- Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488698102
作品紹介・あらすじ
蘇生への一縷の望みを託して低温保管器に収められたマイルズの遺体が行方不明に。一体どこへ消えたのか?マイルズの訃報は故国バラヤーにも伝えられ、彼の皇位継承権はマークが引き継ぐこととなる。だが皇位への忌避感から、マークは全力をあげて遺体の捜索にとりくみ…機密保安庁に先んじて手掛かりを得た彼は、傭兵艦隊の面々を率いて出航する。マイルズ奪還はなるのか。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞。
感想・レビュー・書評
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国守夫人の計らいにより、マークは機密保安庁の情報へのアクセス権を獲得するとともに、船を調達してもらう。皇帝にはマイルズ捜索の後押しを頼み込み、イリヤンの反対を押し切って出発する。その頃マイルズは病院で目が覚める。逃亡は失敗するが、手厚く看護され次第に回復する。
(上)にも書いたが、これはマークが主役の作品。クローンとして生まれ暗殺者として育てられた後、その運命から開放され自分を確立する物語。
ヒューゴー賞、ローカス賞受賞作。このシリーズは受賞作が多いが、受賞作とそうでない作品を比べると、受賞作は科学の発展が引き起こす倫理的問題を問う内容となっているように思う。(そうでない作品はそれなり。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マークがマイルズの遺体の捜索に出掛けるあたりから、話は盛り上がってくる。
マークの成長っぷりと話の終わり方が気持ちいい。 -
あの、マイルズのクローン、マークが主人公。
ジャクソン統一星系のクローンを救出するために、マイルズの留守を狙って、マークがネイスミス提督として艦隊を動かしてしまう。
しかし、経験不足から、マークは進退きわまる。
なんかとマイルズたちが間に合うが、彼はマークをかばって死んでしまう。
唯一の希望として冷凍保存するものの、脱出の際に遺体が行方不明。
このまま見つからなければ、マークはなりたくもない皇帝継承者。
さらに、マイルズの両親に触れ、申し訳なくなったマークはマイルズを見つけるために行動を起こす。
やはり、これは今回の主人公マークのおかげだろう。
マイルズの出番はそれほどないのだ。
クローンだったマークが、自分の力を知り、自分のアイデンティティを探していく物語。
『ミラー・ダンス』の題名通り、マイルズもまた、記憶喪失になってしまい、自分の破片を取り戻そうとする。
常に計算高く行動するマイルズに比べて、マークはかなり魅力的に見えた。マイルズもひねてて好きだけどね。
考えてみると、恋と冒険、挫折と成功って、昔ながらの騎士物語のパターンなのね。