- Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488291051
感想・レビュー・書評
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8月18日読了。解決への糸口も見えなかった複数の事件が詰まり物が取れたかのように流れ出す、後半の爽快感はこのシリーズならでは、だ、が、上下巻だけあり解決まで引っ張る引っ張る。フロストの直感と馬力頼みの捜査はいつにも増してフラフラするが、ハマればこの味がたまらない。フロスト指示の下、ほとんど寝ずにドブさらいなどの荒仕事を黙々と(いや、冗談交じりで)こなすメンバーの信頼感がさりげなく熱い。キャシディとの確執への落着のつけ方は少々後味が悪いが、マレットの使い方でその分チャラにしていいかな。萩原浩の後書きによると、著者の死により当シリーズは後2冊を残すのみとか・・・。残念だが。
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「いいか、若造、おれのことをよく知らないようだから、教えてやろう。おれはジャック・フロストという者だ。いちおうお巡りをしてるけど、あまりいいお巡りじゃないし、それほど優秀なお巡りでもない。それでもお巡りとしてやっていくには、ときには多少は横着で強引なこともせざるを得なくなってくる。容疑者を確実に刑務所(ムショ)送りにしてやるために、嘘のひとつやふたつ、つかなくっちゃならないときもある。だから、今回のことでも、おまえのようなくそ小生意気なふやけた若造をぶち込んでやるためにどうしても必要だってことになりゃ、嘘なんていくらでもついてやる。その程度のことじゃ、おれの胸はこれっぽっちも痛まない。そりゃ、そうだろう? どうせおまえが犯人なんだから」
2023/1/22読了
毎度の事件、事件の波状攻撃。一つのトラブルが解決する前に、次のトラブルが起るのが珍しくないのは、医療現場も同じこと。昔はただただ笑っていたけど、いや、今でも笑うけど、フロスト警部の苦労が他人事とは思えなくなってきていることに気付かされた。 -
あー、フロスト気質読み終わってしまった。
上下巻合わせて、900ページという長さにも関わらず、もう読んじゃったという寂しさすら感じる。
とにかく、クセになる。
これで、フロストシリーズを読めるのも、あと2作になっちゃった!
寂し過ぎるので、すぐには読まないでおこう。
でも、読みたくなっちゃうだろあなぁ。 -
カーヴィ少年の失踪は誘拐事件に変貌した。身代金受け渡しの場へと急行するフロスト警部だが、その鼻先で事態は思わぬ展開を見せる。はたして少年の安否は……? 母子四人殺害をはじめ、事件は山積みで、警部の疲労とマレット署長の不機嫌は募るばかり。キャシディ警部代行との仲も悪化する一方だ。悪態をつきつつ雨中を駆けずりまわる警部に、光明は訪れるののか?
原題:Hard Frost
(1995年)
— 目次 —-
第十一章
第十二章
第十三章
第十四章
第十五章
第十六章
第十七章
第十八章
第十九章
第二十章
まったく、もう、しょうがないなぁ。/荻原浩
ジャック・フロスト警部シリーズ作品リスト -
下巻で。
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イギリスの作家「R・D・ウィングフィールド」の長篇ミステリ作品『フロスト気質(かたぎ)(原題:Hard Frost)』を読みました。
『クリスマスのフロスト』、『フロスト日和』に続き、「R・D・ウィングフィールド」作品です。
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さすがの名物警部もKO寸前!?
大人気シリーズ第4弾
〈上〉
ハロウィーンの夜、ゴミの山から少年の死体が発見されたのを手始めに、デントン市内で続発する難事件。
連続幼児刺傷犯が罪を重ね、15歳の少女は誘拐され、謎の腐乱死体が見つかる…。
これら事件の陣頭指揮に精を出すのは、ご存じ天下御免の仕事中毒、「ジャック・フロスト警部」。
勝ち気な女性部長刑事を従えて、休暇返上で働く警部の雄姿をとくと見よ!
大人気シリーズ第4弾。
*『読売新聞』08年8月12日朝刊に、同紙文化部「佐藤憲一」氏による紹介が掲載。
*第1位『週刊文春』「2008ミステリーベスト10」/海外部門
〈下〉
「カーヴィ少年」の失踪は誘拐事件に変貌した。
身代金受け渡しの場へと急行する「フロスト警部」だが、その鼻先で事態は思わぬ展開を見せる。
はたして少年の安否は…?
母子四人殺害をはじめ、事件は山積みで、警部の疲労と「マレット署長」の不機嫌は募るばかり。
「キャシディ警部代行」との仲も悪化する一方だ。
悪態をつきつつ雨中を駆けずりまわる警部に、光明は訪れるのか。
解説=「荻原浩」
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1995年(平成7年)に発表された作品で、イギリスの架空の地方都市デントン市を舞台にした警察小説、「ジャック・フロスト警部」シリーズの第4作目にあたる作品です… 今回はなんと上下巻で900ページ超の大作、どんどん分厚くなり、同時多発的に発生する事件も大幅に増え、複雑さを増していますね、、、
でも、その分だけ読後のスッキリ感も増してる感じです… 面白かったー。
ハロウィーンの夜、7歳の少年「ボビー・カービィ」が行方不明になったとの報を受けて巡回中の新米巡査「マイク・パッカー」が、ゴミの中から全裸で右手の小指を切断された少年の死体を発見したのを手始めに、立て続けに事件が発生… 幼児ばかりを刃物で傷つけてまわる連続幼児刺傷犯が新たな罪を重ねれば、誘拐された15歳の少女「キャロル・スタンフィールド」が全裸の状態で保護され、さらには信憑性の点で大いに疑問の残る侵入窃盗事件や盗まれた夫の形見の勲章を捜してくれという老婦人の訴えや、廃屋となった住居の石炭貯蔵庫で身元不明の腐乱死体が出てくるなど、ほかにも大小さまざま取り混ぜて、事件がデントンの町を賑わせる、、、
毎度毎回、人手不足に悩まされているデントン署は、「アラン警部」が主任警部代行としてグリーンフォード署の応援に徴用される等の事情から捜査の指揮を執るべき幹部連が払底してしまい、休暇を満喫していたはずの「フロスト警部」に出動を要請することにに… 果たして「フロスト警部」は、これらてんこ盛りの事件を無事に解決まで導くことができるのか?
柄や功績には全く興味が無く、とにかく被害者のため、事件解決のために奔走する「フロスト警部」は、勝ち気な女性部長刑事で“ワンダー・ウーマン”の異名を持つ「リズ・モード」と、過去にデントン署に在籍していた出世の鬼で、自分の娘が轢き逃げで死亡した事件に関して「フロスト警部」と浅からぬ因縁がある「ジム・キャシディ警部代行」の二人の部下の相手をしながら捜査を進めていくが、そんな中、幼児三人とその母親が殺害される事件まで勃発… 捜査は錯綜するが、「フロスト警部」は、署内での宿敵である嫌味な「マレット署長」や、「フロスト警部」を毛嫌いし、自らの手柄や功績のためにしか行動しない「キャシディ警部代行」に足を引っ張られながらも、一つひとつの事件を解決していく、、、
今回も、一見、無関係に思えた事件が微妙にリンクし、連鎖することで、一気に解決していく展開が心地良かったですねぇ… そして、「フロスト警部」と、「モード部長刑事」や「キャシディ警部代行」との関係の変化も読みどころのひとつでした、、、
そして、これまで読んだ作品以上に、「フロスト警部」の、被害者の家族や同情すべき小悪党への優しさが描かれていた感じがしましたね… 義理と人情を感じさせるところがイイんですよね。
以下、主な登場人物です。
「ジャック・フロスト」
警部。主人公
「リズ・モード」
部長刑事
「アーサー・ハンロン」
部長刑事
「ビル・ウェルズ」
巡査部長
「ジョニー・ジョンスン」
巡査部長
「ジョー・バートン」
刑事
「ランバート」
巡査
「レジナルド(レジー)・エヴァンズ」
巡査
「ケン・ジョーダン」
巡査
「シムズ」
巡査
「ジョン・コリアー」
巡査部長
「スタンレー・マレット」
警視。デントン警察署長
「アレン」
警部
「ジム・キャシディ」
警部代行
「サミュエル・ドライズデール」
検屍官
「トニー・ハーディング」
鑑識チームの責任者
「ボビー・カービィ」
行方不明の少年。七歳
「ウェンディ・カービィ」
ボビーの母親
「ハリー・カービィ」
ボビーの父親
「ロバート・スタンフィールド」
中古車販売業者
「マーガレット・スタンフィールド」
ロバートの妻
「キャロル・スタンフィールド」
ロバートの娘。十五歳
「ディーン・アンダースン」
八歳の少年
「ジョイ・アンダースン」
ディーンの母親
「ハリー・バスキン」
《ココナツ・グローヴ》の経営者
「レミー・ホクストン」
前科者
「マギー・ホクストン」
レミーの妻
「シドニー・スネル」
前科者
「マーク・グローヴァー」
内装業者
「ナンシー・グローヴァー」
マークの妻
「フィル・コラード」
マークの同僚
「サンディ・レイン」
『デントン・エコー』紙の記者
「リチャード・コードウェル卿」
スーパー《セイヴァロット》の経営者
「トミー・ダン」
《セイヴァロット》の警備員
「トレーシー・ニール」
デントン・グラマー校の生徒
「イアン・グラフトン」
トレーシーの恋人
「エミリー・ロバーツ」
マレット警視の友人
「ダグラス(ダギー)・クーパー」
前科者
「ヘンリー・アラン・フィンチ」
会計士
「ミリセント(ミリー)・フレミング」
プリムローズ・コテージの住人
「ジュリー・フレミング」
看護師。ミリセントの妹
「ポール・ミルトン」
<ボンレイズ百貨店>の警備員
「クレイグ・ハドスン」
若い男 -
フロストは裏切らない。 マレットのしつこい嫌味も今回助っ人として戻って来たキャシデの自己中で自分勝手性格も、勢いが増している。フロストのだらしなさやお下劣で下品なジョークも健在だ。しかも上下巻なので長い!全てが盛り盛り。ゲップが出る程盛りだくさんである。でも…なんだろう…フロストの人間性や心根の温かさが根底に流れていて…やっぱりフロストは面白い。
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フロスの毎度はずれる直感をそのまま丁寧に書いているので、捜査が空振りに終わっている時間が長い。その試行錯誤いいのかもしれないが。
すべての事件がテーマで結ばれ一貫している。これだけ長い小説の色々な事件がすべてまとまっているのは見事という他ない。
次は「冬のフロスト」を読む。