黙示録3174年 (創元SF文庫 ミ 1-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488643010

作品紹介・あらすじ

最終核戦争の結果、一切の科学知識が失われ、文明は中世以前の段階にまで後退した。だがその時、一人の男が災禍を逃れた数少ない文献の保存につとめるべく修道院を設立した。そして30世紀をすぎる頃、廃墟の中から再建が始まろうとしている。今度の文明こそは、自滅することなく繁栄の道を歩めるだろうか?孤高の記録保管所が見守る遠未来の地球文明史。ヒューゴー賞受賞巨編。

感想・レビュー・書評

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  • 核戦争によって文明は崩壊し、中世以前に退化した世界を描くSF小説。核戦争そのものも文明への打撃であったが、核戦争後に核戦争を引き起こした科学技術を憎み、知識人の抹殺に走った人々の狂気が文明退化の大きな原因となった。

  • 個人的に終末モノを読みたいムーブが起きていて、ずいぶん前に手に入れた本を読んでみた。冷戦の時代の空気感?恐怖と諦めのようなものが滲み出ている。復刊されないのかなぁ。

    核戦争とその後の暴動により失われた科学知識を、今は理解できなくても必死に守る修道院。空飛ぶ車、巨大な建物、青写真、トランジスター、、、中世レベルの原始生活を営む人々には、当時の科学知識は人智を超えた秘蹟や神の仕業と違いがなく、聖書の言葉とよくなじむ。
    二部は、タデオ博士とリーボウィッツ文書の出会いはわかったものの、背景のハネガンの侵攻?詩人のガラスの眼?はほぼ説明なく話が進んでいくためわかりづらかった。
    三部は、また文明の発達した修道院。数千年前に「科学知識」を保持するために殉教覚悟で繋いでいた彼らが、「地球の記憶」を保持するさらに絶望的な役割を担う。この本の中でも1万年くらい経っている気がするけど、変わらないものはキリスト教の根源と(しかも彼らが信仰の拠り所にしているだけで、救いがあるわけでもない)、死体を探す大空のハゲタカくらい。次の核戦争の後は、ハゲタカはどうなるのでしょうか。

    p349
    待てよ、われわれには救いがないのだろうか? 二度も、三度も、四度も同じことをくりかえすのがわれわれの運命なのか? 興起と衰亡を永遠にくりかえして不死鳥をまねる以外の道はないのだろうか? アッシリア、バビロン、エジプト、ギリシア、カルタゴ、ローマ、カール大帝の帝国、トルコ。すっかり土に帰り、畑になって耕されている。スペイン、フランス、イギリス、アメリカー何世紀も前に燃えつきて忘却の中に埋まってしまった。
     これが運命なのですか、主よ、このわれわれ自身の狂った時計の振子に鎖でしばりつけられて、とめどもなく振りまわされるのが?

  • 《目次》
    ・第I部 『人アレ』
    ・第II部 『光アレ』
    ・第III部 『汝ガ意思ノママニ』

  • 核戦争後に生き延びた人々がほそぼそと暮らす世界。文明は失われ、人々は中世以前の生活を送る。修道僧により文明の遺物が保存され、徐々に科学技術の再発見が行われる。しかし、失われたものは膨大で、過去の文明には到底及ばない。その後、長い年月を経て文明は核戦争以前よりも発展するが、人類は悲劇を繰り返す。再び核兵器が使用され地球は壊滅し、少数の人だけが脱出した。

  • ディストピア第三弾。さて、心は持つだろうか…。

  • ルシファーを核と結び付けている点になるほどなぁと思いました

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