動物園の鳥 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 425
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488457037

感想・レビュー・書評

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  • 【あらすじ】
    春の近づくある日、僕・坂木司と鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、その幼馴染みの高田安次朗さんだ。高田さんがボランティアとして働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻発しているという。動物園で鳥井が掴んだ真実は、自身がひきこもりとなった出来事とどうつながるのか――。はたして鳥井は外の世界に飛び立てるのか、感動のシリーズ完結編。鳥井家を彩る数々の家庭料理をご自宅で作れる、簡単レシピ集「鳥井家の食卓」など、文庫版おまけ付き。

    【感想】

  • 90頁より

    失うことを知る人ほど

    与えられる喜びも

    また大きいものだ

  • 春の近づくある日、僕、坂木司と鳥井真一のもとを
    二人の老人が訪ねてきた。
    僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、
    その幼馴染みの高田安次郎さん。
    高田さんがボランティアとして働く動物園で、
    野良猫の虐待事件が頻発しているという。
    ひきこもり探偵シリーズの完結編。

  • 青空の卵、仔羊の巣、そして最終巻の動物園の鳥。坂木、鳥井、滝本、小宮、塚田、安藤…その他多数の心優しく魅力的な人たち。1冊読み終える度に、笑顔になれる優しいストーリーばかりでした。面白かった!

  • シークレットトラック読めてよかった……
    坂木が、辛くとも鳥井を檻の外に出させてあげたのほんと、そして坂木似合うため外に出た鳥井ほんと、そこまでの鳥井の心理的葛藤を思うと悶える。
    レシピも嬉しいな! 鳥井の料理美味しそうだったので作ってみよう。簡易版にされちゃっているのは残念だ。牛骨をオーブンから焼くハヤシライスのレシピ欲しかった。

  • 坂木司の動物園の鳥を読みました。
    青空の卵シリーズの完結編でした。

    引きこもりの鳥井真一は動物園での野良猫の虐待事件の真相解明の依頼を受けて坂木と動物園に出かけます。
    そこで、坂木と鳥井は引きこもりになってしまったいじめ事件の張本人と対峙することになります。

    いつもながらに冴え渡る鳥井の推理で事件は解決します。
    そして、シリーズの中で友となった人たちとの交流によって鳥井を少しずつ傷を癒していくのでした。

    全てが解決したわけではないけれど、少しずつ鳥井も坂木も立ち直っていくと信じられる物語でした。

  • シリーズ完結。
    相変わらずの引きこもりの鳥井だけど、少しずつ関わる人が増えていき、とうとう坂木の元を巣だつ時が来た。

    依存していたのは鳥井だけじゃなくて、坂木もいじめの出来事によって、心に傷を負っていたことを自覚した。
    鳥井を外に連れていこうと言いつつ、荒療治ができなかったのは、彼自身の優しい性格もあるだろうけど、鳥井が自立してしまうことをイメージできなかったんじゃないかな。

    憧れの対象のようになりたくて、なれなくて、対象に屈折した思いを持ってしまったという意味では、谷越も坂木も同じかなとも思う。
    まぉ相手に害を与えた時点でもはや同じじゃなくなってるけど。

    アドラーの心理学を読んだ後だからかもしれないけど、優劣で自分の価値基準を決めるとどこか歪みを生んでしまうのかな、と思う。
    自分がやりたい、好きなことを続けたいと思う事と比較すると、あいつより上になりたい、勝ちたいという思いは、基準が相手の状態に依存するから段々ぶれてしまって、いつの間にか昇れない自分を持ち上げるのではなく、対象を自分の下に落とす事に尽力してしまうんじゃないかな。
    まして今はネットやテレビで成功してる人だったり、幸せそうな人を見つけるのは簡単だし。
    優劣でなく、自分がどうなりたいか、
    勝つ対象ではなく、求める理想の目標として具体的な人をあげる、その人になる!ということではなく、その人のような行動が取れる人間になると意識する事が大事だなと思う。

  • 2012.08.13

  • 引きこもり探偵シリーズ第3弾。
    これでシリーズの終了。

    周りに出てきた登場人物が、あれこれと継続して賑やかな引きこもりぶり。

    世間一般の言う良いものに引きずられて、価値観を判断せずに、それを周りに強要したり、
    良し悪しの判断ができずに何も決めることができないやさしさを振りまいたり、
    様々な価値観。

    そして主人公2人に訪れる次のステージ。
    すがり合う関係から、関わり合うようになれるのか。
    作者の優しさが湧き出る作品だった。

  • 引きこもり探偵シリーズ一気に読破♪最後は1つの事件をじっくりと。坂木くんもいよいよ自分に向き合う時が来て…皆何かを抱えて、何かが未消化で。でもそれって何歳でもどの時期でも誰しもが抱える事なんだろうな、と思います。ひねくれたまま大人になった人、気づかないまま大人になった人、分かりつつ向き合わない人。それぞれが殻を破って飛び出すとき、それまでの生き方がものを言うんだろうな。もう来ない、お前が来い。その一言がとてもとても重かったです。最後のその後の最後は心穏やかなエピローグ。二人なら大丈夫♪

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著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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