百万のマルコ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M や 3-4)
- 東京創元社 (2007年3月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488463045
感想・レビュー・書評
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マルコ・ポーロが語る壮大なほら話。謎と結果が唐突に示され、そこから謎を解いていく形になる。短編らしく簡潔で、味気ない気もするが、それが面白い気もする。(2007/08/23)
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ベースとなる枠組の中で、典型的な起承転結ストーリーが展開される。謎の提示は唐突で、結果が先に明かされるため一瞬きょとんとするが、読み慣れるとその不思議な間が魅力的に思えてくる。「なるほど」と唸らされる、とんちのきいた解決まで実にテンポよく進む。ノスタルジックな刑務所、マルコが語る壮大な話、固定されたキャラクター──ショートな短編集でありながら、作中の雰囲気がとても気に入った。ラストも手際よくまとめてあり、久しぶりに心地よい読後感だった。
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チンギス・ハーンに仕えたマルコ・ポーロの回顧録という形式で、早い話がバカミス短編集。それまでの歴史偉人シリーズを期待して買ったが、その点やや肩透かしだった。決してつまらないという意味ではないけれど。
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「百万(嘘つき)のマルコ」が獄中で物語る異国の奇妙な風習の数々と謎。謎は…とんちというかなぞなぞというか。答えを聞くと「あっ!そっか!」ちょっとダマされた気がするけど、上手くダマしてくれるので、気分良し。 「東方見聞録」を土台にして、こんなにきらびやかで豊かな物語が紡がれるとは!作者の壮大なホラ話に乾杯!読んでる間中、マルコと一緒に、ここではない場所を旅してる気分になります〜♪好き好き♪ 印象に残った話は「能弁な猿」「輝く月の王女」「雲の南」に「ナヤンの乱」と「一番遠くの景色」かな。マルコとのクイズ合戦で、投獄仲間たちもだんだん鍛えられてくるけど、でもマルコには人間の器でさえ叶わないというところが、ものすごく好きだ。