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- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488211097
感想・レビュー・書評
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読み終えて改めてマークの立場になって考えてみる。依頼された取材を放ってしまい、取材対象者に首ったけのロザンナは、世間の彼に対する疑惑を消し去ろうと躍起になり、お節介にも旧妻宅にまで押しかける。やがて自分でもいよいよ制御が効かなくなり、新しい証拠を探し出しては、「どんどん突拍子もない推理」にのめり込んでいく。しつこく食い下がる彼女に振り回され、息つく暇も与えられず、最後には逃げ道さえも塞がれ、とことん追い詰められるマーク。ある種ホラーだし、優秀なんだかポンコツなんだかわからない恋人探偵の物語の結末は、最悪。
その夜、エレインとマークとの間に起きたことが描かれ、真相が判明するが、複雑な感慨。誰も他人のことなど気にかけない昨今、途方に暮れ泣きじゃくる彼女に、親切心から声をかけた結末が、あのように終わるとは。「不運なことに、エレインは語りすぎた。それも、間違った話題で」という一文にグッと来る。なぜエレインを結婚式に招待したかの真相も明かされる。障害のある兄からは家に縛られ、古くからの友人からは、自分の寛大さの道具として扱われ、最後には自由に思いの丈を喋ったがために、殺されるエレイン。あまりに不憫だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示