悪しき狼 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 171
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (573ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488276102

感想・レビュー・書評

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  • かなりダークだったわ。小児犯罪を扱ってるんだけど、結構食い込んでるわ。誰もが子供の時代を経験していて、弱い物に対する虐待、性的な興奮など、きちんと病気と受け止めて治療が可能なら治療するか、檻に入れてくれよ。被害に合ってる子供の年齢はかなり幼く、里親協会みたいな事業が仕入れ先という、かなりえげつない内容であった。このシリーズは人の心の闇を描くことが多いが、自覚のない悪事を利用した金儲けという、なんとも、死後は絶対に地獄行きという内容だった。オリバーがちょっとしっかりしてきた。主役なのになあ。

  • 「刑事オリヴァー&ピア」シリーズ第六弾。読み始めたらぐいぐいと引っ張られていく展開。事件が事件だけにつらくなるような描写もあるけれど、面白さは抜群。ひとつひとつが少しずつ繋がりだしていくその描きかたが本当にうまくて全体が見えた時の鮮やかさは素晴らしい。続刊も早めに読もう。

  • 今回の事件は、いつにも増して読み進めるのが辛かった。
    児童虐待。性暴力。
    何度も辛くて本を置き、続きが気になって再び手に取った。

    前作とは違って、オリヴァーは悩みを乗り越えたようだけれど、逆に帰って目立たなくなってしまった。
    オリヴァーのチームというより、ピアのチームだ。

    そしてこのシリーズは、社会の上辺にいる人たちの自己中心的な行動が犯罪を引き起こし、そして犯罪の影には必ず悪女が…というパターンになっている。
    今回はその犯罪の影、必要だったかな?

    今回の犯罪は根が深いもので、隠ぺいするためには手段を問わない犯罪グループが出てくる。
    が、目を覆いたくなるようなおぞましい暴力をふるう割には、詰めが甘いというか、犯罪の証拠を握っている人物を殺そうとして殺し切れていないことを気にしていないというのが信じられない。
    また、ヨーロッパを股にかけた人脈を誇る割に、実行部隊が少なすぎるよね。
    そしてやつは今後も出てくるのかな?

  • 凄い。本でしか味わえないよ。

  • 刑事のオリヴァーとピアのシリーズ6作目。順番めちゃくちゃで読んでるけど、何となく分かる。庶民的でガッツがあって恋人と幸せに暮らしてるピアが好きでこのシリーズ読んでるけど、今回は幼い子供がおぞましい虐待にあったり女性が残虐な暴力にあったりで辛かった。このテーマへの作者の想いが伝わってくる。でも最後に犯人がある少女を誘拐しようとするのはまったく蛇足じゃないかな。普通に逃げれば逃げられたし、盛り上げようとし過ぎてる気がしたかな。

  • どえらいストーリー。
    大きくて現代的なテーマと(連続)殺人、そして捜査官たちの私生活を絡めていくいつものスタイルだが、どんでん返しが今回は文句なく決まっている。読者は主人公たちより(ほんの少し)早く気づくつくりだが、それを明かすシーンがあざやかで良かった。
    ゲストキャラの造型も魅力的。今回の推しは(なんと!)ギャングのボス。いい味出していた。

    2020/2/12~2/13読了

  • あっちこっちに視点が飛ぶし、慣れない地名はたくさん出てくるし、で最初は置いて行かれそうだったけれど、最後にはちゃんとまとまるんだから、やっぱりすごいな、と。上級検事はわりと早い段階で「あやしくない?」と思ったんだけれど、まさかそういう風につながるとはねぇ!

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