仮題・中学殺人事件 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488405137

感想・レビュー・書評

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  • ミステリとしてはシンプルなネタが多く、読みやすい印象だけれど。作中作などの凝った構成もされている作品。なるほど、「読者が犯人」の意味はこういうことですか。
    実はこのシリーズを読むのはこれが初めてだけれど。あのジャガイモくんがやがては「完全恋愛」を書くのだなあ、と思うと感慨が深いです(笑)。

  • スーパーとポテトシリーズ1冊目。
    「この推理小説の中に伏在する真犯人は、きみなんです」
    「密室のポイントはどうやって作ったかじゃない、なぜ作ったかにある」
    「お人よしで気まぐれで、マンガとクラシックが大好きで、親孝行でわがままで、分裂してるみたいでちゃんと統一のとれてる女の子」
    期待を煽る始まりに、
    全ての伏線を回収していく作業。
    2回驚きます。
    辻真先に騙される快感

  • 2004年5月31日読了

  • この推理小説の犯人は読者(あなた)なんです。


    辻真先が放つデビュー長編。


    ……少し詭弁めいたところもありますが、読者が!!なんて発想を形にしてしまう氏の周到さには恐れ入ります。

    微笑ましいスーパーとジャガイモのコンビ(あ、兄貴がいたか)と、辻真先誕生秘話、お楽しみくださいw

  • 探偵、探偵の助手、依頼人、とミステリの犯人役は読者の裏をついてきました。これは更に裏をつくものであります。復刻に納得。最後も謎まみれ・・・

  • 1972年の復刻版。懐かしい〜。これを読むまでは辻真先=脚本家のイメージが強かったのですが……。今読んでも面白いです。叙述トリックの決定版。スーパー&ポテトのコンビが今でも好きです。

  • 1ページ目、ミステリの作者からいきなりびっくりするような内容が語られます。
    <blockquote>ところで質問。きみは事件の真犯人を誰だと思う?
    <br>ムチャいうな、事件のジの字もはじまってないぞ、小説はまだ第一ページじゃないか、と怒るだろうね。<br>
    (中略)
    <br>この推理小説中に伏在する<b>真犯人</b>は、<b>きみ</b>なんです。
    <br>そんなバカな、とまたしてもきみはいきりたつだろう。小説を読んでいるだけの私が、なぜ犯人にされちゃうのかって?
    だから申し上げたはずである。最後までお読みなさい……とね。</blockquote>
    これが、噂ではよく聞く「読者=犯人」として書かれた作品(の一つ)なのです。
    <br>そういう珍しさもあって、一度読んでおきたかった作品なのです。

    <hr>

    大きく分けると、この小説は2つのストーリーが絡んでいます。<br>
    中学2年生のコンビ、「牧薩次(通称ポテト)」と「可能キリコ(通称スーパー)」の出てくるストーリーと<br>
    少年推理作家の「桂真佐喜」とその友人「加賀美清子」の出てくるストーリー。<br>

    つまり、これは、少年作家の作中作と、
    彼らの身の回りに起きた実際の事件が、
    交互に語られているわけです。
    <br><br>

    すばやい展開で一つ一つの事件は、どんどん片付いていきます。<br>
    多少強引な展開で進んでいったりもしますが、
    まあ、それはあまり本質ではありません。<br><br>

    個々の事件は「読者=犯人」を構成するパズルの一部だと思ってください。<br>
    <br>


    さて、一体どうしたら「読者=犯人」という小説が成り立つのでしょうか?
    <blockquote>ヘェー。よほどきみは推理小説が好きなんだね。ありがとう、よくまあぼくのこんなヘタクソな話を、読む気になってくだすった。感謝するよ。</blockquote>
    <hr>

    <a href="http://blogs.dion.ne.jp/zzz/archives/1035178.html" >※その他の本の紹介・感想まとめはこちら</a>

  • わたしの読書生活の原点の作品です。


  • 1972年刊行の作者のデビュー作。<BR>
    「スーパー&ポテト」シリーズの第1作でもある。<BR>
    <BR>
    子供向の作品とはいへ、「犯人は讀者」といふメタな設定には驚かされる。<BR>
    昔の子供はレベルが高かつたのだらう。<BR>
    實は私の同時代ものなんだけど・・・<BR>
    <BR>
    2004年7月23日讀了

  • 時代を感じさせるカタカナ語たち…。とはいえ内容は短くとも濃いです。時刻表が好き。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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