- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488451011
感想・レビュー・書評
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小市民を目指す、小鳩くんと小山内さん。
でも、どうしても知恵を働かせ、謎を解決し復讐?までもいってしまう。
なぜ小市民を目指すのか、最後まで読むと出てくる。
ケーキがたくさん出てくる。
今後、彼らはどのように成長していくのか気になります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
余計なことはせず、慎ましい”小市民”を目指す小鳩君と小佐内さん。しかし、そんな二人の目的に反し、二人の回りには様々な謎が現れ、そしてそれを解く羽目となる。
日常の謎系統の連作作品。消えた女子のカバンから、不可思議なココアの入れ方、自転車泥棒の謎まで様々。
印象的だったのは「おいしいココアの作り方」
小鳩君の友人の家で温かいミルクココアをごちそうになった二人。しかし、牛乳をどうやって温めたかが分からない。それがどうも気に入らない友人の姉と一緒に、二人が推理を働かせる短編です。
別にどうでもいい事なのに、それに頭を働かせる三人、特にお姉さんの意気込みっぷりがなんともおかしかったです。そして真相のしょうもなさも、またご愛嬌(笑)。
謎解きうんぬんよりも、謎が謎であることの魅力と、それが分かってしまった時の、「なんだ、そんなことか……」感が楽しかった短編でもあります。
現実世界の謎はえてしてそんなものですが、ミステリ小説であるこの本の他の謎は、もちろんつまらないものではありません。
最終話の「孤狼の心」では、どこにでもありそうな、自転車泥棒の謎が、思わぬ展開につながっていきます。自転車泥棒の行動から、その目的に迫っていくロジックの構築はスリリング!
そして、主人公コンビのキャラも、不思議な魅力があります。
二人がなぜ謎と関わらない”小市民”を目指すのか? そこら辺の過去のゴタゴタも気になるところですが、なにより小佐内さんの本性と過去が気になって仕方ないです。
おとなしくてケーキが好きな女子、だと思いきや、読めば読むほど、化けの皮が剥がれそんな分かりやすい女子、という感じが無くなっていきます。かなりの黒歴史があるのでしょうか(笑)
シリーズはこれから、『夏季限定~』、『秋季限定』と続いていくみたいですが、そこで二人の過去により焦点があてられるのかも気になるところです。 -
小市民シリーズ第1弾。
主人公の小鳩君と小山内さんは、何故小市民を目指すのか。
そこが引っかかってたんだけど、カバーイラストと
最初の方の軽い日常系の謎に、まんまと騙されました。
中学時代の反省で小市民を目指したのはわかったけど
当たり障りのない軽い話から始まって
少しずつ怪しくなっていく。小山内さんが!
狐と狼か・・・過去に何があったのか気になります。
続きを読むしかあるまい。 -
きっかけは古典部シリーズ、からのこの小市民。氷菓に続いてアニメ化してみても面白そうだなと思ったり。
日常の謎を解いていく、いわゆる人の死なないミステリ。解説にもあるけどキャラなどの描写が控えめでたしかに気になるな。
小鳩君と小佐内さんの過去が「わたし、気になります」 -
人一倍「執念深い」小山内サンと人一倍「口を出したがる」小鳩クンとは、おなじ高校に通う同級生。ふたりとも、どうやら過去にそんな性格が災いし手痛い目にあっている様子。高校入学を機にそんな「短所」を封印し、「小市民」として地味ながらも穏やかなスクールライフを送ろうと誓うふたりだったが、皮肉なことにそんなふたりの前に次から次におかしな事件が起こり……。
いわゆる学園を舞台にした「日常の謎」モノ。文庫書き下ろしの四部作。この『春期〜』は、第1作だけにまだまだプロローグといった印象。今後に期待をもたせる感じ。「おいしいココアの作り方」は、もっと単純なやり方もあるように思うのだが、賢吾のキャラクターに引っかけつつ、読者が思いもしないような方法を披露したかったってこと、かな?
※アアルトコーヒー庄野さんからのおすすめ本 -
はじめは小佐内さんにイライラしてしまってたけど、理由がわかってからはすごく魅力的な女の子に印象か変わっておもしろかった。
小佐内さんの過去を知りたい、、、。 -
米澤穂信の『春期限定いちごタルト事件』を読了。
ここのところずっと殺人のあるミステリばかり読んでいたので、息抜きの意味も含め日常の謎、所謂コージーミステリを扱った本作を読んでみようと思った次第。恐らく同作家の『氷菓』以来だろうか。
本作は連作短篇という形をとっている。しかし殺人がないからといって、つまらない訳ではない。ミステリに明るくない人は、推理小説となるとすぐ殺人事件と結びつけて考えることがままあるが、それは大きな間違いだ。しかし興味の無い人にとっては、それも致し方ないことなのかもしれないが。
脱線しかけたので感想に入る。まず思ったのは、やはり日常の謎も良い、ということ。全体的にユルい感じではあるものの、ミステリ要素はしっかりしているからだ。
そして日常の謎というだけあって、殺人事件ものより遥かに現実的な謎が提示される。そしてその難易度と答えも納得のいくもので、よく出来ていると感じた。ただ、面白さの面でいうと、一般的に認知されているミステリにはどうしても劣るのは否めない。
だが、主人公の小鳩君と小佐内さんの少し変わった関係はこのシリーズの一つの注目点だろう。二人は過去の出来事でトラウマを持っている様子。常に小市民であろうと心掛けているが、その理由が実に分かり易い。といってもそれは小鳩君の場合であり、小佐内さんの過去に何があったのかは明かされない。本作のタイトルにある「いちごタルト事件」では、彼女に恐ろしさすら感じるところもあり、過去に何があったのか非常に気になる。
現在この「小市民シリーズ」は三作目まで出ている。いずれ読むことになるだろうが、今から楽しみである。 -
キャラが立ってて面白い。
ミステリーとしても楽しめたし良い作品。