銀河英雄伝説〈2〉野望篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-2)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488725020

感想・レビュー・書評

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  • 1巻とはかわり、帝国も同盟もその内側の戦いに終始していたため、虚しさがしっとりと全体を覆っていたような印象。

    キルヒアイスとアンネローゼの交わらない視線の、その熱というか、そんなものがとても好きだ。

  • 上官、部下、それぞれの思いが交差する一冊。
    深く知っているからこそ言えない一言や、信じているからこそ言わなくても通じる一言にじーんと来ました。

  • 最後の方の衝撃

  • ヤンのグリーンヒル大尉に対する責めも赦しもしない、そっけのない対応になんだか目頭が熱くなった。
    この小説は他の小説に比べて心にぐっとくるセリフが多いです。
    以下2巻より

    この戦いにかかっているのは、たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利にくらべれば、たいした価値のあるものじゃない。
    政治の腐敗とは政治家が賄賂を受け取ることをいうのではない。賄賂を受け取った政治家を批判できないような状態のことを言うのだ。
    ナンバーワンに対する部下の忠誠心は、代替のきくものであってはならない。

  • とりあえず帝国軍の方がえらいことになった第2巻。
    だんだん人の名前も覚えてきました。

    帝国、自由同盟ともにかなり人口がいるにせよ、戦いの度に数十万クラスの死者を出してるのは問題にならないんだろうか…?

  • 買い直し。キルヒアイス…

  • アニメをすべて観たうえでどうしても小説が読みたく
    なったので、入手しました。

    あらすじは、あまりにも有名なので割愛します。

    このシリーズを読み出してまず思ったことは・・・

    登場人物の台詞が自分の頭の中で、アニメの
    声優の声に置き換わっているということ。

    さらに読み進めていくと、細かな描写や事件に差異が
    あるものの、ほぼアニメと同じ(正確にはアニメが小説と同じなんですが・・・。)

    ここまで、忠実に再現された映像ものって珍しい。
    (私が観た中なので、忠実に再現されたアニメ・ドラマは多いかも知れませんが・・・。)

    忠実に再現されたアニメだとしても、やはり、描ききれていない部分ってのもあって、
    小説を読み終えると、腑に落ちなかった部分が補完されて、非常にすっきりしました。

    それにしても、映像化したスタッフの執念を感じました。
    よほどこの小説にほれていたんだろうなぁ~。

    惚れ込むほどの仕事をしてみたいものです。

  •  ううぅ……キルヒアイス~~~~~。分かってた事なのに、不覚にも電車の中で涙ぐんでしまった。

     ヴェスターラントの虐殺の件は、ラインハルト本人にも話の本筋にも後々まで重く被さって来るエピソードだけど、私のラインハルトに対する感情にも最後まで大きく影響してる。

     ラインハルトは皇帝として理想的であると思うけど、それでもやっぱり全面的に指示する気持ちになれない。オーベルシュタインによれば、これを阻止した場合はもっと多くの戦死者が出たという事だけれど、それでもこの黙認は許されるべき行為じゃないと思う。
     キルヒアイスを喪った事でみんなラインハルトに同情的だけれど、それってラインハルト側に立っての気持ちだよね。キルヒアイスの側から立ったらどうなんだろう。
     もしヴァルハラがあってキルヒアイスに訊ねる事が出来たら、ラインハルトを守って死んだ事に後悔はないって言うとは思うけど、それでもそれが本望ではなかった筈。
     結局私が凡人的な発想しか出来ないからかも知れないけれど、ヤンだったら絶対に黙認しないと思うし、ラインハルト程の人であれば、もっとやりようがあったと思えてならないから。

     それからアンネローゼ。この件について全面的に悪いのはラインハルトのように言われているし、本人もそう思ってるようだけど、一番の遠因はアンネローゼの言葉だよね。
     勿論それはキルヒアイス自身の望みとなったわけだけど、彼女は何かにつけてキルヒアイスにラインハルトの面倒を見るように言っていて、キルヒアイス自身の事は十分に思いやっていたんだろうか。自分自身がそう出来ない立場にあったとはいえ、5歳も年下の少年に、自分が本来すべき事を押し付けてる感がどうしても拭えない。
     キルヒアイスが自分に信仰に近い好意を持っている事は知っていた筈だし、それを利用した一種の洗脳とも取れる。
     ラインハルトにも「ジークになんでも相談しろ」とは言うし、キルヒアイスに「ラインハルトはこういう性格だからあなたの力が必要」という事は言っても、ラインハルト自身に、何故キルヒアイスになんでも相談しろと言っているのかという説明はしてない(少なくとも描かれてない)。
     アンネローゼがそんなあくどい人だとは思わないし、美しくて控えめで優しくて頭も良いのはその通りだけど、美しくて控えめで優しくて頭も良いだけの人だと思う。
     それが帝国の女性の鑑なんだろうか。

     結局、アンネローゼ・ラインハルト姉弟の方が、キルヒアイスよりもいろんな意味で格上という条件での話だと思うんだよね。でもそれで自然なんだね、帝国では。
     こうはっきりした身分の上下関係っていうのは、やっぱり私には理解出来ない事だ、どうしても。

  • き キルヒアイス……!!  読みながら思わず「え」だの「うわ」だのつぶやいてしまう程度には動揺した。

  •  とてつもなく大きな事件が連発する2巻。もちろん、最後のが一番ショッキングなわけだけど。

     それにしても、作者のあっさりとした突き放した書き方は、改めて読んでみると驚く。アニメ版の方が、これでもかというくらいウエットなのとは大違いである。いわば「歴史小説的」な重さが、ここから生まれてくるように思う。

     スケールが宇宙であるだけで、描かれているのはたとえばナポレオンとロシアの戦いであったり、宮廷陰謀ものであったりするのは確か。宇宙というスケールであっても、結局トップ対トップの一騎打ち的な会戦で終結するあたり、ほとんどローマ時代のようだ。作品のねらいには、それが一番ぴったりくるのは確かなのだけど。

     天才のくせに、どうしようもないことにばかり頭を悩ませなければ行けないヤンが、本当にかわいそうになる。まあ、こういう人生なのだろう。
    2007/6/29

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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