ななつのこ (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488426019

感想・レビュー・書評

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  • 女子大生駒子は「ななつのこ」を読んで感動し作者にファンレターを出す。作中の「ななつのこ」も魅力的な作品。瀬尾くんの正体が明かされてびっくり。なにか秘密がありそうだとは思ったけど、まさか「ななつのこ」作者だったとは。駒子と真雪の関係、瀬尾の真雪家族へのサポートの仕方がよかった。

  • 主人公のお話と小説のお話が二重に進んでいく。なれないうちはとまどったけれど、だんだんと両方の世界が馴染んでいき、おしまいまで読んだとたんにはじめから読み直したくなりました。
    何気ない日常に紛れてしまいそうな謎を解き明かされる面白さもあり、登場人物達の人生を応援したくなる暖かさも溢れています。

  • この本を手に取ったのは、大崎梢さんの『ひつじくん』シリーズに出てきたのがきっかけです。
    作中に別の本の話が出てくることってありますよね。しかも本屋さんや出版社に勤める人が語っていると
    「面白いに違いない」と気になり、読むきっかけになることが多いです。

    ほわっとあたたかみのある雰囲気が良かったです。次作も読んでみようかな。

  • 加納朋子氏デビュー作です。ミステリーの枠らしいですが、誰も死なず、殺されない全7話の連作物です。日常の中で主人公が不思議に思う物。そのすべてに、それまではられていた伏線すべてを集めた答えが。ちょっとはっとします。手紙1枚でここまで分かるとは、謎解きはディナーの後での執事みたいだな、と思いながら読みました。

  • 先輩に薦められてすっかりお気に入りになり、そこから自分を遅咲きの小説読みへと変えた思い出深い作品。その時既に20も半ばを過ぎてた気がする。
    劇中本(?)を読んで作者にファンレターを送ったことによって起きた物語を本にまとめた体の本。
    駒ちゃんに惚れる。

  • 北村薫氏へのオマージュときいて。

    最後のオチをきいて、表紙をみて 女子高生に読ませたいなぁ、と。キュンキュンするのではないだろうか。。。
    ただ、ラストの主人公のセリフ、もっと彼女らしくて、でも可愛らしいのがあったのではないかなぁ。。。と思ってしまった。
    そこで吹き出して笑ってくれるかなぁ。。。
    まぁ、それほど手紙のやり取りで関係性が伝わっていたという事だろうか。
    それか、同じ価値観、感性という事で。

    二十歳への見解と、天文学の連星の話が面白かった。

    比較してしまうと、北村氏の方がより読書好きの女の子を上手く表現しているのでは、と感じてしまった。

    これはこれで綺麗にまとまっているので
    続きがどのような方向性にいくのか。。。気になる。

  • 読み終わりたくない。って言うのが最初の感想です。
    駒子の居る空間にいつまで浸って居たい気分にさせてくれます。

    駒子の周りの素敵な人達。
    駒子の人格が集めた人達なのでしょうね。

    私もその中の1人になりたいなぁ。

  • 必読書ですよ。

  • 加納朋子のデビュー作。

    ミステリとサスペンスの区別が付いていない読者(つまり僕)にとって、人死にが出ない推理小説ってのは物凄く新鮮だった記憶があります。そう、謎はまさに、そこら中に転がっていたわけですね。着想の良さに脱帽するほかありません。

    一つ一つの話もほのぼのしていて好ましいのですが(特にお気に入りは「モヤイの鼠」)、一話毎に主人公の世界が広がっていって、最後にがちっと画が完成する仕掛けは見事。成程、こういうのを連作と言う訳ですか。

    ミステリに縁遠い人にこそ、まずは読んでみてほしい一作。じわじわ染みてきますよ、コレ。

  • 本の中の本。
    読者の行動を追う読者。
     「日常の中の小さな謎」をテーマにした『ななつのこ』という本がある。その本の読者、短大生の駒子が、私たちが読んでいるこの本の主人公。『ななつのこ』を読んで、駒子は半ば衝動的にファンレターを送る。その中に、本の感想とは別に彼女自身の身の回りで起きた小さな謎の話を書く。すると、それに対する返事の中で作者が見事に謎を解く。やがて物語は、「読者の謎を次々と解き明かす作者の謎」へと…。
     いわゆる「日常の謎」ジャンルに属する傑作の1つにして、加納朋子氏の代表作の1つ。「話の仕組み」の巧みさに唸らされた。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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