定価のない本 (創元推理文庫 Mか 8-3)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488433130

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすかった。

  • 終戦後1年
    古書の街 神保町で、ひとりの古書店主が
    自分の本に押しつぶされてこの世を去る

    彼の死は事故なのか、それとも故殺なのか
    犯人は誰か。

    兄貴分男が謎に挑む
    陰で糸を引くGHQ
    神保町の男たちとGHQの維持がぶつかり合う終盤は見もの

  • 第二次世界大戦直後。東京。一人の古書店主が倒れてきた多くの本によって圧死。事故か?殺人か?事後処理と調査に同業者の古典籍を専門に扱う古書店主が立ち上がったところから始まる物語。戦前から戦後すぐまでの古書業界の仕組み、状況などが描かれ、興味深かった。古本好きとしてはたまらなかった。そこからの展開は二転三転。最後はまさか日本の歴史を守る、日本の文化財を守るという大きな話にまで転がっていくとは思わなかった。そのやり方はまさに古書店主らしいやり方なのだけれども、それは読んでのお楽しみ。太宰治がちょい役だけど顔を出していてちょっとニヤリとした。巻末の対談で、作者が、本が倒れてきて圧死だなんて「普通の読書さんからしたら、小説家だからってそんなことを好き勝手に想像で書いて…と思うかもしれないけれど、我々からすると非常にリアリティのある死に方です」(p.364)と書いてたけど激しく同感。2018年の北海道胆振東部地震の時は寝床のすぐ横の本棚2本を必死でおさえつつ本を浴び、もう2本の本棚は抑えきれず、部屋が本で埋め尽くされて身にも他人事ではなかった。

  • いい本です。

  • 神保町、古書、GHQ。戦後の復興期の神保町を舞台にしたミステリー。

    太宰治が出てきたところで、なんか物語からひいてしまった。サービス精神なんだろうけれども。

  • 本にまつわるストーリー
    想像していた時代とは違ったが、その時代の古書にまつわる歴史や神保町という町について知ることができた。この時代、治安の悪さがあるなか、主人公の行動が大胆で、こういう人が時代を作っていくんだろうなと思った。

  • 終戦から復興を遂げつつある古書街・神田神保町の一隅で、一人の古書店主が人知れずこの世を去る。同業者だった琴岡庄治は事後処理を引き受けるが・・・。書を愛するすべてのひとに贈る、著者の真骨頂とも言うべき長編ミステリ。

  • 2022年10月24日購入。

  • 推理小説読んでてこんなに熱くなることはない
    戦後の日本人の「日本の文化」離れに悲しい気持ちと腹立たしい気持ちが生まれたけど、結局は再興したし、それに実際自分が戦後すぐの世で生きてたとして文化を守ろうって気になれるのかな...私も玲奈同様、果たして日本の文化を守った彼らと同じ「日本人」と自信を持って言えるか自問自答したくなる
    フィクションでもこの琴岡庄司と神保町を初めとする日本中の古本屋店主の志はかっこいい
    それと庄司がファイファーとの闘いの中で相手に同志意識を感じたところがやっぱり熱かった

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、第42回オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で第69回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。近著に『ロミオとジュリエットと三人の魔女』『信長、鉄砲で君臨する』『江戸一新』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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