銀河英雄伝説〈2〉野望篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-2)
- 東京創元社 (2007年4月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488725020
感想・レビュー・書評
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1巻とはかわり、帝国も同盟もその内側の戦いに終始していたため、虚しさがしっとりと全体を覆っていたような印象。
キルヒアイスとアンネローゼの交わらない視線の、その熱というか、そんなものがとても好きだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上官、部下、それぞれの思いが交差する一冊。
深く知っているからこそ言えない一言や、信じているからこそ言わなくても通じる一言にじーんと来ました。 -
最後の方の衝撃
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ヤンのグリーンヒル大尉に対する責めも赦しもしない、そっけのない対応になんだか目頭が熱くなった。
この小説は他の小説に比べて心にぐっとくるセリフが多いです。
以下2巻より
この戦いにかかっているのは、たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利にくらべれば、たいした価値のあるものじゃない。
政治の腐敗とは政治家が賄賂を受け取ることをいうのではない。賄賂を受け取った政治家を批判できないような状態のことを言うのだ。
ナンバーワンに対する部下の忠誠心は、代替のきくものであってはならない。 -
買い直し。キルヒアイス…
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き キルヒアイス……!! 読みながら思わず「え」だの「うわ」だのつぶやいてしまう程度には動揺した。
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とてつもなく大きな事件が連発する2巻。もちろん、最後のが一番ショッキングなわけだけど。
それにしても、作者のあっさりとした突き放した書き方は、改めて読んでみると驚く。アニメ版の方が、これでもかというくらいウエットなのとは大違いである。いわば「歴史小説的」な重さが、ここから生まれてくるように思う。
スケールが宇宙であるだけで、描かれているのはたとえばナポレオンとロシアの戦いであったり、宮廷陰謀ものであったりするのは確か。宇宙というスケールであっても、結局トップ対トップの一騎打ち的な会戦で終結するあたり、ほとんどローマ時代のようだ。作品のねらいには、それが一番ぴったりくるのは確かなのだけど。
天才のくせに、どうしようもないことにばかり頭を悩ませなければ行けないヤンが、本当にかわいそうになる。まあ、こういう人生なのだろう。
2007/6/29