凍える街 (創元推理文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488257057

作品紹介・あらすじ

高級住宅街で殺人事件が。被害者は海運会社の社長と妻子、身元不明の男。オスロ市警の伝説と謳われる敏腕女性犯罪捜査官ハンネが事件を追う。ノルウェーの人気警察小説登場。

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズ、2作目の『土曜日の殺人者』を読んでいるんだけど、そちらよりは小説としての出来は良かった。
    ただやはり間を飛ばして7作目というのがなんとも、人間関係やキャラクタの軌跡が見えずもどかしい。
    ハンネ、2作目では美人って描写されてたんだよなぁ。それが今作での描写を読むと、遠いところに来たもんだとw
    シリーズが好評だったら遡って前の話が訳出されるかしら?

  • 「アンネ・ホルト」の長篇ミステリー作品『凍える街(原題:Sannheten bortenfor 、英題:The Truth Beyond)』を読みました。
    凍える街(原題:Sannheten bortenfor 、英題:The Truth Beyond)

    「カリン・フォッスム」、「トマス・エンゲル」に続きノルウェー作家の作品… 北欧ミステリが続いています。

    -----story-------------
    「ハンネ・ヴィルヘルムセン」、オスロ市警の腕利き女性犯罪捜査官。
    クリスマス休暇直前の真夜中近く、緊急の呼び出しを受ける。
    高級住宅街で四人の他殺死体が発見されたというのだ。
    被害者は海運会社の社長とその妻、長男、そして身元不明の男。
    捜査線上に浮かんだのは会社の継承をめぐる確執。
    相続がらみの事件? 
    だが「ハンネ」は、四人目の被害者のことが気になっていた。
    伝説の女性捜査官が事件を追う、ノルウェーの人気警察小説登場! 
    訳者あとがき=「枇谷玲子」
    -----------------------

    個人的にはノルウェー作家の第3弾作品… オスロ市警の腕利き女性犯罪捜査官「ハンネ・ヴィルヘルムセン」シリーズの第7作目らしいのですが、、、

    前6作を全く読まず(とはいえ、邦訳されているのは1~3作目だけのようですが… )、いきなり本作品を読んだせいか、今ひとつ主人公の「ハンネ」に感情移入できなかったんですよねぇ… 過去の経験が色濃く反映されて形成された思考ロジックや挙動、複雑な精神状況等が理解不足だったんだと思うんですよね。

    ちょっと、その部分が残念でしたが、物語の展開はやや人間関係が難解でした(特に被害者よりも警察内部)が… 意外な人物が事件の鍵を握っており、愉しめる展開でしたね。


    北欧ミステリではありがち… 本作品でも、銃殺された後、野良犬に喰いちぎられた四体の死体が登場するという凄惨な殺害シーンからスタートしましたが、、、

    残虐なのシーンは、目で文字を追いつつも、頭ではあまり考えないようにして読み進めました。


    クリスマスイヴの5日前の12月19日、海運会社社長で資産家の「ヘルマン・スタールバルク」の家で、本人と妻の「トゥーリド」、長男の「ブレーベン」、さらにもう一人身元不明の人物(翌日、出版コンサルタントの「クヌート・シーデンスヴァンス」と判明)の合計4人の銃殺死体が発見された、、、

    同性のパートナー「ネフィス」、家政婦の「マリー・サムエルセン」と一緒にクリスマスの準備を進めていた「ハンネ」の元に、オスロ市警の相棒で犯罪捜査官の「ビリー・T」から、事件について連絡が入り、夜中にも関わらず「ハンネ」は職場に呼び出され捜査に参加することに… 捜査を始めてすぐに「スタールバルク家」では、家族間で会社の後継者の座と遺産相続を巡り醜い諍いがあったことが判明し、次男の「カール・クリスチアン」と妻の「マベッレ」、長女の「ヘルミーネ・スタールバルク」が容疑者として浮上します。

    しかも、三人は明確なアリバイがなく、拳銃を入手した形跡もあったことから嫌疑は深まります… しかし、「ハンネ」は、「スタールバルク家」との繋がりないにも関わらず、「クヌート・シーデンスヴァンス」が一緒に殺されていたことに疑問を持ち、納得ができる理由を見つけようと単独で捜査を続けます、、、

    「クヌート・シーデンスヴァンス」が警察の歴史について原稿を書いていたことや、死の前日にもオスロ市警に電話していたことから、警察内部に疑惑の目を向けます… そして、警察で押収されていた拳銃が凶器となっていたことが判明したことから、その推理は決定的となりました。

    いやぁ… まさか、まさかの展開、、、

    最も犯人らしい人物が無罪で、犯罪を捜査する側に犯人がいた… というパターンでしたね。


    物語はクリスマス前後のオスロが舞台… クリスマスだからと言って捜査よりも休暇を優先したり、クリスマス休暇を取得できなかったことを恨めしく話したり、、、

    日本に比べ、ノルウェーでは、クリスマスに対する価値観が大きく違うんだなぁ… と感じました一冊でした。





    以下、主な登場人物です。

    「ハンネ・ヴィルヘルムセン」
     オスロ市警の警部

    「ビリー・T」
     オスロ市警の犯罪捜査官。ハンネの相棒

    「シルイェ・スーランセン」
     オスロ市警の巡査
     
    「エリック・ヘンリクセン」
     オスロ市警の警部補

    「イェンス・プントヴォル」
     オスロ市警の犯罪捜査課課長

    「ホーコン・サン」
     地方検察庁検察官

    「アンマリ・スカール」
     地方検察庁検察官

    「ヘルマン・スタールバルク」
     ノーネ・ノルウェー海運の社長

    「トゥーリド(トゥッタ)・スタールバルク」
     ヘルマンの妻

    「ブレーベン・スタールバルク」
     ヘルマンとトゥーリドの長男

    「ジェニファー・カルバン」
     ブレーベンの妻

    「カール・クリスチアン」
     ヘルマンとトゥーリドの次男

    「マベッレ」
     カールの妻

    「ヘルミーネ・スタールバルク」
     ヘルマンとトゥーリドの長女

    「アルフレッド・スタールバルク」
     ヘルマンの弟

    「クヌート・シーデンスヴァンス」
     出版コンサルタント

    「ネフィス」
     ハンネのパートナー
       
    「マリー・サムエルセン」
     ハンネの家政婦

    「コーレ」
     ハンネの兄

    「アレクサンデル」
     コーレの息子

    「ヴィリアム・ヴィルヘルムセン」
     ハンネの父。個人
       
    「トーネ・マリット」
     ビリー・Tの妻

    「マッティン・オスカール・ヴィッテラン」
     最高裁弁護士

    「クリスティーナ」
     マッティンの妻

    「タリイェ」
     マッティンとクリスティーナの息子

    「ヘンリック・ハインツ・バッケ」
     スタールバルク家の隣人。元保険コンサルタント
       
    「ラーシュ・グレグッソン」
     スタールバルク家の隣人。IT長者

    「アシュラウ・クヴァルハイム」
     スタールバルク家の隣人

    「ロニー・ベントシェン」
     ビリー・Tの幼馴染

    「オッドヴァール(クルーテン)」
     麻薬中毒者

    「スルヴィ・ヨートン」
     クルーテンの恋人

  • 諾文学って初めて読んだかもしらん・・・ノルウェーって同性愛・・・そっか・・・北欧って色々進んでるんだっけか・・・

  • 合わなかった。

  • ノルウェーで人気のミステリー、ハンネ・ヴィルヘルムセン警部のシリーズ。
    なんだけど、えええ、これが7作目とは……
    面白かったので、翻訳されている本を1作目から読みたいとは思っているのだが、となるとえらいネタバレを教わってしまったことになる。

    なんにせよ、北欧発のミステリーにも、ここ数年で読み慣れてきた感があり、独特の暗さや心理描写の細かさなど、違和感をほとんど感じることなく読めた。
    ただやっぱり、ハンネという人を1作目から読みたかったなあ……
    有能そうで、実際有能で、でもそれが部下や同僚などにもたらしている影響や、彼女が何やら考えていることへの信頼感など、最初から読んでいれば埋められたかもしれないピースのせいで、深く楽しみきれなかった思いがぬぐえない。
    ネタバレをもらってしまったけど、諦めて最初から読んでみるしかないかなあ。

  • CL 2015.9.28-2015.10.6

  • Norge

  • 6月6日読了。図書館。

  •  なんというか、ついうっかりシリーズ物の7作目から読み始めてしまった!不覚!である。うーん。勿体ない。
     今後1作目から読み始めたときに、展開が読めてしまうじゃない、となる。
     あと、さすがシリーズ7作目だけあり、各登場人物の説明が省略されていて……うん、分からないwと言うところがあった。面白いんだけどね。勿体ない。

     全く関係のない感想だが、
     警部とか警部補とか検察が出てくるけれども、ノルウェーの司法や警察も日本と組織体系は同じなんだろうか?とふと思ってしまう。日本向けに分かりやすくそう言い換えてたりするのかしら?
     初めて時代物、それも同じ日本で江戸時代物を読んだときに、自分は理解出来るんだろうか?とかそんなことを思った。用語を厳密に使い、あの時代をそれなりにまじめに書いた場合、私は全く分からないだろうなぁ。そもそも、私自身、古文はもとより、旧仮名遣いですらまともに読めないのだから。

     教養というのはそれらの前提となる知識だろうし、どうやって身につけるんだろうなぁ。身につけられてきたんだろうなぁとか、そんなことを感じていたのでした。
     ほんとに関係無い。

  •  初めて読んだ作者。ノルウェーでは人気の警察小説のシリーズ途中。
     あらすじや真相は、特に目新しいわけでもない。でも、ノルウェークリスマスの様子や、主人公ハンネがいろいろ葛藤しながら仕事に向かう様子を静かに読むことができた。中年になっても家族に認められないことを引きずっている様子は確かにイライラするかもしれないが、同僚やパートナーと新しい関係を築いていこうとする過程を丁寧に書いた作品だと思う。

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