少女には向かない職業 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M さ 5-1)

著者 :
  • 東京創元社
3.40
  • (187)
  • (457)
  • (742)
  • (151)
  • (24)
本棚登録 : 4449
感想 : 503
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488472016

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 女子高生の大西葵と宮乃下静香が目論む殺人行為を克明に描写した、ある意味で痛快な物語だが、高校生らしいドジな面も随所に見られて楽しめた.葵が義父を憎んでいることを察した静香が巧みな手腕を発揮して難なくことを運んだが、静香自身も殺人願望を持っており、それとなく葵にほのめかす.中ほどに出てくる「告白」が話を一層面白くしていると感じた.静香の祖父に当たるおじさんも死んでしまうが、宮乃下浩一郎の犯行だと確信した二人が浩一郎の殺害を画策する過程が楽しめた.本に執着して謎めいた静香が本当の主人公だろう.高校生の実態が分かる点も楽しめる.

  • 旅のお共として。桜庭一樹の本を初期から読みたいと思っていて、ようやく2作目。少女過ぎて何かしんどくなるんだよな、おばちゃんには。1作目、よく覚えてないけど、多分1作目の方が面白かった。これはちょっといまいち。最後もここで終わるんだって感じだったし。警官の「親は子の心配をしているものだ」という話は今の小説では書かないだろうなと思ったり。今の警察の人は何て話すんだろうな。と思うと、もう20年近く前にこういう話を書いてたのは画期的だったのか?いやでももう引きこもりとか児童虐待はメジャーになってたんだからそれはないか。

  • 独特のラノベっぽさと、心情表現がすごく気に入った作品。登場人物に振り回されながらあっという間に読んだ。好み。

  • 産業革命以降、本来は通過儀礼などで明確に線引きされていた大人と子どもの境は無くなった。そして青年期の少年少女は、従来自立が可能でありつつも、子どもとして保護されるべき存在となった。

    大人とも言えず、子供とも言えない。そんな過渡期にある未熟で不安定な少女が周りの歪んだ大人や環境によって狂わされる話。子どもとして保護されなかった少女は自らの力で泥沼へと進んでいく。

  • ちょっと中途半端だったかな
    ラストで救われたような救われてないような、感じでわからない

  • 不思議な読後の本だった。元ラノベ作家ということもあって、大まかな設定は重かったが、それ以外が軽かった。その対比が、より中学生の不安定な心を上手く表していたと思う。

    人を殺そうと思うまでの経緯は重要だと思うが、そこが上手く書けてたと思う。ただ、そこまで感情移入できなかった。おそらく、文体があまり合わなかった。

    内容としては面白かったが、ラノベ感がかなり強かったと思う。

  • 人間付き合いにおいての表現、流れ、主人公の感じる事は、リアルに通ずるものがありました。ただ、全体的に明るいシーンはないし、むしろ胸糞悪いシーンが多めなので、感情移入をしやすく、負の感情に流されやすい方は、お気をつけください。この一冊を一気見した後、体力をゴッソリと奪われました。

  • テンポ良くハラハラさせられたが、最後はもったいないと感じてしまった。

  • 葵ちゃんを自分だけのものにするために半分は本当の嘘をつく静香ちゃんの絶望的な感じに、胸がときめく。自分だけを見て欲しいから必死に“誰か”になろうと頑張る静香ちゃんに共感できる人は沢山いるはず。
    スパルタの狐みたいなことにならないように適度な息抜きが必要ってことも分かってるんだけど、それが難しいのよねぇ。
    もっと早くSOSを出していれば助かったのかもしれないけれど、それは全然ロマンティックじゃないから、誰も助けてって言えなかったのかな。素敵。

  • 爆萌!

全503件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

桜庭一樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×