三つの秘文字 下 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488207045

作品紹介・あらすじ

トーラは産科医の知識と立場を生かし、やはり島外出身のため警察内で孤立している刑事デーナの捜査に協力する。だが何者かが自宅へ侵入し、血まみれの心臓を残していく。さらに何人もの女性の不審な死が浮かびあがり、ついにトーラは単身、ヨットで嵐の海を渡ることを決意する。謎を解く鍵がひそむ島へ向かい、すべてを暴くために!シェトランド諸島の伝説に彩られた戦慄の雄篇。

感想・レビュー・書評

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  • 産科医のトーラは、絡み合う事件の渦中に入っていきます。
    シェトランドの伝説と風土に根ざす奇怪な事件。
    英国の最北端にある島ですが、もともと北欧系の人々が住んでいて、孤絶した環境なため独特な文化を築いていた土地柄。

    誰が味方で誰が敵なのか‥
    やはり島外出身で孤立していた女性刑事のデーナ・タラクと共に調査を進めるが、そのデーナまでもが‥!
    まさか、愛する夫のダンカンも何か関係している‥?

    ヒロインの不安がノンストップで続き、スリル満点。
    やや女性向けの甘い要素もあります。
    デーナのかっての同僚で警部のヘレンという女性も登場、女性の活躍で解決に向かいます。
    トーラが単身、敵地へ潜入することになる成り行きはいささか性急で、見せ場を作るためとしか思えないけど、りっぱに見せ場にはなっています。

    シェトランド島をこんな恐ろしい事件が起きる土地にしちゃっていいのか?ってぐらいですが‥
    ぐいぐい読めました☆

  • 途中のどんでん返しなど、結構面白い。
    自分たちは他人と違うという迷信が、土地の神話と結びついていることが面白い。シェトランドは排他的で神秘的な雰囲気も満点で、舞台設定も生きている。

  • ここの所、警察小説と、裁判物ばかり読んでいたので、新鮮でした。

    下巻冒頭でデーナが自殺にみせかけて殺害された時は
    「え!?」って思いましたが、
    シェトランドの伝説?のこと考えたら、あぁ、なるほど、そう言うことか、と合点がいきました。
    おなじ理由で、犯行を自供したスティーブン・ゲイアが自殺したことになってたけど、あぁ、こりゃ生きてるな と。
    なるほどなるほど。

    その地域の伝統というか、特殊な文化がなせる犯罪。
    まぁ、その組織(?)の人々からしたら、犯罪ではないらしいんですけれど、被害に遭った方からしたら、完全に犯罪です、殺人です、誘拐です。
    いやー、恐ろしい事が受け継がれていたもんだ・・・

    結局、ギフォードはやっぱりリチャードの息子で、ダンカンは、恐ろしい伝統に沿って養子にされたんですね。
    で、その恐ろしい伝統は、16歳になった時に親から子に伝えられる・・・
    いやだわー そんなこと聞きたくないわー
    ダンカンは正常な反応をしたと思う。
    「あの子を愛してしまったのよ」というのは、トーラを愛してしまったということで、良かった。
    そのために、ダンカンは、恐ろしい伝統を引き継ぐのかどうするのかで悩んでたわけですか?
    そのために、子ども作るのに消極的でしたか。
    最終的には、二人には子どもが授かるんですけれど。
    逆にそのせいで、危うくトーラは捕まって、産んだあと、殺害する計画を立てられるわけだが。

    閉鎖的環境の中で、密かに行われていた伝統・・・
    伝統といえば聞こえはいいけれど、ねぇ・・・

    いやー
    まぁ、トーラとダンカンはこの後幸せになれそうではあるので、めでたしめでたし。
    デーナとヘレンも幸せになってね。

  • *感想は上巻にまとめて記載しています*

  • この間の「血の収穫祭」(緋の収穫祭?)が面白かったので、続けてS.J.ボルトンを。
    面白かった。この人は物語が上手いんだな。情報を小出しにするのが上手い。最終的には、ちょっと奇想天外な感もある顛末だったけど、それもあまり気にならない。
    一瞬で好きになれるタイプじゃない女主人公もなかなか味があってよかった。こういうキャラを据えてくる辺り、イギリス人だよねーと思う。
    シェトランドの最北端の島々へ、私もいつか行ってみたい、と思った。

  • 家の庭から掘り出された女性の骨。それは死亡当時から一年前に死亡したはずの女性のものだった。しかも、死亡直前に出産し、かつ惨殺されていたのだ。その死体をみすごせなくなってしまった彼女(産科医)は、独自に事件を追おうとするが……。「毒の目覚め」と同じくらい偏屈な女性主人公だけれど、こちらは夫がありつつ……実は百合なんじゃ!というくらい女刑事に偏っていくさまがまた面白かった。偏屈だからこそ、信用した人間には傾きやすいのかなあ。今やってるゲームがヤンデレだけど、これも相当病んでいた。でもサスペンスも面白かったー。女性は特にこれは怖いシチュエーションだろう。

  • 何故、イギリスには優れた女流作家が多いんでしょう?

  • 図書館で。
    反目していた二人の女性が段々強調し合っていくのが良いですね。結局旦那も会社の上司も男のつながりの方が大事なのか…とか恐ろしい話です。
    なんだか少しファンタジーみたいな話でもありますが(嬰児売買とかってそんなお金になるのかなあ?)男社会VS女性の戦いのようになってきて最後の方面白かったです。生きててよかった。

  • 癖になりそうな魅力はあるが、あらすじだけを語れば、トンデモミステリだよなあ…っていう小説。

  • ヒロインが結構な困ったちゃん(一応の理由付けはされるが)であり、重度なロマンス脳でもあるので、その辺りはいささか辛い。だが最後まで男を頼らず相棒役と共に戦い抜くタフなヒロインの物語として楽しめた。
    もしも日本を舞台に同様な話を書いたら架空の地名としなければ難しいと思う。海外ではこの辺りの事情は違うんだろうか、などと考えていた。

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