10月はたそがれの国 (創元SF文庫) (創元推理文庫 612-2)
- 東京創元社 (1965年12月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488612023
感想・レビュー・書評
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ブラッドベリ 「 10月はたそがれの国 」
人間の過ち、孤独、狂気を描いた幻想小説短編集。サスペンス仕立て。
死の世界の中に超人間(再生、生まれ変わり)を求めているが、現実の人間を否定していない
鏡をモチーフとした「こびと」は 自分の愚かさや醜さに気づかない著者自身の告白に読める
サスペンスの「つぎの番」は 結末を知ってから読み返すと、伏線が多い。かなり怖い
平凡で退屈な男が 承認欲求を得るために狂気化し、エスカレートする姿を描いた「マチスのポーカーチップの目」は 現代的だと思う
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いつごろ読んだか? (2012/6/7 調べ ・・・図書館にはもうない)
出版社/著者からの内容紹介
ポオの衣鉢をつぐ幻想文学の第一人者、SFの抒情詩人ブラッドベリの名声を確立した処女短編集「闇のカーニバル」全編に、
新たに五つの新作を加えた珠玉の作品集。
後期のSFファンタジーを中心とした短編とは異なり、ここには怪異と幻想と夢魔の世界がなまなましく息づいている。
ジョー・マグナイニの挿絵十二枚を付す決定版。
著者: レイ・ブラッドベリ
1920年アメリカ生まれ。アメリカで最も名高い小説家。映画や演劇の脚本も執筆。
米国ナショナル・ブック・アウォードなど数々の賞を受賞。
著書に「華氏451度」「たんぽぽのお酒」など。 -
SF
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遠い日に初めて出会ったブラッドベリ。今でもやっぱり好き。
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何とも不思議な世界観だなぁ、と。
その中でも純粋なホラーの「小さな殺人者」や、本当に怖いのは誰なのか首を傾げてしまう「二階の下宿人」なんかの、解りやすい話が面白かった。 -
以前から内容は知らないまま、最高の題名だなあと思っていた短編集。勝手にSFかと思っていたのだけれど、ポオよりの怪奇幻想ものだった。萩尾望都さんの漫画化で知っている作品もあり、ひとつひとつじっくり楽しめた。ブラッドベリも未読の名作がたくさんあるので、手をのばしてみたい。
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SF的な作品より、幻想的な世界観が心に残る作品を数多く輩出しているブラッドベリの、これまた情緒的なタイトルに惹かれて読んでみたら、まさかのホラーテイスト多めの短編集だった!
ブラックユーモアの詰まった話、これ単なる後味悪いホラーやんけと言いたくなる話、彼らしい耽美的な世界観の話が見られ、バリエーションは豊かだが、やはりホラー風味は強い。挿絵のセンスも光る。 -
[66版]2012年6月22日
外国文学の場合、作家の宗教観が理解できないと、作品の本質を味わうことができないと思う。
積読本さえなければ、読み返したい作品も多く(あえて書かないが)、作者の紡ぐ幻想的な物語の世界を楽しめた。
しかし、「こびと」は展開が腑に落ちず、何度よんでもモヤモヤが晴れなかったし、「集会」は、最も主題・趣旨が不明でした。 -
怪奇幻想短編集。ホラーめいたものも多いけれど、おおむね幻想的で美しいイメージの作品が多いです。抒情的な文体から浮かび上がる情景はどれもが奇妙で、美麗なものでした。
お気に入りは「大鎌」。一番ホラーらしい、というか、実際に一番恐ろしく感じた作品。壮大な麦畑のイメージがこれほど恐ろしいものだとは。挿絵からして不気味……。
「小さな殺人者」も怖いなあ。一番嫌な作品はこれかも。
恐怖とは別の観点から魅力的だったのは「集会」。楽しくて、だけれども読後には少し淋しくなってしまう一作でした。 -
昔、1度読みました。大鎌のお話は覚えてた。