- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488605056
感想・レビュー・書評
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☆━━…‥・企画展示・‥…━━☆
宇宙(そら)をよむ
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SF短編の名手ブラウンが描く奇想天外な話の数々。
月に思いをよせるハツカネズミ、いとも善意に満ちた怪物ベムたち、ゴキブリの思念投射に惚れこんだ男、サンドウィッチの中の宇宙船など、奇抜な着想と豊かなファンタジーに彩られた全9編の物語の饗宴は、いかなSF嫌いの読者をもファンに変えてしまう不思議な魔力を持っている。
(裏表紙内容紹介より)
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貸出期間 1週間
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内容は忘れた。
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古書購入
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昔読んでとても気に入っている本です。
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どれも水準の出来ではあるけれど、『さあ、きちがいに』が文句なく最上だった。
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最初の『緑の地球』と、最後の『さあ、気ちがいに』は、何とも言えない鬱なエンディング。
正常と狂気を分けるものとは、一体何なのか。
そもそもそんなものは、存在するのだろうか… -
収録作「ノック」が、偏愛する星新一著『ノックの音が』の題材であったと知った時から、フレドリック・ブラウンという名は存じ上げておりました。
しかし、
「地球上にのこされた最後の人間が一人で部屋の中に坐っていた。と、ドアにノックがして…」
という一文を知って即購入。
なんとも魅力あふれるセンテンスではないか!
”当代きってのSF短編の名手”、”いかなるSF嫌いの読者をもSFファンに変える”などと形容される彼は一体どんな剛腕の持ち主なのかと、読む前は背筋を伸ばしてかかったのだが…
序文の天の邪鬼っぷりを拝見して、いい意味で敷居が下がり、次の「緑の地球」や「狂った星座」を読み終わって、嫌いになれない作家だと確信しました。
なんといっても発想がやんちゃなのだ。
子供のように自由奔放でルールのない発想は、解りづらいと敬遠するSF嫌いの心を確かに掴んで離さないだろう。
このフレドリックという御仁、ジョークを飛ばしたり、誰かを驚かせたりして、人を楽しませることがとっても好きな人なんだろうなぁ。
読んでてヒシヒシと伝わってきましたよ、そのユーモアセンス。 -
SF小説の名手フレドリック・ブラウンの短編集。(松丸本舗の棚のキーブックだったので購入)
好きな文章。
「人間とは、進化のどんづまりであり、他の生物と力を競うあまりに出現が遅すぎた生物であり・・・」
「人間はお笑い草であり、道化者であり、寄生物なのだ。人間は無だ。まったくとるにたらない。」
SF小説って、着想が宇宙とかが多いから、そういう話を読むと色んなことから解放される気分になる。
いろーんなことに勝手に自分で悩み、勝手に原因を自分で作り、勝手に誰かに嫉妬して、勝手に進歩を遅くしちゃう人間。
あぁつくづく人間ってダメだなぁって思うけど、どっかの宇宙のやつからしたら、そんな不完全で、なかなかうまくいかないくせに、生き続けようとする人間って存在が「笑いのネタ」なんだろうなぁ~って思えると、なんだかそれだけで、あぁ失敗しても、悩んだりしてもいいのかっと思える。
辛い時はまたこんなSF小説を読みたい。どんだけ自分がちっぽけで、自分の苦痛、悩み、存在がどれだけ無価値で、だけどそれでも生きてるだけで、誰かのネタになっているってことを思い出せるから。
挑戦し、失敗し、それでも生き続けることへの許し。それが生き続けるエネルギーになるから、やっぱSF小説は面白いなぁ。 -
ネット書店だと、すぐ届きました。
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SFの名手・フレドリック・ブラウンによる、傑作短編集。
いやぁ、フレドリック・ブラウンいいですねぇ。
最初に早川から出ている『さぁ、気ちがいになりなさい』を読んだときは、面白いながらもそのシュールさに「??」となりつつ読んだのだが、冊数を重ねるごとに、この人の凄さがわかってきた。
突飛な発想と軽妙な語り口、それでいてときに笑ってしまうようなオチを、実にスマートに描いてくれている。なんだかんだ言って、根が品のいい人なのだと思う。
ショートショートをひねったような作品から、ミステリタッチのSF、理屈と倫理の狭間を描いたサイコホラー風味のものまで、作品の幅も実に広い。
私的には、「狂った星座」みたいな、とぼけた茶目っ気にあふれる一品も大歓迎。こういうユーモア好きだ(笑)。
それでいて、「1999年」や「さぁ、気ちがいに」のように、「反転する価値観」を描く作品も面白い。
特に「さぁ、気ちがいに」を読んでいる最中は、「正」が「狂」になってしまう様子がどうしようもないのにそのどうしようもなさがリアルで、ぞくぞくしてしまった。
ところで、「さぁ、気ちがいに」の光がまぶしすぎて逆に目が見えなくなるような感覚に、神林長平さんの「忙殺」を思い出した。