- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488401122
感想・レビュー・書評
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かなり久しぶりの乱歩ワールド。美形で優しい( と思われていた ) 夫の心ここにあらずな様子を怪しんだ妻は、ついに夫が何者かと逢瀬を重ねていることを突き止めるのだが…
やっぱり乱歩はねっとりしているなぁ。表題作は現代社会に置き換えてもあり得るストーリーかもしれない。
三次元の生身の女性より、二次元のアニメキャラに傾倒する男性は珍しくもないし…と言うか、この頃からそういう志向の人々はいたのかな。
一人二役 が個人的にはどきどきしました。自分の妻に他の男をしのばせて反応を見る…がその男を演じるのは自分で…歪んだ世界ですなぁ。 -
久しぶりに再読。
やっぱり、このあたりの短編が好きなんだよなあ。 -
乱歩氏の目指す本格というものがよく解らなくなったというのが本書の正直な感想。
がちがちの本格というよりも恐らくは当時乱歩は海外ミステリでよく行われていた「どんでん返し」の趣向に強い憧れを持っていたのではないだろうか。つまり一筋縄ではいかない結末を用意することに固執していたように思われる節がこの短編集では散見される。
しかしその趣向が上手く機能しているとは云い難く、はっきり云って蛇足に近い。二流の作品で終える予定が三流の作品に貶めているように思う。つまり最後の結末があまりにしょうもなさ過ぎるのだ。
ここに至り私は、乱歩氏は本格推理小説家としての才能は初期の短編の一握りの物にしか見られないと判断する。
乱歩氏は本格推理小説を最も書きたがった通俗ミステリ作家だったのだ。 -
十の短編集。やはり皆さまお勧めの「人でなしの恋」はとても良かった。他にも女の強さや男の純粋さ(弱さ)を押し出しているものが多かった気がします。「百面相役者」の悪い癖の部分も好きですし、しっかり本格の「灰神楽」も楽しかった。父の死の真相を探る「疑惑」も好みです。でも一番インパクトがあったのは「踊る一寸法師」のラストの影法師。こんなにめちゃくちゃなのに身を揉むほど痛々しく切ないのです。「木馬は回る」はこの短さに走馬灯のように一人の人生を追ったようでこれも良かった。読後読む自註自解が今回もとても楽しかったです。
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初期短編集。「人でなしの恋」は初期としては力作といえるだろう。「踊る一寸法師」は「孤島の鬼」に連なるテイスト。当時の挿絵が載っているが時代の空気が読めて素晴らしい。
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短編集。『一人二役』、『モノグラム』辺りが好み。『灰神楽』はベーシックな推理小説な感じで良いですね。表題先にもなった『人でなしの恋』は、さすが乱歩な描写で素晴らしかった。
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表題作が好き
昔の作品て読みにくいけれど江戸川乱歩は読めるなぁ。