サイズ12はでぶじゃない (創元推理文庫) (創元推理文庫 M キ 7-1)
- 東京創元社 (2010年6月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488232023
感想・レビュー・書評
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久しぶりにチックリットが読みたくて購入。プリンセスダイアリーで有名な著者のものだ。元アイドル歌手の、ぽっちゃりした寮母さんが憧れの男性と共に大学内連続殺人を追う。ちゃんとミステリーしているし、ロマンスもあるのだが今いち乗れないのはなぜ?
ヒロインも平凡というには特殊な経歴で、共感が難しい。なんだかんだでロマンスも先が読めるので面白くない。チックリットとしては、話にひねりがなくてイマイチだがミステリー要素は思ったよりちゃんとしてた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
落ちぶれた元アイドルのヘザーはサイズ12に太って、いまや学生寮の副寮母。ところがその寮で女子大生が事故死して…、と言うユーモアミステリ。
残念ながらアメリカ女性のサイズに対する拘りが身に迫って分からないので、サイズ12はアメリカの女性の平均サイズよ!と連呼するヘザーのおかしさがイマイチ伝わってこない。
なぜならサイズ12でも特に日常生活に支障があったり、バカにされたりと言う具体的な描写がないから。この辺が翻訳ものを読む際のひとつの弱点なんだよなあと。
書き手が読み手に想定している範囲から外れてしまうと、やはり掴みきれないものがある。
そんな中でもラストで犯人とヘザーが対決するシーンの最後の決めセリフには大笑いできた。
だからこそ、なんだよなあ。こういうのってどうしたらいいんだろ?
ヘザーの妄想がうざく感じるときもあるけど、話し全体は良く出来ていたと思う。 -
元アイドルだったヘザー・ウェルズ28歳。
15歳から歌っていて10歳ぐらいの子に人気があったが、もっと自分らしい歌を歌いたいと事務所に訴えたら首になり、しかも母とマネージャーが有り金持って駆け落ちしたというとんでもない事情も?!
ニューヨーク大学の学生寮の副寮母の仕事にありついて3ヶ月。
試用期間が終われば、大学の講義を無料で受けることが出来る。
サイズ12とは日本で言えば15号ぐらい~アメリカ女性の平均なので、デブじゃない、が持論。
あちこちで、どっかで会った?とかあのアイドルねと言われながらも、今の仕事に懸命なヘザー。
直属上司のレイチェルは完璧主義の細身の美女。学長夫妻はちょっと変人だが。
寮のカフェテリアで働くマグダという親友も出来た。
ところが、寮のエレベーターから女子学生が墜落死。
エレベーターの屋根を飛び移るエレベーターサーフィンという危険なゲームが学生の間で流行っていたためとされるが、その子はそんなタイプではないのに。
そんなとき、ヘザーの元恋人ジョーダン・カートライトの婚約騒動も起きる。
ジョーダンはポップスターで、ヘザーの事務所の社長の息子でもあった。親の反対を押し切って付き合っていたが、同棲中に他のタレントとの浮気を目撃したヘザーは家を飛び出した。
ジョーダンの兄のクーパーが家の最上階に住むようにと提供してくれて、そのまま住んでいる。
クーパーは探偵で、芸能界一家の仕事からは身を引いている変わり者だった。
クーパーが好きなヘザーだが、大家のクーパーの方は弟の元彼女という目でしか見ていない?
付き合う相手を見ていると痩せたインテリ女性が好みらしいのだ。
ヘザーの危険な行動を冷静に止めようとしつつも見守ってくれるクーパー。ちょっといい関係に?
元気よく語られ、面白かったです。 -
三部作ミステリー、第1弾。大学の副寮母シリーズ。
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元アイドル、今はすっかり落ちぶれて大学の寮の副寮母をしている二十八歳のヘザーが主人公のミステリ。この元アイドルっていうのが珍しいシチュエーションな気がしておもしろい。アメリカの若めポップスとかに詳しければよりおもしろいのかも。とにかくヘザーが明るくて元気でいい子なのがいいな、と。母親がヘザーの稼いだお金を持ち逃げしていたり、アイドル男性との離婚歴があったり、今やすっかり過去の人だったり、って複雑なんだけど、まるでくよくよしてなくて。太ってることも気にしてなくて。すべてに前向きで。ロマンス方面でも前向きで、とにかく屈託がなくて二十八歳とは思えない感じもするけれども、楽しいからよし。次作も読みます!
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デブという事が目新しい。元アイドルが地道な仕事をやって
いて、いろいろな人に助けられながら事件を解決する話。
ニューヨーカーというのはこんな暮らしをしている人たちのことを
さすのかなぁ、という感じ。
狙いはバウンティーハンターのシリーズっぽい。 -
ぽっちゃりしてしまった元ポップ歌手がヒロイン。
ハラハラしましたでや~。
まだ続くそうです。楽しみです。 -
面白かった!テンポもいいし、コンスタントな妄想が楽しかった。
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主人公ヘザーは元アイドル歌手、実の母親とマネージャーに全財産を持ち逃げされ、婚約者に捨てられるという過去を持つブロンドの28歳で、現在の仕事はニューヨーク大学の副寮母。寮生の墜落死が2件続き、誰もが事故と納得していたのに直観的に疑問をもったヘザーが不器用ながら、大けがをしてもなお根気よく疑問を持ち続け、ついに殺人犯をつかまえる!のですが。ミステリの謎ときが面白かったというより、ヘザーの人柄がとても良いのと、ヘザーによる周囲の人間の人物評が面白かったです。何でもかんでもカロリーがどうこうということに結び付けるというのにはやや食傷気味でしたが、それも慣れてからは気にならなくなりました。それにしても、エレベーターの屋根から屋根に飛び移る度胸試しというエレベーター・サーフィン、世の中には本当にそんなことをする人がいるのか、それともまったくのフィクションなのか、ちょっと気になります。