- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488423131
感想・レビュー・書評
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酉乃初シリーズと「ココロ・ファインダ」の後にこの本を読んで、静かで抑揚が抑えられた文章が印象的でした。
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む〜ん...(^ ^;
作品自体のクオリティはとても高いのですが、
これまた「おっさんが読むものじゃなかった」感が(^ ^;
それぞれが独立した短編集で、
共通点としては全作品にミステリ要素があることと、
若い女性が主人公の、若い女性向け作品だ、ということか。
昭和の香りただよう「少女小説」という単語が浮かんだ(^ ^;
ミステリ「要素」はあるが、それが主体と言うよりは、
登場人物たちの小さくも深い「成長の一歩」
みたいなものに主眼を置いているような。
作品ごとの登場人物の造形は、とてもリアルで、
それぞれに自分たちの考えがあり、
それぞれの人生をちゃんと生きている感じがする。
その中でも、各主人公たちは群を抜いて繊細で、
聡明であるが故にいろいろなものが見えて「しまい」、
人に気遣い、自らを律し、傷つき、気疲れしてしまう。
それでも、それぞれのきっかけを見つけて、
小さな一歩で次の大きなステージに向かっていく。
そんな少女たちの心象を、作者は温かい目で見守る。
決して先を急ぐことなく、少女たちが自らの足で
新しい一歩を踏み出した姿を見届けてから、
そっと筆を置く...そんなイメージ。
とても「丁寧に」綴られた印象を受ける。
おっさんが読んでも大変面白く読ませていただきましたが、
おそらく年齢の近い「少女まっただ中」の人とか、
「卒業したての少女」、「少女帰りしている大人」などが読むと
きっともっとずっと共感できるのだろうな...と思ふ(^ ^;
同じ値段を払って、私より絶対に楽しめる人がいると思うと、
うらやましいというか、損した気分というか(^ ^;
読み終わってから、読んでいる間中ずっと背景に
静かな音楽が鳴っていたことに気付くような、
そんなほっこりした読後感の一冊でした(^ ^ -
繊細な少女の心情を綴っているところは相沢氏らしいのですが、ミステリー要素がなく繊細さだけでは明らかにターゲットから外れている自分は楽しめなかった。
それにしても氏の作品を読んで毎回思いますが、男性が書いているとは信じ難いです。 -
どの話もよく出来ているとは思うけど、自分には合わなかった。
人を選ぶ小説。 -
2018年46冊目。青春の揺れ動く感情を丁寧に描く繊細な短編集。⌈小生意気リゲット⌋謎解きの要素もあって、爽やかな読後感が光る。⌈チョコレートに、躍る指⌋一番重たい作品だけど、一番入り込める作品でもある。
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2017.9.15読了 112冊目
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問題や影を抱える少女たちの心の揺れ動きを丁寧に描く短編集。ちょっとほろ苦くて、でも優しい気持ちになる。「小生意気リゲット」と「卯月の雪のレター・レター」が好み。ともに共感するところが多くて少し刺さる。
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(内容)
両親を亡くした後、就職を機に「わたし」は妹を引き取る。ふたりで懸命に生きてきたが、最近になって妹が不可解な行動を取るようになり……。姉妹のあやうい関係を描く「小生意気リゲット」。教育実習先の小学校で出会った、“嘘つき"と呼ばれる少女の言葉の真意を、実習生が読み解く「狼少女の帰還」。祖父宛に届いた、六年前に亡くなった祖母からの手紙。それに込められた秘密を女子高生が追う表題作など、揺れ動く少女たちの心と、暖かさや切なさに満ちた謎を叙情豊かに描く全5編。青春ミステリの名手が贈る珠玉の短編集。 -
揺れ動く少女たちの心理を巧みに描いた日常の謎短編集。
お互いを思いやる姉妹や女友達同士の葛藤を丁寧に描きながら、すこしだけ切ない謎を加えた5編の短編でした。
何をやりたいのかわからず、模索して立ち止まっている若者の心の動きに魅せられます。
将来に対する不安や懼れなど、簡単にはとても表せない気持ちを取り繕うことなく懸命に前を向いている姿には、自分も通ってきた道なので、懐かしさと尊さと感じますね。
著者は男性だというのはすぐにわかりました。
何となく、女性が女性を描いた時のリアルさが無いんですよねー。
これはこれでいいと思うし、悪いわけではないのですが・・・、うっすら「うーん、違うかなー。惜しいけど。」と感じてしまいました。
少女へのアプローチが、自分の好みと少し違いました。それだけです。