探偵ダゴベルトの功績と冒険 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 93
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488293055

作品紹介・あらすじ

犯罪学を嗜む高等遊民ダゴベルトが、退廃の都ウィーンの社交界で起きる様々な事件を見事に解決。オーストリアのコナン・ドイルと称された著者の日本初となるオリジナル短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 『オーストリアのコナン・ドイル』と呼ばれる著者の短篇集。
    ダゴベルトがさらりと謎を解く様子は、正に古き良き時代の探偵小説で、往時を思わせる華やかなウイーンの描写にも惹かれる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ウイーンの描写にも惹かれる。」
      読みたいな~(本末転倒かも知れませんが)
      「ウイーンの描写にも惹かれる。」
      読みたいな~(本末転倒かも知れませんが)
      2013/04/23
  • 20世紀初頭のウィーン。音楽と犯罪学に打ち込む素人探偵ダゴベルトの探偵譚。

    短編集。9篇収録。
    基本的に友人夫妻のところでダゴベルトが事件について語る体裁をとっている。
    そにため会話が多く、夫妻(特に夫人)とダゴベルトのやりとりが過剰に感じられる面も。
    いや、くすりとさせられるところもあるし、当時の風俗がわかる部分もあって悪くはないんだけどね。
    三人の関係やキャラクタから脳内ではタツノコの三悪人の声で再生されて、それはそれで楽しかったし。
    特権階級ならではの事件の解決法は、このあとの帝国の崩壊を思うと複雑な気持ちになるのも確か。
    単純なミステリではなく、時代の背景こみで楽しむ作品だよねぇ。

  • 図書館で。
    オーストリアのコナン・ドイルということは向こうでは有名な探偵シリーズなのでしょうが初めて読みました。面白かったです。
    世間の評価や噂や名声を大事にする上流階級世界で警察沙汰にはなりたくないけれどもちょっとしたことを解決する洞察力の鋭い探偵さん。麗しの奥様に語って聞かせる、というスタイルも面白いです。彼が聴衆を焦らせて話を脇道に逸れさせようとするのも面白い。続きがあったら読んでみたいな~

  • 『上等の葉巻』
    友人であるグレアムバッハ夫妻との食事後に喫煙室にある葉巻入れの中から葉巻が数本なくなると言う事件に興味を持ったダゴベルト。翌週にグレアムバッハ婦人との会談で明かされた秘密。

    『大粒のルビー』
    妻が海外に行っている間に女公爵をなのる女優と親しくなったフリーゼ男爵。彼女の家で食事をご馳走になり帰宅後に彼女からの使者から盗んだルビーを返すように要求される。ポケットに入った偽のルビー。本物のルビーを返すように要求する女公爵。

    『恐ろしい手紙』
    グルムバッハ婦人ヴァイオレットの友人ケーテからの依頼。フェルト博士と名乗る男から偽の手紙で強請を受けるケーテ。フェルト博士を自分の秘書として雇い罠を仕掛けるダゴベルト。

    『特別な事件』
    ゼンゼン小路で殺害された医学生プフタ。凶器も不明なまま容疑者を逮捕するシュクリンスキー。被害者の手に残された女性物の眼鏡に注目するダゴベルト。自殺として事態の収集にあたった警察。事件直後に世界一周旅行に出た男爵親子。

    『ダゴベルト休暇中の仕事』
    休暇中のダゴベルトのもとに届いた手紙。自分の母親の出生の秘密を調べてほしいとの依頼。60年前に起きた子供のすり替え。ローデヴァルド青年の時計職人としての野心。母親の想い。1枚の絵から真相にたどり着くダゴベルト。

    『ある逮捕』
    ヴァイスバッハ男爵のパーティに招かれたダゴベルトとグルムバッハ。パーティの最中に男爵の使用人が客からシルバーのタバコ入れを盗むのを目撃したダゴベルト。使用人が凶悪な犯罪者と知り、騒ぎにならないように逮捕しようとゲームとして警察を呼ぶダゴベルト。ダゴベルトがヴァインリッヒに送った指紋。

    『公使婦人の首飾り』
    ある国の公使公邸で盗まれた首飾り。使用人が主の見送りに出た一瞬の隙に。公邸の中に潜んでいたモーハルト。シュクリンスキーに逮捕されたモーハルトは何故公邸にいたのか証言を拒否する。ダゴベルトの捜査。

    『首相邸のレセプション』
    首相が主催するパーティに招かれたダゴベルト。パーティの直前に首相婦人から依頼を受ける。これまでのパーティで数人が盗難の被害にあっていた。首相の甥の切られた鎖から事件のヒントを得たダゴベルト。

    『ダゴベルトの不本意な旅』
    2ヶ月も行方をくらませていたダゴベルト。グルムバッハ夫妻との食事後にかたる空白の2ヶ月。旅先で一目惚れした市場の女。彼女の店で怪しい両替をする男。彼女の夫の仲間として漁師に変装するダゴベルトの捜査。

  •  持って回った様な言い回しや表現は翻訳物には付き物だけど、この作品の場合は20世紀初頭の上流階級社会という作品の世界をよく表していると思う。どの話もパターンが一定しているし短めの話ばかりなので読みやすいのも嬉しいところ。

  • どうして創元推理文庫の海外ものは高いのか。
    これは1冊だけど、上中下とかざら。
    敢えてなのでしょうけど、文体が古めかしくて、読みにくい。

  • “オーストリアのコナン・ドイル”という帯にひかれて買った本。
    その当時のオーストリアの社会情勢や政治情勢などがわからないと疑問に感じる解決策。
    それを差し引いてもあまり心惹かれなかった。

  • この置いてきぼりを食らう感じ、古典ミステリならでは。
    もっと馴染まねば!

  • 2013/04/29読了

  • 20世紀初頭のウィーンが舞台と聞いただけで読みたくなりますね。。。

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    「20世紀初頭に入り爛熟期を迎えた文化都市ウィーン。音楽と犯罪学に打ち込む素人探偵ダゴベルトは、友人グルムバッハ夫妻との晩餐後、葉巻と珈琲を楽しみつつ、ハプスブルグ朝末期の社交界で起きる様々な難事件解決の顛末を披露する。「クイーンの定員」にも選出されたダゴベルト探偵譚から9篇を精選。オーストリアのコナン・ドイルと称される著者の本邦初となるオリジナル短篇集。訳者あとがき=垂野創一郎」

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