- Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488276065
感想・レビュー・書評
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まずこのタイトルのインパクトが凄かった。
実際にこの言葉が出て来た状況はちょっと肩透かしを食った感じだったし、物語の核というか本質を言い表してもいないと思うのだけど、それでもやっぱりこのタイトルはいい。
何という残酷な話……。
現代生活の中で人間や社会が“堂々と”行える残忍な行為を、これでもかこれでもかと詰め込んだような。
11年。奪われるには長過ぎる年月。
11年。2人分の命の償いには短過ぎる(と私は思う)年月。
前作の『深い疵』の時も思ったけれど、この著者は、秘密にしているようで、本気で隠すような気もないような描き方をしつつ、それでも最後には「あ、それはそういう事なの」と驚かせてくれる、独特な雰囲気の文章の人だな。
まだ2作だけなので、全てがそうかは分からないけど、出来れば他もそうであって欲しい。面白い。
オリヴァーの弱点が分かる場面、唯一そこだけが笑える内容だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
二転三転し、少しずつ新事実が明かされる時系列な物語―変な“フラッシュバック”が無く、章の始めに順番に日付が付されて、淡々と物語が進む筆致が好い!!―で、夢中で読み進んだ。
「トビーの帰還」で村に拡がる波紋が何処に至るのか?なかなかに読み応えが在る。本作は「人の非常に嫌な部分」に向き合ったり、「知っているつもりで、実は何も知らないという状態の中で暮らしていること」に想いを巡らせる…というような、何か不思議な感じもする作品だ… -
今作も高水準。女性陣の描写が相変わらず素晴らしい。
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シリーズ4作目とのこと。ドイツの警察小説ということですが、面白かったです。
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このドイツ警察小説シリーズは面白い。事件そのものだけではなく警部補とそのチームの人間性がよく描かれている。特に警部補がプライベートで悩む姿を描くところも気に入った。この後まだ未読のシリーズがあるので順番に読んでいく。
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最高だな
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ドイツのホーフハイム刑事警察署オリヴァー主席警部とピア警部を始めとする群像小説。ずっと前に読んだ「深い疵」は元ナチスの老人殺害事件を扱った謎解き要素の強い小説で面白かったと記憶してる。WEB本の雑誌の連載で杉江松恋氏が「(最新作が面白いのだから)過去作に遡る必要なし」と力説していたので、「穢れた風」を読み始めたものの、オリヴァーがコージマと別れてたり、いろいろ気になるので遡って読むことに。
結果としては、しっかり楽しめた。登場人物多くて混乱するのは相変わらずだけどね。
次から次に怪しい人物(しかも名前が紛らわしい…)が登場し、最終的には村全体が犯人なのか、って怖くなる。
並行してオリヴァー、ピア、それぞれの私生活の迷走っぷりも楽しめる。
長い話になりそうだけど、読み続けたいな。
4.0 -
2月9日読了。図書館。