- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488605025
感想・レビュー・書評
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やっぱりフレドリック・ブラウンはいい!
どこかしら洒落ていて、スカしていて、面白い。
面白さに文字数は関係ないと教えてくれる。
この本は装丁も好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
発表されたのは50年代、古い短編集です。この時代に活躍した短編作家に共通する特徴、SFとファンタジーが渾然一体となった(まぁ、無理に区別する必要もないんですけどね、面白ければ)小体ながらも機智に富んだ作風が端的に表れた、読みやすい作品です。
同時代の短編作家たち、例えば軽妙なユーモアとSF的感性がスマートに表裏一体となっているロバート・シェクリィや、眩いまでに艶やかな陰鬱さと残酷さを秘めたレイ・ブラッドベリと比較して、フレドリック・ブラウン作品の特徴は「オチが力技」という点ではないかとヽ( ´ー`)ノ。この短編集に収録されている「ミミズ天使」が読みたくてこの本を購入したんですが、これこそ力技以外の何ものでもないオチ。読了後の感想は、「そう来ましたか!」です。どこからこういう発想が出てくるんでしょうね、この人は・・・。
基本的にはファンタジー寄りで軽いタッチの作品が多いですが、中にはその鋭さにハッとする作品もあります。
鴨が強く印象に残ったのは「不死鳥への手紙」。これぞSF、と言えるシャープな問題意識を孕んだ傑作です。ストーリー展開の仕方はやっぱり力技なんですけどね。 -
ブラウン好きだった〜vv
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前に同じ著者の短編集を読んだことがあって、そこに収録されているものと被ってるのがある。ので、部分的に再読になったわけだけど、面白かったな。ほどほどに忘れているというのもあってか…。
「気違い星プラセット」は以前読んだときに鳥の問題の解決法に感心した記憶があるけど、今回はそれプラス、他愛もない(といっちゃあなんだけど)コメディなところが好きだなと思いました。「悪魔と坊や」「ミミズ天使」などもいい意味で軽いところが好き。
一方で「帽子の手品」のような不穏なのもよいです。 -
ショート・ショートの名手による短編集の古典。序文からもう面白い。SFとファンタジーの違いを解説しつつ、さりげなくショート・ショートを一本入れちゃう。全16篇あるが、見開き2ページのショート・ショートから80ページ超の中編まで、サイズはバラバラ。どれも見事なオチで唸らせるものばかり。思わずリアルでニヤリ顔をしてしまった<気違い星プラセット>、センス・オブ・ワンダーなガチSFの<不死鳥への手紙>、面白いが文明について考えさせられる<ウァヴェリ地球を征服す>がお気に入り。1950年代に書かれたものだが今読んでも新鮮さを感じる、古びない名著。
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23:「解答」を読みたくて古本で入手。「解答」はウィキペディアによると、いちばん最初にシンギュラリティに言及したとのこと。見開き2ページ(むしろ1ページ半)の短編で、確かにシンギュラリティだったし、短い作品の面白さが凝縮されてて面白かった。他の短編も良かった!これははまる……。
東京創元社から短編集が出るとのこと、楽しみ。 -
SF。ファンタジー。短編集。
短編8作、ショート・ショート8作。
『さあ、気違いになりなさい』で何作か既読。「ユーディの原理」は覚えてた。
どの作品も粒揃い。
フレドリック・ブラウンは、SFもファンタジーもミステリも、短編も長編もショート・ショートも、どれでも面白い。オールラウンダー。
短編では「気違い星プラセット」「ミミズ天使」「ユーディの原理」、ショート・ショートでは「死刑宣告」「唯我論者」が好き。
特に「ミミズ天使」はボリュームもあり、一番インパクトがあった。不思議なタイトル、奇妙な展開、奇抜なアイディア、ハッピーエンド。 -
SFとファンタジーの違いについて、の序文が興味深かった。
なるほど、現実には今ありえなそうな物語に科学的な説明をつけたもの、と。