ発見と希望が訪れます。
    こちらも全然予期していなかった‥!
    珍しいハッピーエンディングで、笑顔が輝くよう☆

  • キャラバンにいる大人が相次いで殺される。刑事も殺される。犯人は誰?ーー。女刑事マロリーの追跡が続き、犯人を追い詰める。犯人との最後の一騎討ちが見もの(読みどころ)。本作は女刑事マロリーのシリーズものである。私は本作しか読んだことがないので、もしかすると他の作品から読んだ方が良かったかもしれない。なんとなく、本作品でシリーズが完結した感があるので。また、海外作品にはありがちだが、登場人物の性別が名前だけでは判別できないなど、読むのに少し苦労した。

  •  マロリーが失踪して、彼女の部屋には女性の遺体があった。

     相変わらずのクールビューティーっぷりで、周りをひっかきまわしまくってるマロリーですが、今回はちょっと違う。
     なんか、ちょっと壊れてるというか、とりつかれている感じで、読んでるこっちがびびるよ。つか、他のキャラたちもビビってる感じがすごいあって、そのへんにものすごくシンクロしてしまう。
     って、オコンネルはこの辺が上手いのかと、認識する。
     主人公ではなく、いわばモブとして、物語と感情を同調させる術に長けているのだろう。
     うん。過去作品を思い返すにそんな気がしてきた。

     ともあれ他の追従を決して許さないマロリーは、暴走中で、ライカーとバトラーがそのしりぬぐいに奔走するよ。
     って、前作でああだったバトラーなので、今回はしおしおです。しおしおバトラーをライカーがあおるというちょっと珍しいパターン。
     つか、ライカーの揺るぎなさも実はこのシリーズの魅力であったと再発見。

     ルート66で起こる連続殺人事件と、行方不明の子供を探す一団と、警察と、FBIと、物語は混乱を極める。

     まぁ、いつでもそうなのだけど、一番醜悪なのは人間なのだ。
     そして、<そんなことで>という理由で、簡単に転がり落ちて、それを誤魔化すためにさらに邪悪になる。
     
     ルート66だけに、その転がりっぷりに眉間が寄ってしまったよ。

     そしてマロリーは、自分のルーツを手にいれる。
     も、決して変わることがないと思っていた彼女だけど、それでもじんわりとやんわりと変わっていくのだろうか。
     …変わっていくことが、必ずしも幸せ、ってことじゃなさそうなところが、憂鬱。

  • (上巻より)

    マロリーがイリノイ州の若い警官に、
    彼女にしては、懇切丁寧に我慢強く「仕事」を教えていた場面は感動的だった。

    いつも人と関わらない、関わる気もない、
    関わった場合は脅迫か暴力か毒舌のマロリーが、
    ルートの自動車修理工やキャラバンの子ども達とそれ以外の関係にあったのが良かったのかも。

  • マロリーシリーズ、もちろん好きで読んでいるのだけど、一回読んだら、その後読み返すことは滅多にない。
    描写が曖昧で、意味がクリアでなく、そのくせ印象は鮮烈な文章。
    自分がきちんと把握できているかどうか不明確なまま、とにかく読み進めるというのがデフォルトのシリーズ。

    でも、毎回ラストにやられる。ほぼ必ずやられる。
    今回も強烈に打ちのめされて、思わず涙が溢れた。
    これがたまらなくて、だから読み返すことがなくて、そして手放せないシリーズとなっている。

  • ポルシェのエンジンを積んだカブトムシでルート66を走破して…ハッピーエンド?^^;

  • 最後まで読んだ甲斐はあったよね。前シリーズをすべて読んでいないけれど、ラストを読んだら、過去を振り返り1から読む必要はないかな、と思う。 とにかく描写がくどくて、こちらの想像力とのピントが合っていないのよ……。

  •  ひとまず完結なのでしょうか?

     キャシーの不可解な行動、父親の謎、徐々に明かされて最後にホッとさせられます。

  • 父親の手紙らしきものを元にルート66をたどるマロリー。その手紙を手に入れた経緯とか父親の失踪の謎とか分からないことだらけの上に、行方不明になった子供の親たちのキャラバンのメンバーが次々と殺される不可解な連続殺人の謎、捜査するFBIや州警察、市警とたくさんの登場人物で頭がこんがらがる。あまりにもずさんな警護とか全く捜査できないFBIとか突っ込みどころはいくつもあるけど、このシリーズはそんなことはどうでもいいのだ。マロリーを心の底から気にかけるライカーやチャールズの深い思いは相変わらずだし、今回のマロリーはこれまでと違い人間らしさが結構出てくる。そして父親の手紙が誰宛だったのか最後に分かった時は涙がにじんだ。このシリーズをここまで読んでてよかった。

  • キャロル・オコンネル『ルート66(下)』創元推理文庫。

    マロリー・シリーズの第9作。

    マロリー・シリーズの根幹を成すのはマロリーの数学やコンピュータの分野での天才的能力を活かした捜査というより、その特異な謎に満ちた生い立ちとトラウマにあると思う。そう言う意味で、原点回帰という色合いが強い本作はシリーズでのターニングポイントとなる作品ではなかろうかと思う。

    ルート66上で起きた幼い子供を狙った連続殺人事件。殺人鬼の魔の手は大人にも及ぶ。行方不明となった子供の親たちの奇妙なキャラバン、事件を追うFBI捜査官。マロリーは幼い子供たちを守り、犯人を逮捕できるのか。そして、マロリーの自らの過去を辿る旅の行方は…

    10年ひと昔というが、本作は2007年に刊行された作品の邦訳ということもあり、少し古臭さを感じる部分も多い。出来れば、リアルタイムで読みたいシリーズである。

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